公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

「小さな」大事件

2015-12-16 21:25:14 | マスメディア
簿外債務が11月末で587億円ある割には、小さな記事しか目にしない不思議な、進行中の倒産事例がある。正確には法的整理ではない事業再生だが、私的整理の一種。再生側が決まっているのは幸運である。しかし金融機関が債権放棄しない場合は、大変多くの利用者に前納金が戻らないなどの事態になると脅しているかのように聞こえる。

こんな会社どうでもいいですが、メディアはNOVA の時の騒ぎとは対照的に寝静まり、泣く子を起こすなという姿勢である。NOVAの猿橋受刑者は破綻直前に社員積立金3億2000万円を流用した首途で、業務上横領容疑で平成20年6月に逮捕。実刑が確定し、収監された。NOVAの管財人は「平成16~18年、不必要だったのに、自宅で授業を受けるための機材を自らがオーナーのソフトウエア開発会社から総額21億3628万円で購入したりし、会社に損害を与えたとして」提訴した。

比較すると実にNOVAの28倍の簿外債務がある。NOVAの会員数は40万人だったが、こちらは210万人、5倍の規模の利害関係者数だ。この簿外債務の全てが理由のある債務で仕方なく合理的理由で簿外債務になっていたとは思えないでしょう。

思うのは勝手ですから言ってしまいますが、普通なら大きな事件です。心あるジャーナリストなら少しくらいは、経営者の身辺遊興を調べてみるでしょうね。再建スポンサーとしては事業継続しているので無用な風説は立てて欲しくないタイミングでしょうけれども、そんなこと忖度しているようではブン屋とは言えません。もうブン屋は日本にいないのかな。

このような私的整理の場合、極端に保守的に密室調査となり、当事者らとの救済取引により不正経理を隠されてしまう欠点があるのではないだろうか?などと思う評論家はさておき、実務的には巻き込まれないでよかったなあと思う。

さらに言えば役員会に臨席あるいは関係連座して簿外債務を知りうる立場にあった、銀行派遣役員、この合併予定の某地方銀行のメインバンクにも大きな責任があるでしょう。この無責任構図は拓銀事件を思い出す。二十年一昔のサイクルで金融機関は過去を忘れてしまうんだろう。


画像は投稿とは関係ありません。気象予報士の井田さんです。
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