入笠牧場その日その時

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    ’17年「冬」 (21)

2017年12月22日 | 入笠牧場からの星空

          オリオン星雲 Photo by かんと氏(再録)
 
 われわれの太陽は誕生から46億年、寿命はあと同じくらい残っていると思っていた。ところが、もう10億年もすると、太陽はその終局に向かって外殻を吹き飛ばし、地球も太陽の発した高温プラズマに晒されて焼けただれてしまうという。当然、そこで人類の痕跡は跡形もなく消えてしまう。ところがわが「双子の探査機」ボイジャーはその時になっても、広大な宇宙のどこかを優雅に飛行しているかも知れないというのだ。
 人類が遥か遠い昔、銀河の片隅で存在したことを示す「唯一の証拠となるかもしれない」とあの人、フランク・ドレイクは言ってる。この人は、この宇宙の知的生命体の存在について、その可能性を探る上で一つの指標となる方程式を考えた科学者で、「ドレイクの方程式」としてカール・セイガンの「コスモス」に詳しく紹介されている。
 ボイジャーの機体には、黄金のディスクが積み込まれていて、それには、探査機がどこから来たのか、またそれを送り出した人類や地球についての様々な情報が入っている。「これは小さな、遠い世界からの贈り物です。我々の音、科学、画像、音楽、思想や感情の証です。我々の過ごした時を、あなたがたに残すことができればと思っています」。元アメリカ大統領ジミー・カーターが、受け取り人不明の宛先に発した印象的なメッセージである。
 それにしても、万年ではない。うん十億年先の話である。科学が予見する壮絶な太陽系の未来もだが、認識の限界をはるかに超えてしまうような時間の先に、このディスクを解読するかも知れない知性を、ドレイクのような人たちは空想できるのだ。凄い、そして呆れる。
 ついでに気になることだが、われわれ人類の様々なことは、悪行・不名誉なことも含め、すでに電波によって遥かな宇宙に発信し続けられている。あれもわれわれの存在を明かす証拠であり、すでに傍受されているか、あるいはいつか誰かに傍受されるのではないのか。
夕暮れが来る。他にも疑問は尽きないが、妄想を終えるときが来た。今夜も寒天に眉月が美しいだろう。

 1年ぶりに年末年始の営業をすることにしました。予約をお願いします。また冬季の営業については以下をクリックしてください。
「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。少人数の場合は一応ご相談ください。また他の団体と計画が合えば、少人数でも管理棟の予備の部屋10畳ふた間を利用することができます。
  
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