江馬直の創作奮闘記

やっとこさ無職ではなくなった創作家、
江馬直の日常を綴るブログです。

「絶対戦国史より面白いって」と言い続けて幾星霜。

2017-04-04 23:59:06 | 日本中世史
『足利直義 下知、件のごとし』(亀田俊和著 ミネルヴァ書房(日本評伝選159)2016.10)、読了。


最近ベストセラーとなった『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(呉座勇一著 中公新書2401 2016.10)の余慶を被ったという訳ではないのだろうが、今空前の南北朝・室町史関連書籍刊行ラッシュが起こっている(以下、目を通したものだけ列記すると、

『南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から後南朝まで』(日本史史料研究会監修 呉座勇一編 洋泉社歴史新書061 2016.07)

『護良親王 武家よりも君の恨めしく渡らせ給ふ』(新井孝重著 ミネルヴァ書房(日本評伝選158)2016.09)

『足利義満と京都』(早島大祐著 吉川弘文館(人をあるく) 2016.11)

『楠木正成・正行』(生駒孝臣著 戎光祥出版(実像に迫る007)2017.02)

『大内義弘 天命を奉り暴乱を討つ』(平瀬直樹著 ミネルヴァ書房(日本評伝選168)2017.03)

『足利尊氏』(森茂暁著 角川選書 2017.03)


となる。数年前にも似たような現象があったと思うが、去年から今年にかけての動きはいささか尋常ではない。ちなみに、今月中には「実像に迫る」から護良親王の、来月には「日本評伝選」から足利義持の評伝が、それぞれ刊行される。まったくもって財布に優しくないなあ)。

本書は、その中でも一際光彩を放つ一書ではなかろうか。

佐藤進一氏(現在100歳!!)が激賞して以降、いささかオーバーインフレーション気味だったかもしれない直義の評価を相対化し、「こういう人物だったのかもしれないな」と思わせることに成功している(亀田氏は、直義を尊氏の謹直なる輔弼ではなく、強引なる牽引者と理解する。そして、冗談好きの理論家、愛人に恋歌を贈る風流人、母親べったりの甘えん坊といった、従来指摘されていなかった視座をも提供する。一昨年刊行された森茂暁氏の『足利直義 兄尊氏との対立と理想国家構想』で示された人物像とはかなり異なる。はてさてどちらが実像に近いかな?)。

亀田氏の前著『高師直 室町新秩序の創造者』(吉川弘文館(歴史文化ライブラリー406) 2015.08)及び『高一族と南北朝内乱 室町幕府草創の立役者』(戎光祥出版(中世武士選書32)2016.03)とセットで読むと、より味わい深いかもしれない。


……そろそろ、「大河」で『太平記』のリメイクとかやってもいいんじゃないかなあ。
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