diary of a maple

腰痛と共存するナースの記録

いまが・・・

2008-10-21 14:24:28 | Infection Control
インフルエンザの予防接種の時期がきましたね・・・

流行時期もその年によって異なるので
いまから11月中旬くらいに予防接種を受けるのがベストだと思います

抗体ができるまでに3~4週間はかかるので
寒い時期になってしまってからの接種では遅いためです

ヒトに病原性を有するインフルエンザウイルスは
ウイルス粒子内の核蛋白複合体の抗原性の違いから
A・B・Cの3型に分けられていますが
このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型です

どんなにA型・B型インフルエンザが流行したとしても
いままでに何度も流行を繰り返すことによって
多くの人が免疫を有することになるので
予防的にワクチン接種をしていれば
ある程度は予防でき、万一かかってしまったとしても
重症化せずにすむと思います

けれど
最近騒がれている『新型インフルエンザ』が発生した場合
かなりの大問題となることは間違いないと思います

A型インフルエンザウイルスは自らの子孫を残すため
わずかな抗原性を毎年のように変化させて
ヒトの免疫機構から逃れて流行し続けます(連続抗原変異というのですが)
このようなわずかな変化なら大問題にはならないのですが
A型インフルエンザウイルスはときに遺伝子配列が大きく変異して
全く新しい型になることもあり過去にはそれが大流行したこともあったそうです
(インフルエンザパンデミック)

そしていま世間で騒がれている
鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係とは
ヒトと獣の両方に感染するA型ウイルスが
感受性の高い渡り鳥に感染していろんな種類に変異したウイルスを媒介して
恐ろしい新型インフルエンザを作り出して
またヒトに感染しておこることなのです

ここ10年ほどの間に
世界中でA/H5N1という鳥インフルエンザがヒトにも流行し始めており
毒性が強いとのことで致死率が60~80%と非常に高く
今後、ヒトに感染しやすいタイプの型に変異されたときに
大流行するだろうと予測されていて恐れられているというわけです

私たち感染管理に携る医療者ができることは
抗インフルエンザ薬の備蓄とPPEの確保と正しい知識を身につけること
だと思います

そして一般の方々ができることは
流行時期になる前のインフルエンザワクチンの接種(可能な限り2回接種)と
外から帰ったときのうがいや手洗い(手指衛生を考慮した)と
流行時期には感受性の高い高齢者や年少者の外出を控えることと
感染の兆候があったときの速やかな受診くらいでしょうか

まさにいま
接種時期に突入していますから。。。

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