江馬直の創作奮闘記

やっとこさ無職ではなくなった創作家、
江馬直の日常を綴るブログです。

「戦友」との再会。

2016-10-18 00:07:05 | 日記
ちょうど五年ぶりにある「同僚」と再会した。

私が「さよなら」も言わずに姿を消して以降、一度も音信を取らなかったが、風の便りでその消息だけは聞いていた。

私の一方的な見方にはなってしまうが、彼女――実はその「同僚」は女性である――は私にとって「戦友」にあたる。

「失脚」前の数年間、どれ程助けてもらったのか、もはや私には数えきれない。


就職した当初、私は彼女を苦手としていた。

彼女はあからさまなまでに男勝りな性格であったし、数ヵ月遅れて入社した、「院卒」の肩書きを有する私に対してかなり冷ややかな態度を取っていた(当時流行りの言葉に「高学歴廃棄物」なるものがあったが、数歳年長の「後輩」となった私は、彼女にとって明白なまでの「異物」であったのだろう)。

正直言って、最初の数ヶ月は彼女の顔を見るのも億劫であった。

仕事以外の会話はほぼ皆無で、デスクの位置が離れていることがせめてものことであった。


関係性が変化したのは、私が彼女に叱責されたことであった。

この件に関しては、間違いなく私が悪く、それをはっきりと指摘した彼女の態度は称賛に値するものであった。

これ以降、私は彼女を信頼するようになった。

己の至らぬ点を鋭く指摘してくれる同僚が得難いものだということは、いくら世事に疎かった当時の私であっても、強く痛感するところだったからである。


私の職場は典型的な「男社会」であった。

当時彼女は、そうした部分でかなりの苦慮をしていた(はずである)。

私が心がけることにしたのは、そうした彼女の苦衷に配慮を示すことであった。

別に大したことはしていないのだが、私の意図は彼女に正確に伝わったらしく、急速に良好な関係性を構築することとなった。


自分で言うのもどうかと思うが、私達は、「名コンビ」であった(私が「文系」、彼女が「理系」で仕事へのアプローチの仕方が異なったことも幸いしたと思う。少なくとも、互いの足を引っ張り合うようなことにはならなかったのである)。

長短補いあって、いくつかの「企画」を手掛けることが多くなった。

無論、それなりに意見の衝突はあったが、人間関係に罅が入るということにはならなかった(と思う)。

私はしばしば、信頼できる異性の友人に恵まれるのだが、彼女は間違いなくそのうちの一人となった。


五年前、私が「失脚」したことで、もっとも迷惑をかけることになってしまったのは、間違いなく彼女である。

後ろ暗いことなく「失脚」した私ではあったが、「失脚」したことで彼女を困惑させてしまったのには変わりはない。

それから丸五年である。

正直、顔を合わせるのは気が重かった。


……のだが、いざ再会してみると、あっという間に五年前の関係性に戻ってしまった。

思い出話にもそれなりに花が咲いた(ちなみに一番盛り上がったのが、共通の「知り合い」に対する罵詈雑言であった。少なくとも彼女と私には、この「知り合い」を罵る権利があるはずである。このネタは書けないなあ)。

何よりも互いにてきぱきと仕事を分担し(互いへの説明が最小限であったところが往年のコンビっぷりを如実に示していた)、つつがなく業務をし終えることになった。

空白期があったとは思えない一時であった。


帰宅に際し、互いに「お疲れさまでした」と言い合って別れた後、本当の意味で久々に快い疲労感に襲われた。

「復権」して一ヶ月弱、あるいはこの瞬間を味わいたくて、私は「復権」したのではないか、という錯覚にさえ囚われた。

今、この記事を書く手が鈍くなっているのだが、それでもたとえ直接は届かなくとも一言だけ。

「戦友」さん、今日は本当にありがとうございました。
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