The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版 『赤髪連盟』 : (2)

2016-10-14 |  ∟グラナダ版SH
グラナダ版『赤髪連盟』 : The Adventure of Sherlock Holmes :  ”The Red Headed League” (2)
(1985年) - S2E5



・・・続きです。

ロス氏と契約を交わすウィルソン氏が仕事の内容を確認すると、勤務時間は10時から午後2時迄で
勤務中はどんなことが有ろうとも事務所から出ない事。 仕事の内容は百科事典(encyclopedia)
の筆写だと言います。 そして筆記道具は持参する様にとの事。
仕事は来週の月曜日から始める様に言われ了承し契約書にサインしました。

しかし、帰宅して考えてみると馬鹿らしく思えてきたと言います。
ワトソンは「どうして? 素晴らしい話じゃないか」と言いますが、ホームズは「筆記道具持参
とは大富豪にしてはケチだ」と感想を述べました(ホームズの様に天才でなくてもそこは
オカシイと思うんですけど・・・・)
ウィルソン氏も悪ふざけが過ぎるのではないかと不審に思いつつも こんな美味しい仕事を断る
のも惜しくなり 結局安いインク、筆写用紙7枚を買った上ポープス・コートへと向かう事にした
のです。
事務所に到着すると部屋にはロス氏が待って居り 机と椅子も用意されていた(と言うより机と
椅子だけしか無い殺風景な部屋)

毎週土曜日の2時にロス氏が現れ給料を払い 帰る時に事務所の鍵を閉めるのだとの事です。
ウィルソン氏の話を聞きながら必死で笑いをこらえるワトソンとホームズ。笑ったらダメだよと
目くばせするホームズの表情が何とも可愛い!

8週間かけて筆写は ”A”が終わり”B”に移ろうとした今朝突然仕事が終わったのだと言います。
何時も通り出勤するとドアに張り紙があり『赤髪連盟は本日限りで解散』と書かれていた。



近くの事務所の紳士にロス氏の事を訪ねると、ロス氏は昨日引っ越した。 新しい事務所の
場所を訪ねると「キング・エドワード街17」であるとの事で早速その場所を訪ねたところ 
看板は「バーケット&サン膝当て工場」となっていたのだとの事でした。
それを聞いたワトソンは遂に爆笑、ホームズも「笑うなよ」と諫めながら自分も堪え切れず大爆笑。


↑ この時の2人の表情は何とも言えません(笑)

それを見たウィルソン氏は「笑うなら他に行く」と気分を害した様子。
ホームズは慌てて引き留め「この事件を逃す訳にはいかない。実に風変わりで面白い」と興味を
示し始めます。
ワトソンは「貴方は連盟から恩恵を受けたのだろう。お金が貰え しかもAで始まる言葉について
詳しくなっただろう」とチョット皮肉を込めて言いますが、ウィルソン氏は何故彼等が自分を振り
回すのか理由が分からないと困惑しています。

ホームズは店員が働き始めた時期を確認すると3ケ月前からだと言います。
彼を雇った経緯は、求人広告を出して応募者は彼を含め12人程いたが 彼に決めた理由が 有能
そうだし給料は相場の半分位で安く済むからだと言うのを聞いたホームズは考え込んでしまいました。
彼の容姿を尋ねると、背が高く体格は細見ヒゲは無い。額に火傷の後があるとの事。
これを聞いたホームズは 「耳にピアスの穴をあけていませんか?」と確認します。 
確かに若い頃に開けたそうだとの答えを得ました。
(このあたりでホームズは真剣にこの件を考え始め、店員にも心当たりがある様にみえますね。)
ウィルソン氏はこの日の午後は店を閉め ヴィンセントの勧めにより妹のの家に行き休養する事に
なっているとの事を聞いたホームズは、「今日は土曜日。 月曜日までに解決します」と自信あり
げに告げ、料金を心配するウィルソン氏には他の人が払うだろうと安心させるのです。

彼が帰っていくとワトソンが 「どう思う?」と尋ねますがホームズは 「不思議な話だ。
異常な事件ほどからくりは単純なものだ」 ”Yet there are graver issues hanging from
this affair then that first had happned”
(これも良く知られた語録の1つです)
そして、これからどうする?と尋ねるワトソンに対し、”To smoke. It is quite three pipe
problem”
「タバコを吸う。 これは3服分の問題だ」と言い そして「50分間黙っていて
くれ」と椅子に丸まって推理に没頭します。


↑ この時のホームズの姿勢も正典パジェット版挿絵と全く同じに踏襲されています。

(※ ここで再び有名なホームズ語録 ”thee pipe problem” が出ていますね。 そしてこの
セリフはBBC版シャーロック ”A Study in Pink”に於いて禁煙中のシャーロックの「ニコチン
パッチ3枚分の問題…」と言う形で踏襲されていました。) 

そんな中、別所にて「男が赤髪連盟の件は完了です」と報告している相手がモリアーティー教授で
あることが示唆されるシーンが挿入されます。

”3服分”深い思考に耽っていたホームズはいきなりワトソンに「行こう!」と行動を起こします。


↑ ワトソンが寝こけている姿が何ともユーモラスでキュートなんです。

ここから二人のフィールドワークが始まりますね。

(ここでのホームズはお馴染みの黒のコートにシルクハット、ステッキ、手袋。
やはりこの姿が一番カッコよく素敵です。
ジェレミー・ホームズは黒が似合います。 色気があり艶っぽい!)
このあと、ホームズとワトソンのシティ探索が始まります。

街に出た 2人はウィルソン氏の店に向かい ホームズは店員にストランド街への道を尋ねます。
その後物陰に隠れて店員の様子を覗う2人。



ワトソンが「何故ステッキで歩道を叩いたんだ?」と尋ねると、「私たちは敵地偵察中なんだ」と
答えその後シティー・アンド・サバーバン銀行へ向かいました。



色々街の状況を調べたホームズは「これは大規模な犯罪だ。 今日が土曜日なのが面倒だ」と言い
ながらも気晴らしにサラサーテの演奏会へ行こうとワトソンを誘うと、ワトソンも「食事もしよう」
と笑顔で云い合う2人のテンポの良さを感じさせられます。

そして、サラサーテの演奏会でのシーン。 珍しいホームズの姿! 見どころです。


サラサーテの演奏に心酔し、小刻みに顔を動かしたり、時に曲を口ずさむ表情。


(ワトソンが驚いたような表情でホームズを見つめるのも面白いシーンです)
自らもバイオリンを弾くホームズの 演奏を聴きながらのリラックスした満足気な様子は緊張感のある作品の
中でもメリハリのある良いシーンになっていて個人的にも好きなシーンです。





・・・・・to be continued です。


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★ 『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index



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所で、ブログを始めてから今日で丸2年経ちました。
ブログなど夢にも考えなかった者が手探り状態で始めたのですが、何度か止めようかと挫折する
事もあり、そんな時に先輩方のアドヴァイスやご指導を頂きつつボチボチ進めて参りました。
その間読者登録を頂いた方々は元より、連日想像もしていなかった大勢の方にお訪ね頂くように
なり驚きと共に、本当に感謝の気持ちばかりで過ごしております。
コメントを頂けると尚励みになり益々感謝の気持ちとと共にもう少し続けてみようかと思いつつ
3年目を迎える事が出来ました。

何時まで続けられるか分かりませんが、これからもご意見、ご感想、ご指摘頂ければ益々の励み
になると思いますので一言でもコメント頂ければ有難いと思います。
今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い致します。
再度、皆様にお礼申し上げます。 平伏