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日々のよしなしごとをそこはかとなく綴るブログ

二人は空気の底に

2009-02-03 | 美術鑑賞
上野の科学博物館で8日まで開催中の大阪万博展へ行ってきました。

自分が生まれる10年以上も前に、日本中が注目し、待ち望んだ(らしい)一大イベント。
愛知万博のぬるい熱気とは桁違いと思われる当時の熱狂ぶりを すこしでも感じることができれば、と。

公式ポスター。上が国内用、下が国外用。



昔のデザインってどうしてこうキュートなの!
下のは見えづらいですが、阿波踊りなどの写真のコラージュなのです。いかす。


いま、夢が現実になっているということを実感できる展示


謎の深海生物群。どこの文化祭だよ!と思いきや、太陽の塔の内部だそうで。



全体的に、手塚治虫のマンガに出てきそうな
アイデア、デザイン、センスの「未来」たちがいっぱいいました。
日本の一般家庭にはどう考えたっておさまりきらないサイズの全自動人間洗濯機(風呂)とか…

でも、手塚マンガと違うのは、そこに
科学技術の進歩と人類の幸福の大きさは比例する、と信じて疑わない空気があったこと。
一応、原子力爆弾による悲劇を表したタペストリーなどの展示もありましたが、それはごくごく一部で、
環境破壊とか、科学の発展による副作用的な産物については一切言及なし。
このころは全人類が最先端技術を追究し、自国の成果を自慢し合って、
最もいけいけどんどんなノリの時代だったのでしょうかね…ある意味、いい時代だった。

いま万博が盛り上がらないのは
こうして後先考えずに 破壊&成長を続けてきてしまった「10代の暴走」みたいな過去に対する
うしろめたさがあるからなんじゃないでしょうか。
これからの課題は、いかに現状を維持し、できればすこしでも回復するか。
世界の頭脳と技術は、ぜひともそのために使われなければならないですね。

そう考えると、クローン人間問題とかロボットに人権をとか
環境破壊の進んだ地球を人類が捨てる日とか
当時からそういうシチュエーションを想定して
いろいろなメッセージを発信していた手塚先生は、やっぱり神様?


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