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ラフレシソミト

絶対的な幸せ

2016-10-29 11:11:11 | 小説
 幸せというのは、ある苦しみが一瞬紛れて、消えたように見えた状態のことを言っているだけ。
絶対的な幸せなどというものはないよ。
 すこしまえに圧倒的に強い英雄が突然現れて私をいじめる奴を打ち負かした。
巨体のその男が私の前を通り過ぎた。
抱きしめたい気持ちで いっぱいだった
磯の腐乱した魚のような、また獣の血のような臭いがした。
きつい体臭に思わず息を止めた。
吐きそうになった。
君じゃなきゃダメなのに
臭いで好きか嫌いかが決まるってわかった。
くさいって言ったら本人きづつくよね。
わかってる。
でも思うのは勝手じゃん。
思うというより感じる。
苦しみを一瞬でも紛らわすためにいろんなことを試した。
お酒もギャンブルもそう。
そんなものに手を出さない?
偉いね。
それで仕事に打ち込んでるってわけ?
仕事できて幸せ?
ポジティブだね。
仕事していて幸せになってる?
追われてない?
本来は全部自分で決めていいんだよ。
やる量もやる時間も。
狩りたい獲物があったらそれにも縛られることはあるかもだけど。
その獲物は自分で決めていいんだよ。
刈りたい収穫物は自分と家族が食べる分だけでいいんだよ。
なのに誰かに決められたり、足枷をつけられたしてない?

自分の生命すら差し出してない?
ショーモナイ恋愛映画や、さらにショーモナイ買い物に付き合う必要もない。
幸せになるには考えすぎないことだよ。
わからいことややってもしょうがないことはほっとけばいいんだって。
誰かがやっちゃう?
ひとに迷惑がかかっちゃう?
だからって自分が犠牲になる必要なんてないって。
憲法に勤労の義務は書かれているけど、そのまえに基本的人権と生存権について書かれているしそっちのほうが大事だよ。
勤労の義務より基本的人権、生存権、奴隷的拘束苦役からの自由の方が生きていくうえで大切だから。
憲法に違反する苦役をしいる企業や上司はブラックだから。
憲法でさえ本音と建て前っていうわけ?
じゃ、終わってるじゃん。
たぶん、違うよ。

第11条(基本的人権の普遍性、永久不可侵性、固有性)
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、
侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。

第18条(奴隷的拘束、苦役からの自由)
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、
その意に反する苦役に服させられない。

第25条(国民の生存権、国の社会保障的義務)
1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
(2略)


──吉高浩司──


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