観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

我が家に猫がきた

2012-06-27 15:17:02 | 12.5

獣医学科6年 久保薗昌彦

 先月我が家に子猫が来た。前々から猫を飼いたいと思っていたがお金もかかるので飼わずに今まで来た。しかし獣医になるにあたって猫を飼ったことがないままでいいのかという不安があった。動物病院に来るのは病気やケガで困っているからに他ならないが、診察中に飼い主さんから問題行動やしつけのことなど、普段の生活に関する質問もされるだろう。そんな時犬や猫を飼ったことがなければ、的確な返答はできないと思う。
 そんなわけで子猫を家に迎えて一か月が過ぎたが、やっぱり飼って正解だったと思うことがある。まず我が家の猫のことと思うと、猫の疾患が頭に入りやすくなった。
また家で保定や聴診の練習ができるようになった。我が家の猫は少し気が強いので大きくなったら手が付けられなくなって獣医泣かせの猫になる可能性がある(母猫がそうだった)。だから今からしつけたいのだが猫にしつけができるのかも今勉強中だ。
一方、飼ってみてはじめて分かる悩みも出てきた。夜中などあまり鳴いてほしくないのだがなぜかニャーニャー鳴くときがある。実家で飼っている犬は、お腹が空いてないのに鳴くときは少しかまってあげると鳴きやむが、猫はそういうわけではないらしい。犬の感情はしっぽや目や耳を見るとだいたいわかるが、猫の感情はまだわからない。また、まだ子猫だからかもしれないが、1か月でトイレを3回失敗している。猫は猫砂があればそこにトイレをすると思っていたがそうでもないらしい。しかしこれらの悩みも飼い主さんの悩みに共感できるという意味ではいい経験かもしれない。
 だが、なんといっても飼って一番良かったと思うのは、もちろん可愛い猫に癒される時だ。
 猫を飼って改めて思ったこともある。先日ワクチンを打ってもらいに近くの動物病院に行ったときそこの獣医さんはワクチンを犬と同じように肩甲骨の間に打っていた。猫は犬と違いワクチンの接種によって肉芽腫ができる可能性があるので大腿部に打つのが最近のスタンダードである。獣医療も日々進歩している分獣医を続けていく限り毎日新しい知識を学び、正しく最善な治療を心掛けなければいけないと思った。




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