観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

一年を振り返って

2015-03-01 15:48:41 | 15
3年 山本 楓

 3月になって、野生動物学研究室に入室してから一年になろうとしています。一年の活動を振り返ると、様々な体験ができて充実していました。
 一番印象に残ったのは、8月は矢野さん・宮岡さん・富永君と一緒に中村先輩のお手伝いでシカの行動調査をしたことです。金華山で山小屋生活をしながら、シカ個体追跡をしたり仁王崎に行ったりと、初めての体験をたくさんしました。オスジカの名前と顔を覚えるのが難しくて苦戦しましたが、シシミヌエやラヌなどよくいるメンバーは覚えられました。いつもは先輩や先生がたくさんいて緊張の連続でしたが、このときは同期の子がたくさんいたので、自然体で金華山を満喫できるました。
 ほかにも、たくさんの調査に行きました。配属が決まって初めての調査は多摩森林科学園でした。金華山しか行ってなかったので、ほかの調査地に行くのはとても新鮮でした。食痕やタヌキのため糞など、痕跡があってとても楽しかったです。この調査がきっかけで、調査のお手伝いも積極的に行こうと思いました。
 5月に行った神津牧場のシカの捕獲調査は、金華山のシカとは違う完全に野生な状態のシカなので、見てすごく感動しました。ライトセンサスでシカを探している時に、ライトで照らしたところにたくさんのシカの目が光っていて、予想以上にシカがいたことに驚きました。
 6月の乙女高原では、刈り取りを行いました。ボランティアの皆さんとサッカー、ワールドカップの日本戦をラジオで聞きながら作業をしたことが忘れられません。一緒に行った矢野さんと蝶を捕まえたり、高槻先生・南先生と丘を登ってシカの被害を見たりと濃い一日でした。
 7月・8月は連続で金華山の調査に行きました。7月は須藤先輩のお手伝いで、昆虫を捕まえたりしました。ピットフォールトラップで捕まえた虫をピンセットでつまんだとき、変な霧状のものを出していて不思議に思いました。いつも調査はシカがメインだったので、金華山の違った一面を見ることができたと思います。また、高槻先生とシカ山を歩かせていただいて、シカへの近付き方を教えてもらいとても勉強になりました。
 9月は京都大学で開かれた哺乳類学会に行きました。ポスター発表や口頭発表を聞き、すごく勉強になりました。自分も学会などで発表できるような研究がしたいと思いました。
 10月は10日間も金華山に滞在することができました。「角切り」というイベント前後のなわばりの様子や、なわばりオスのなわばり防衛の様子を観察することができました。交尾の瞬間も見ることができて、貴重な体験ができたと思います。また、季節ものの行動のデータを取ることの難しさを知りました。
 11月は、南先生と樋口さんと中村先輩とで金華山に行くことができました。今いるシカ個体の性格など、ずっと研究されているからこそ分かるお話まで聞けて、いつもよりじっくり見ることができました。グルーミングが必ず行われるタイミングも教わったので、4年生になったらデータを取るのに使おうと思います。
 11月の後半には初めて浅間山にも行きました。金華山のとげとはまた違うとげ植物があり、カモシカの糞塊を探すのも大変でした。でも、近くでカモシカを見ることができたのが印象に残っています。
 4年生になっても、自分の調査地以外にも足を運んで自然とたくさん触れ合いたいと思います。


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