田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

6才のボクが、大人になるまで。(Boyhood)

2014年12月01日 16時19分40秒 | 日記

6才のボクが、大人になるまで

「ビフォア・ミッドナイト」のリチャード・リンクレイター監督が、ひとりの少年の6歳から18歳までの成長と家族の軌跡を、12年かけて撮影したドラマ。主人公の少年メイソンを演じるエラー・コルトレーンを筆頭に、母親役のパトリシア・アークエット、父親役のイーサン・ホーク、姉役のローレライ・リンクレーターの4人の俳優が、12年間同じ役を演じ続けて完成された。米テキサス州に住む6歳の少年メイソンは、キャリアアップのために大学に入学した母に伴われてヒューストンに転居し、その地で多感な思春期を過ごす。アラスカから戻って来た父との再会や母の再婚、義父の暴力、初恋などを経験し、大人になっていくメイソンは、やがてアート写真家という将来の夢を見つけ、母親のもとを巣立つ。12年という歳月の中で、母は大学教員になり、ミュージシャンを目指していた父も就職し、再婚して新たな子が生まれるなど、家族にも変化が生まれていた。(映画.comより)

 

 

 少し前に観賞していた映画です。バタバタしていてアップするのが遅くなってしまいました。

さて、これは「画期的な試み」と言われているリンクレーター監督の新作。一人の少年(エラー・コルトレーン)の成長を本当にその俳優の成長とともに撮影してしまった、という「大人はわかってくれない」タイプの映画です(見てないけど)。

母親はパトリシア・アークエット、父親はイーサン・ホーク。姉は監督の実娘ローレライ。彼らも同時に年を取ってゆきます。

なんてことはない話です。ただ、平凡な家庭を延々と過激にならず、誠実に描いているだけ。言ってみればそれだけです。ですから、上映時間が長いこともあって(2時間45分)、好きになれない人はなれないと思います。実際、映画が終わって退場する時、私の後ろを歩いていた女性は「なに~?人の成長記を延々見せられただけ~?」と真剣にブーたれてました(笑)。

それに、同じ俳優を使っていても、少年はすごく変わってゆくのです。パトリシアやイーサンはさほどに変わらないから認識できるのですが、場面が変わったとき、何の説明もなく一気に少年が成長してたりすると、本当にわからないことがありました。状況をしばらく見て「あ~、あの少年か」とやっと認識するという具合です。

主役の少年は、とても中性的で草食系な感じがして、好感が持てました。逆に、そういうタイプの子でないと、途中で文句を言いだすのかもしれません。

冒頭、うまくいかずに別れてしまうパトリシアとイーサン。どうやら彼らは考えるより先にでき婚しちゃったみたいです。子供たちを連れて実家のそばに越すパトリシア。再び大学へと通い始めます。自分が若いと、親も若いからいいですね。まだまだお若いおばあちゃん。頼りになります。

そして、大学で優秀だった彼女はある知的な男性と知り合って再婚。先生かな?彼にも全く同年代の子供たちがいて、同居していると双子が二組いるみたいです。でも、いい子たちで、子供たち4人、とても仲良く育ちます。

しかし、知的ながらも人一倍こだわりが強い今度の夫は、少しでも子供が言うことを聞かない、物事が思うように進まない、などが重なってくると、イライラし始め、しまいには暴力をふるうようになってきます。そして、そんな自分が嫌いだとも言及します。

夫がエラーに割れものをぶつけたその日、友人とともにエラーとローレライをさらうようにして彼の元から逃げ出したパトリシア。「残った子供たちはどうなるの」とのローレライの意見にも、「親権がない以上、どうしようもないわ」と答えるしかないパトリシア。またまた3人での生活が始まります。

優秀だったパトリシアは、大学に教職を得て働き始め(このころはまた引越していたような記憶)、友人も多く、相変わらず勤勉です。

時々会うイーサンともうまくやりながら(このへん、まさに「ボクとオカン、ときどきオトン」の世界ですね)、しかし彼女は懲りずに恋愛します。そして生真面目ゆえか、いちいち結婚するようで、でもやっぱりうまくいかなかったりします。

この辺は同じ女としてなんだか滑稽でした(いい意味で)。あれだけ優秀な女性が、恋愛に懲りないんですね。「今度こそ、大丈夫」と、その都度思うのでしょうか。ちょっとうらやましいかも。

エラーが18歳になるころには、イーサンも再婚してbabyができてたりします。ずいぶんな年齢差。若くして子供を作ってある強み(?)ですね。

内気なエラーくんは、カメラに興味があり、才能もあるのか、何かに表彰されてたりもします。話は大学に入学した時点で終了しますが、彼は将来カメラマンになるのでしょうか。

息子の巣立ちで「私は、あとは死ぬだけなのね」などと湿っていたパトリシアの言葉が印象に残っています。

あ、あと余計なことですが、パトリシアとイーサンの年の取り方が不自然でした。最後、「絶対老けメイクしてるだろ!」って思いました。

よくできた映画でしたが、商業映画としてはどうかな、というのが正直なところです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする