プロダクション・マネージャーになるには、の続編です。
前回、「私の場合、日本で舞台監督の仕事を10年ほどやった後に、米国の大学院の芸術経営(アーツ・アドミニストレーション)プログラムに入学し、卒業後、劇場関連の雇用主をスポンサーとして就労ビザを取りました。(続く・・・)」と書きましたが、当初、プロダクション・マネージャーという職種が存在しているとは知りませんでした。ただ就職した団体は基本的には招聘事業が中心の団体だったのと、僕自身のキャリアが劇場技術が中心でしたので、その知識や経験を生かして、招聘事業を円滑に行うためのコーディネーター的な役割が求められました。
恐らく日本の演劇界にはプロダクション・コーディネーター、あるいはプロダクション・マネージャーと呼ばれる役職は存在しないのではないでしょうか?しかしながら、プロダクション・マネージャーが担当している仕事は日本の劇場や劇団の公演でも存在しています。ですから、日本ではその役割は制作と舞台監督とに振り分けられているのでしょう。
役職タイトルがない、ということはそういうポジションが存在しない、ということですから、日本でプロダクション・マネージャー職に就職する、というのは難しいですよね。ただ、日本の劇場現場を見ていて、プロダクション・マネージャーがいればもっと現場と制作がスムーズに進行するんじゃないかな?と思う場面は多いですから、今後、そういったポジションを名乗る人もでてくるでしょう。実際、制作という括りの中で、でもやっていることはプロダクション・マネージャーそのものという人もいるかもしれません。また今後、劇場主催の事業が増えるでしょうから、劇場側からそういったポジションの人が生まれる可能性はあります。希望的観測もありますが、今後劇場はソフト面を制作できる能力が求められるようになるでしょうから、であれば現場とプロデューサーを結ぶポジションとして活躍の場ができてくるんじゃないでしょうか。
個人的な見解ですが、日本の劇場の現場は、現場である技術スタッフと、制作スタッフのバランスが悪いことが多いように思えます。技術的な問題となると制作はついつい受身になる傾向がある気がします。どんな現場にも物理的な制限、例えば時間や予算、劇場の機能や広さなどがあります。プロダクション・マネージャーの仕事とは、そういった物理的な制限のなかで、なにを優先し、どこを制限し、演出・現場サイドと制作サイドの求める要求を経済的な制限も含めてどう調整し、どう円滑に作業を進めるかだと思っています。
日本の舞台監督は大道具の棟梁的部分が多い人もいれば、現場スタッフの代表だったり、現場の進行や段取りを仕切る人だったり、演出部の一員だったりしますが、制作の一員であることはあまりないですよね。プロダクション・マネージャーは現場の統括であり、同時に制作スタッフの一員でもあります。そういうポジションの需要は今後、増えてくるのではないでしょうか。
常々思っているのですが、劇場の仕事も、銀行の仕事も、商社もデパートも自動車メーカーも、職場という意味では同じです。それぞれに求められる専門知識が違うだけです。劇場や劇団で働くということは、全く特殊なことではありません。と同時に銀行で働くという特殊性は、同じく劇場や劇団でも存在するということです。劇場や劇団の運営も1つの職場であり、ビジネスですから、ある程度システマチックにんるべきです。プロダクション・マネージャーというのは、そのシステムに必要な機能ではないかなと思います。
前回、「私の場合、日本で舞台監督の仕事を10年ほどやった後に、米国の大学院の芸術経営(アーツ・アドミニストレーション)プログラムに入学し、卒業後、劇場関連の雇用主をスポンサーとして就労ビザを取りました。(続く・・・)」と書きましたが、当初、プロダクション・マネージャーという職種が存在しているとは知りませんでした。ただ就職した団体は基本的には招聘事業が中心の団体だったのと、僕自身のキャリアが劇場技術が中心でしたので、その知識や経験を生かして、招聘事業を円滑に行うためのコーディネーター的な役割が求められました。
恐らく日本の演劇界にはプロダクション・コーディネーター、あるいはプロダクション・マネージャーと呼ばれる役職は存在しないのではないでしょうか?しかしながら、プロダクション・マネージャーが担当している仕事は日本の劇場や劇団の公演でも存在しています。ですから、日本ではその役割は制作と舞台監督とに振り分けられているのでしょう。
役職タイトルがない、ということはそういうポジションが存在しない、ということですから、日本でプロダクション・マネージャー職に就職する、というのは難しいですよね。ただ、日本の劇場現場を見ていて、プロダクション・マネージャーがいればもっと現場と制作がスムーズに進行するんじゃないかな?と思う場面は多いですから、今後、そういったポジションを名乗る人もでてくるでしょう。実際、制作という括りの中で、でもやっていることはプロダクション・マネージャーそのものという人もいるかもしれません。また今後、劇場主催の事業が増えるでしょうから、劇場側からそういったポジションの人が生まれる可能性はあります。希望的観測もありますが、今後劇場はソフト面を制作できる能力が求められるようになるでしょうから、であれば現場とプロデューサーを結ぶポジションとして活躍の場ができてくるんじゃないでしょうか。
個人的な見解ですが、日本の劇場の現場は、現場である技術スタッフと、制作スタッフのバランスが悪いことが多いように思えます。技術的な問題となると制作はついつい受身になる傾向がある気がします。どんな現場にも物理的な制限、例えば時間や予算、劇場の機能や広さなどがあります。プロダクション・マネージャーの仕事とは、そういった物理的な制限のなかで、なにを優先し、どこを制限し、演出・現場サイドと制作サイドの求める要求を経済的な制限も含めてどう調整し、どう円滑に作業を進めるかだと思っています。
日本の舞台監督は大道具の棟梁的部分が多い人もいれば、現場スタッフの代表だったり、現場の進行や段取りを仕切る人だったり、演出部の一員だったりしますが、制作の一員であることはあまりないですよね。プロダクション・マネージャーは現場の統括であり、同時に制作スタッフの一員でもあります。そういうポジションの需要は今後、増えてくるのではないでしょうか。
常々思っているのですが、劇場の仕事も、銀行の仕事も、商社もデパートも自動車メーカーも、職場という意味では同じです。それぞれに求められる専門知識が違うだけです。劇場や劇団で働くということは、全く特殊なことではありません。と同時に銀行で働くという特殊性は、同じく劇場や劇団でも存在するということです。劇場や劇団の運営も1つの職場であり、ビジネスですから、ある程度システマチックにんるべきです。プロダクション・マネージャーというのは、そのシステムに必要な機能ではないかなと思います。
いきなりのコメントで失礼いたします。
私は日本の劇場で働いているものです。
プロダクションマネージャーの存在は知っていましたし、何となくわかっているつもりでしたが、
本当の意味がわからず、インターネットで調べていたら、こちらにたどりついた次第です。
もしよろしければ、どの様な仕事なのか
具体的に教えていただけると助かります。
お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。
追伸
ブログを読ませていただいたのですが、
私が以前NYのジャパンソサエティーに2度ほどお邪魔した時…
大変お世話になった方によく似ている気がして…
人違いでしたら、すみません。。。
プロダクションマネージャーのお仕事の前に、舞台監督の役割が、日米でかなり違います。
米国の舞台監督は、リハーサルには基本的に全部ついて、演出助手的な仕事もしますし、本番は照明・音響・舞台のキューも出します。ですから、リハーサルに来る役者やダンサーのスケジュールも管理しますし、演出家の「今日○○は何時にくるのか?」といった質問にも答えます。そして当然、音響や照明のキューも全部把握しています。
あと、テクニカルディレクター(TD)というポジションの人もいます。最近は日本の劇場でもこの役職を名乗る人が登場していますが、このTDが仕込みの技術的な部分を仕切ります。なので、舞台監督は仕込みには来ないのが普通です。
というような前提が米国にはあるので、プロダクション・マネージャーの仕事も日米で違ってくるでしょうし、劇団に着くプロダクション・マネージャーか、劇場に着くPMかで、役割も違ってきます。特に私は主催事業のみの劇場に着くPMなので、仕事内容は以下のようなものです。
1、予算の作成
2、契約書の作成
3、仕込みからばらしまでのスケジュールの作成
4、技術管理、増員の手配
5、劇団と仕込み内容や使用機材の調整
6、航空券、ホテル、送迎などの路地スティックの手配
7、必要機材のレンタルや購入の手配
8、会計と支払の管理
これにツアー・プロダクションの場合は、
9、ツアー先の劇場と劇団とスケジュールや仕込み、機材等のコーディネート
10、ツアーのための荷物輸送、ホテル、航空券、送迎などの手配
などが加わります。
いかがでしょうか。
追伸
ジャパン・ソサエティにおいでになられたことがあるのでしたら、そのときにお会いしているはずですねー。
10、支払管理
質問した、おすぎです。
ご返答ありがとうございました。
最近、あまり更新されていないようでしたので、半ばあきらめかけていましたが、
ご返答いただけて、大変うれしかったです。
ありがとうございます。
確かに、「舞台監督」の役割が大きく違いますねー。
お答えを読んだ限りで、ざっくり言うと
テクニカルチームの統括として
ソフト面は舞台監督が
ハード面はテクニカルディレクターが
それぞれ行っている。
という風に受け取って良かったでしょうか?
確かに最近、TDの表記をチラシで見かけます。
それ以上に、PMの表記が増えており、
私達の劇場でも自主制作事業の際にはPMを置いたりしています。
しかし、PMの仕事をきちんと理解しないで、
この肩書をつけてるんじゃないか?
と感じたので、質問させていただいた次第です。
お答えを読ませていただきましたが
本当に日本で言うところの「制作」の仕事多いんなんだなという風に感じました。
これが劇場につくPMの仕事とありましたが、
以上のような仕事を行った上で、別に日本で言うところの「制作」の方も就くのでしょうか?
その際には「制作」の方はどの様な仕事になるのでしょうか?
劇場につくPMの仕事を見ていると
制作さんは仕事がないんじゃないか?と思ったもので…
以前、質問をさせていただいてから、自力でPMについていろいろ調べたのですが、明確に書かれいているものを見つけられませんでした。
ですが
調べていくうちに、
日本で言われているPMとは
・テクニカルに関わる予算を全部預かっており、管理している。
・制作・舞台監督とは違う仕事である。
・製作と現場の間を取り持つポジションである。
・作品製作に関するスケジュールを組む。
・米国のTDの仕事も兼務している場合がある。
というように感じました。あくまでも私見です。これらはきっと劇団につくPMの役割なのかなと感じました。
お答えをいただいて、
「プロダクションマネジャーって」
を読み返したら、前よりもわかったつもりになれました。
もしよろしかったら、劇団につくPMの役割も具体的にどんなものなのか、
教えていただけると幸いです。
質問ばかりして申し訳ありません。
PMも海外からきた言葉なので
海外での本当の意味を知りたいと思っております。
お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。
追伸
写真を拝見して、
以前より随分やせられていたので、
ひょっとして…
と思っておりましが、やはりそうでしたか。
その時は
私は音響でお世話になった者です。