写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

銀座のママ本

2014年04月10日 | 生活・ニュース

 日経新聞を読んでいると書籍の広告欄に、おもしろいキャッチコピーが書いてあるのが目にとまった。「すいすい出世する人、デキるのに不遇な人」という本である。東京の銀座にある「クラブ由美」のオーナーママ・伊藤由美さんが出版した本である。

 「銀座のママが教える『リーダーになる人』28人の共通点」という副題が添えてある。さらにもう一つ「偉くなる人は風邪をひかない?」とも書いてある。31年間、銀座でオーナーママを続けてきたからこそ見える「出世する人」と「不遇な人」の決定的な違いを書いたもののようである。

 私はサラリーマンを卒業して早10年以上が経ったが、新聞の片隅にこんな活字を見つけると今もって興味を持って読んでしまう。現役時代の退社時の電車で「夕刊フジ」を読んでいたころの性癖が健在であることの証かもしれない。

 「偉くなる人は風邪をひかない?」とは、一般に言われている「バカは風邪をひかない」ということわざとは相反することを言っているように聞こえる。では「バカは風邪をひかない」とは、一体どんなことを言おうとしているのか。「馬鹿は、自分が風邪をひいたことにすら気付かないほど、鈍感だ」、「馬鹿は冬にひいた風邪を、夏になってやっと気がつくから」などと勝手に解釈されている。

 偉くなる人に、それほどバカだという人は少ないに違いない。毎日が多忙で過剰なストレスがかかった時、ビタミンCやカルシウムを大量消費をし、免疫力の低下により風邪をひくだろう。一方、ポーっとして何も考えない、悩まないような楽天家は、風邪にかかりにくい。従って、偉くて忙しくしている人でも、楽天家であれば風邪などひかないということになる。

 ことわざでいう「バカ」とは、物に頓着しない楽天家のことで、一見すると「バカ」のように見えるが、ストレスを感じにくいポジティブな人のことをいっているのではなかろうか。ところでこの私、ここ30年以上、風邪で寝込んだ覚えがない。かといって、悩むこともあるしそれほど楽天家だとも思えない。であれば正真正銘の「バカ」ということになるが、これについては誰かを真似て「不服申し立て」なんぞをしたくなる。さて、銀座のママは「偉くなる人が風邪をひかない理由」を何と説いているのだろうか。