観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

6年という月日が私にくれたもの

2013-03-13 08:21:09 | 12
修士2年 八木 愛


 大学・大学院生の6年間、一言では言い表せないほど多くのことがありました。楽しかったこと、辛かったこと、悔しかったこと、本当にさまざまなことがありました。そのため、いざ最後の「Observation」を書こうとしても、思いが溢れてしまって、何から書いたら良いのか、まったくまとまりません。それでもなんとかつきつめて言うとすれば、「とても充実した日々だった」ということと「とても良い人達に出逢うことができた」ということだと思います。
 高校生の頃はただなんとなく毎日を過ごして、友達とわいわいしているだけでも楽しいと感じる日々でした。その時はそれで十分でした。しかし、大学に入学し、野生動物学研究室で毎日を過ごすようになってから、明らかに以前とは違う楽しさを感じました。また、自分の興味のあることを追究するおもしろさにであいました。目標を決めて、それに向かって自分で努力することの大変さ、うまく形にできないもどかしさ、そしてそれができたときの達成感。こうしたことは高校生の頃には味わうことがなかった感覚でした。
 ただ「楽しい」だけでは充実した日々であるとは言えず、辛いこと、悔しいこと、多くの困難を乗り越えてこそ、充実していたと感じるのだと思います。
 私はこの6年間を振り返って「楽しかった日々」と「充実していた日々」が違うのだということに気づくことができました。「毎日が楽しいなんて毎日が楽しくないのと同じ」という言葉を聞いたことがありますが、この言葉の意味が今になってやっとわかったような気がします。そのことをこの研究室での生活は教えてくれました。
 そして研究室での生活は、私に素敵な出逢いもくれました。私という人物を、きちんと理解した上で、優しい言葉だけでなく、厳しいことも言ってくれる。今までにない出逢いでした。一緒に卒業する同期の3人、大津さん、嶋本さん、海老原君。私はこの仲間達と6年間を共にできたことをとてもありがたく思っています。この3人がいてくれたから、今の私がある、そう思うくらい多くの面でお世話になりました。本当にありがとうございました。

 私の大好きな歌手の言葉に、こんなものがあります。

「自分で選んだ夢を正解にするため、毎日“今日が人生最後の日”と想って、後悔のないよう突き進みたい」

 人生は長いと思っていましたが、近頃は生きているといつ何が起こるかわからない、限られた人生の中で、同じような1日は2度とないのだと考えを改めるようになりました。

 この6年間は私の人生に大きく影響しました。一生忘れることはないと思います。そのくらい多くのことを私は野生動物学研究室から学びました。これもすべて家族、友人、そしてこの野生動物学研究室の高槻先生と南先生、仲間たちの支えがあったからこそです。本当に、長い間お世話になりました。そして、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。この野生動物学研究室に入ることができて、とても幸せでした。
 長い長い学生生活も終わり、いよいよこれから社会に出ます。学生のときより辛いことや、大きな困難が立ちはだかることもあると思います。それでも私は、この言葉を胸に刻んで、毎日毎日をしっかり後悔のないように、精一杯頑張りたいと思います。


坂本さん(左)と。町田市図師の里山で。2010.5.16

最新の画像もっと見る

コメントを投稿