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わが短歌鑑賞 その5 茂吉の歌碑

2016年11月02日 14時58分18秒 | Weblog

佐賀県内に建っている斎藤茂吉の歌碑の歌を取り上げて自己流に解釈を試みてみた。これはその5回目。

肥前なる唐津の浜にやどりして唖のごとくに明け暮れむとす     斎藤茂吉

唐津にも温泉がある。潮湯である。口に含むと塩っ辛い。すぐそこに玄界灘が横たわっている。唐津は名勝地である。鏡山から眺め下ろす玄界灘と浜辺に沿った長い松原との絶景が見られる。宿を取って明け暮れたとあるからしばらくここに逗留をしたのだろう。喋る相手がいなければ唖になっているしかない。一流の歌人である。世間に持ち上げられてきた人にとってみれば、そこに人が犇めいていなければ寂しいに違いない。なんだか行間に寂しさが漂っている。ここでもまたしばらく病を養ってでもいたのだろうか。でも彼には支持者が多いから、唐津へ来ている著名人の彼を黙っておいたはずはなかろう。物書きをして唖になっていたのかもしれない。大正9年の作だ。そこに流れている感情の波が、こうしてすぐさま伝達手段である「韻律のことば」になるところが巧みだ。

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