☆・。.・☆写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 愛犬のハートリーと共に瀬戸内の岩国から…… 茅野 友

早春賦

2017年02月08日 | 季節・自然・植物

 この季節、散歩をしているときに、つい口ずさむ「早春賦」(そうしゅんふ)という唱歌がある。吉丸一昌が作詞、中田章が作曲し、1913年(大正2年)に発表されたもので、「日本の歌百選」に選ばれている。

  春は名のみの風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど 
  時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず
 
 この歌は題名も歌詞も古文調で難しい。「早春賦」の「賦」は「詩や歌」や「感じたことをありのままによむ詩の叙述法」の意味がある。すなわち、「早春の感じたことをよんだ歌」ということになる。長野県の安曇野あたりの早春の情景をうたった歌とされている。

 最近仕入れたそんな知識を携えて夕方の散歩に出かけた。立春も過ぎると日足もずいぶんと伸びてきて、5時といってもまだ十分に明るい。山沿いのいつものコースをデジカメを片手に、早春を見つけながら歩いてみた。

 家を出て5分くらいの所にある古い家の庭に大きな蝋梅の木があり、枝は道にはみ出している。つい先日、蝋梅に関してネットで知識を得ている。丁寧に花を観察してみると普通の素心蝋梅であった。先に進んでいくと小さな庭の隅に早くも黄色い水仙数十株が満開であった。

 さらに進むと、畑の向こうの大きな木に濃いピンクの花がこぼれんばかりに咲いている。桃の花だろうか。この時期にこんなに咲き誇っているのか。中学校の裏を通って、細い道に入ったところで、再び蝋梅の花に出会った。先ほどのものと少し様子が違う。下向きの花をのぞき込んでみると、中心に紫褐色の輪斑が入っている。これが初めて見る満月蝋梅であった。

 先日我が家の庭に植えたばかりの同種の幼木に、こんなにきれいな花が咲いてくれるだろうかと思いながら写真を撮って帰った。立春が過ぎたばかりで「春は名のみ」と歌っていたが、名のみだけでなく、春は着実にやってきている。谷の鶯が鳴き始める日は遠くない。 

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2 コメント

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美しい梅です (崎山言世)
2017-02-08 22:04:43
美しい梅です。早春賦の歌詞の三番の最後は「梅は余所げの つれなしや。」という歌詞も存在するのです。なお「田中章」ではなくて「中田章」です。吉丸一昌先生と夢幻問答をしている崎山言世でした。
崎山言世さん (ロードスター)
2017-02-09 08:58:19
ご指摘ありがとうございました。
毎年早春にはつい口ずさみたくなるいい歌です。我が家の周りにも春がジワリ訪れています。

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