JR西日本キハ30形キハ30 69/鍛冶屋線記念館

以前ご紹介した、市原駅記念館にて保存されているキハ30 70,72。これらの2両は塗装がオリジナルのものに変更されていましたが、今回ご紹介する車両は、引退の時そのままの塗装で残っています。
と言うことで、今回は鍛冶屋線記念館のキハ30 69に関する記事です。



鍛冶屋線が廃止となる前は市原駅から4つ先、起点の野村駅(現在の西脇市駅)から13.2kmの地点にあった鍛冶屋駅。鍛冶屋線の終点であり、その路線名の由来になった駅です。
路線廃止と共に役目を終えた同駅ですが、現在は鍛冶屋線記念館とその名を変え、同線の資料などを展示しています。



駅舎と共にホームが1両分程度残っており、当時の駅名標も残されています(何故か現役時は隣の駅であった中村町駅の駅名標もある)。

そしてそのホームの脇にて保存されているのが、キハ30 69…一時期は大きな勢力を保っていた、加古川線色を纏う気動車の最後の生き残りです。



加古川線色と言えば、電化される前に加古川線、廃止前の鍛冶屋線を活躍する車両に施されていた塗装であり、特にキハ40系の入線までは同線で活躍していたバラエティ豊かな気動車群全てにこの塗装が採用されていました。
この塗装はキハ30形にも漏れなく施され、市原駅記念館で保存されているキハ30形2両も塗装の変更前はこの色でした。



エメラルドグリーンに白帯と言う単調な塗装ではありますが、前面は二本帯にデザインが加えられるなど、その特徴的な塗装はキハ30形にも似合ってる様に思います。
キハ30 69は鍛冶屋線の廃止と共に引退を迎えており、その後27年もの間当地で保存されています。状態は悪くないので、定期的に管理されているのでしょう。



現役当時のホームに据え付けられたまま保存されているので、こう見るとまだ駅が生きている様に感じます。訪問時には人っ子一人いませんでしたが。。。

今後も鍛冶屋線の記憶を伝え続けて欲しいところです。

〈物件データ〉
設置場所：兵庫県多可町 鍛冶屋線記念館
公開時間：特に無し

撮影データ：2017年9月11日 15時半頃

下津井電鉄クハ24、ホカフ9/鷲羽山下電ホテル

岡山と香川を瀬戸内海上を経て結ぶ瀬戸大橋。全長13.1kmにも及ぶ広大な橋へは本州側、四国側共にアプローチ部が存在していますが、その本州側のアプローチ部にある最後の駅が、西日本管内のみで折り返す列車の終点駅にもなっている児島駅です。
そんな児島駅ですが、以前はあるナローゲージ路線との接続駅でした。今回ご紹介するのは、そんな小さな路線で走っていた、小さな小さな車両たちです。



そのナローゲージ路線とは、児島駅から鷲羽山方面へ路線を伸ばし、下津井港の脇に位置していた下津井駅へと達していた下津井電鉄線です。1990年末に全線が廃止となりましたが、児島駅は旅行センターとして、線路跡はサイクリングロードとして、それぞれ「現役」を保っています。
下津井電鉄線の終点であった下津井駅には、現在も同線で活躍した車両が多く残されており、年に数回公開されているとか。そんな下津井駅跡からつい最近搬出され、常時見ることのできる場所に移設された車両達がいます。今回ご紹介する、クハ24とホカフ9の2両です。



下津井駅跡から鷲羽山下電ホテルの入口付近に設置されたこれら2両。移設は今年の9月末に行われ、現在は立派な屋根の下にて保存されています。

クハ24は、1990年の下津井電鉄線全線廃止まで活躍した車両で、元はモハ103(下津井駅跡に現存)と編成を組んでいました。クハと言う記号の示す通り制御車であり、前面上部に設置された大きなヘッドライトが特徴的です。
下津井駅跡では編成で残っていたのですが、とうとう離れ離れになってしまいました。少し残念な気もします。。。



対するホカフ9は、見ての通り有蓋貨車です。記号と外観から察するに、車掌が乗り込むスペースがある様ですが、車内はどうなっているんでしょうね。



ホテルのスロープ側から。立派な屋根が設置されており、今後も良い状態を保ってくれそうです。両端が屋根から飛び出してますが。

今回移設された2両は、今後内外装の改修を行い、数年後にはカフェ等として活用されるそうです。主にクハ24が使われるんだとは思いますが、ホカフ9の車内も少し気になるところ。
今後の活用に期待の物件でした。

ちなみに、一部公道側から撮影した画像がありますが、道路の外から安全を確認しながら撮影したものです。決して通行量の多い道路ではありませんが、行かれる方はくれぐれもお気をつけて。

〈物件データ〉
設置場所：岡山県倉敷市 鷲羽山下電ホテル駐車場
公開時間：特に無し

撮影データ：2017年11月4日16時半頃