写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

や・ゆ・よ党

2017年10月23日 | 生活・ニュース

 いろいろと話題の多かった衆院選は、安倍政権の続投を掲げた自民党が勝利し、国会を安定的に運営できる絶対安定多数の261議席を超えて終わった。即席の新興政党も、「排除の論理」とか「踏み絵」などと揶揄された党首の心無い言動で大きく風向きが変わった。その結果、「大山鳴動して鼠一匹」の有り様で、口数が多いだけで説明の中身は乏しく、言葉遣いだけが丁寧な安倍一強政権がこれからも与党として継続されることになった。

 一方の各野党、早くも選挙戦後の再々編がささやかれているが、積極的に支持したくはないが、とってかわる政党がないということで、消極的に自民党を支持するという構図は決して望ましい姿ではない。将来自民党に代わることのできる野党の構築に是非努力してほしい。

 今、このブログを書きながら、「与党」「野党」という文字に興味を持って調べてみた。ご存知の通り「与党」とは、行政を担当する政党のことで、「行政府に与(くみ)する政党」であることに由来する。では「与する」とは何か。もとは 「與」という字で、この漢字を解字すると、2人が両手でいっしょに物を持ちあげている様子だという。意味は「力を合わせる」ということで、そこから「同意して仲間になる。味方すること」で「 ○○さんに与するものではない」などと使う。

 一方の「野党」とは、「政府から離れた在野の政党」に由来し、行政を担当していない政党である。英語では野党のことを「 opposition party」(反対党)というが、何にでも反対するからだろうか。

 ところが最近日本では、与党、野党に加えて「ゆ党」という新しい呼び方をする政党が出てきたという。「ゆ」が五十音で「や(野)」と「よ(与)」の間にあるところから、野党として対立するわけでもなく与党と連立を組むほどでもない、中途半端な政策方針を掲げる政党を揶揄したものである。基本理念がしっかりしていれば、何でも「反対党」の野党ではなく、是々非々で「ゆ党」であるもまたよかろうと思うがどうだろう。 

 今回の衆院選挙の結果はひと言でいえば、いろいろ問題が噴出している安倍一強政権の継続を承認したことになる。国でも会社でも小さな組織でも、一強独裁的な組織は、過去必ず破滅・破綻をきたしてきた。安倍首相は3選をめざし長期の政権維持を目指しているようであるが、「山高きが故に尊からず」と同じく「政権も長きが故に尊からず」。要は中身である。心新たに政権運営を期待している。