<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

鴫が鳴いたってどうともない

2016年09月18日 11時30分56秒 | Weblog

秋の歌をもう一首。大好きな西行の歌から。

こころなき身にもあはれはしられけりしぎたつ沢の秋の夕暮れ     西行 新古今集より

「心無き身」とは仏教に帰依した者のこと。仏門に入った者は決心して世を捨てた者のはずである。それでも「もののあはれ」はなおさらに身に滲みてくるというのだ。家族とするひともこころに宿を取る恋しい人もはっきり断ち切っているはずである。そうであってもなおさらにそういうものの情感の「あはれ」が隙間から侵入してくるのだろう。鴫が鳴いたくらいで揺れに揺れるのだ。もっとも鴫が飛び去っていくときには甲高い声で鳴くから、こころがいきなり驚くだろうが。仏に仕える身であったとしても秋の夕暮れにいると何もかもが物寂しいのだろう。鴫が一瞬飛び立つ。すると心無き身がすぐさま心ある身に変貌してしまったようだが、それでこそ人間のぬくもりである。

さぶろうはどうだ。心無き身にもならず、ぐうたらぐうたらして過ごしているので、心ある身の「もののあはれ」にも疎くなっているばかりのようだ。鴫が鳴いたってどうともない。

 

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