ネタバレあり
悲しいですね、古代、希有な図書館を持ち、学問が盛んだったアレクサンドリア。台頭してきたキリスト教徒にすべてを焼かれ、奪われ、そして主人公の女教師は「女のくせに学問を教えていた」という理由で殺されてしまうのですから。
宗教って、人が幸せになるためのものじゃないんですか?信じることにより、心の安穏を得られるものではないのですか?
イエス様は「従わないものは殺せ」などとおっしゃったのですか?そんな指導を?
そんなことはないはずです。「女はつき従うものであって、女の分際で学問を教えるようなことがあってはならない」と”聖書に書いてある”と偉い牧師様はおっしゃってましたが、そんなことが本当に?それって、解釈する人の問題じゃないの?
宗教どうしで「どちらの神様が正しい」とか「偉い」とか、そんなことで争うことが正しいと説いた人などいるの?
そういう争いは今でも起きていると思うけれど、とっても悲しい。幸せになるための信心が、人を殺す理由になりうるなんて。
いつの時代も宗教は組織力を求める。自分たちが大きく、強くなるために。まるで政党のよう。純粋に学問だけを求めても、弟子がたくさんになり、影響力が大きくなると排除される。
知識の結晶であった図書館を焼くなんて・・・。自分たちは進歩しなくていいのかな。「そんな間違った知識はなくとも、自分たちはやってゆける」と思っているのかな。そうかもね。
なんだか悲しくて虚しくて・・・人間って業の深い生き物なんですね。