写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

梅雨の晴れ間は(日記)

2016年06月27日 | 生活・ニュース

 雷付きの大雨が降った後の日曜日、朝から久しぶりのいい天気である。朝食を済ませた後、ウッドデッキに出て両手を高く上げて大きく背伸びをしたとき、置いてあるプラスティック製の白いデッキテーブルセットに目が行った。

 10年も前に買ったと記憶しているが、長い間、紫外線や風雨にさらされたからであろう、埃もついて汚れているばかりか色もあせて見苦しい状態となっている。これではいけない、何とかしなければ。納戸から缶に入ったペンキを持ち出し、大きめの刷毛で丸いテーブルと4脚の椅子にせっせと塗っていった。1時間足らずで、作業は終わった。

 やや離れて薄眼で眺めると、あたかも新品のようにきれいに見える。今まで長い間放っておいたことが申し訳なく思えるほどであった。この勢いを駆って、玄関アプローチに置いてあるアルミ製のテーブルセットにも塗装をすると、玄関周りが急に明るくなってきた。

 何ごとも、長い時間をかけて徐々に変化したものは、大きく変化しているにもかかわらず、そのことに気がつきにくい。屋外に置いたテーブルセットだけではなく、人間の変容もまたしかりだが、こればっかりは単にペンキを塗れば解決するわけでもなく、いかんともしがたい。

 きれいに再生できたウッドデッキのテーブルセットを見た奥さんが「テーブルセットがきれいになったので、ウッドデッキの汚さが目立つようになったわね」と、暗にデッキの塗装を催促するような言い方をする。そういえば、毎年5月の連休にやっていた塗装を、ここ2年間、さぼっていることに気がついた。

 ウサギ小屋のような小さな家1軒といえども、長年住んでいると日常色々と維持管理する仕事は多い。「毎日、暇を持て余しています」とばかり言ってはおれない。「おとうさ~ん、エアコンの掃除と庭の草刈りはお願いしますよ」、新聞を読んでいると、早速次の仕事を命じられた。夏の到来を前に、あ~忙しくなってきたぞ。