皆さんは「恋の山手線」という歌をご存知でしょうか。山手線の各駅の名前(ただし西日暮里、新大久保、浜松は入っていない)が盛り込まれた恋の歌です。これです。
まあ、この動画で映っているのはアイドルマスターのりっちゃんですし、歌っているのもモダンチョキチョキズなのですが、原曲は今から数十年前に小林旭が歌ったものです。
歌詞的にはちょっと無理やりな部分もあるけど、それがまた可笑しみを誘う珍曲ですね。歌詞はこちらです。
上野オフィスのかわいい娘
声は鶯 谷わたり
日暮里笑ったあのえくぼ
田端ないなア好きだなア
駒込したことア ぬきにして
グッと巣鴨がイカすなあ
始め大塚びっくりに
デートさそいに池袋
ところが男が目白押し
そこを何とか連れ出して
高田馬場で酔ったとき
胸の新宿うちあけた
あぁ ああ恋の山手線
代々木泣くのはおよしなさい
原宿ならば食べなさい
渋谷顔などいやですわ
顔は恵比寿にかぎります
目黒のさしみか天ぷらで
あたし五反田いただくわ
きょうはあなたの月給日
まず大崎は買いものよ
どの品川がいいかしら
田町が宙に浮くようね
無理な新橋かけないわ
うんと有楽町だいな
あぁ ああ恋の山手線
素ッ東京なことばかり
何だ神田のむだづかい
ボクはいささか秋葉原
御徒な恋だといわれても
山手花咲く日も近い
青くホームに灯がゆれる
あぁ ああ恋の山手線
歌詞のきちんとした言葉遣いよりも、とにかく駅の名前を当てはめることを優先した部分が多々あるので、意味不明の内容になっている部分もありますね。ヴィットゲンシュタイン先生だったらきっと激怒するんじゃないかな。
実は今回、この歌詞を翻訳しようと思ってあれこれ調べたのですが、なんとこの歌にも元ネタがあるらしいことが分かりました。それは落語家・4代目柳亭痴楽の落語です。
上野を後に池袋、走る電車は内回り、私は近頃外回り、
彼女は奇麗なうぐいす芸者(鶯谷)、にっぽり(日暮里)笑ったあのえくぼ、
田畑(田端)を売っても命懸け、思うはあの娘(コ)の事ばかり。
我が胸の内、こまごめ(駒込)と、愛のすがも(巣鴨)へ伝えたい。
おおつか(大塚)なビックリ、度胸を定め、彼女に会いに行けぶくろ(池袋)、
行けば男がめじろ(目白)押し。
そんな女は駄目だよと、たかたの婆(高田馬場)や新大久保のおじさん達の意見でも、
しんじゅく(新宿)聞いてはいられません。
夜よぎ(代々木)なったら家を出て、腹じゅく(原宿)減ったと、渋や(渋谷)顔。
彼女に会えればエビス(恵比寿)顔。
親父が生きてて目黒い内(目黒)は私もいくらか豪胆だ(五反田)、
おお先(大崎)真っ暗恋の鳥。
彼女に贈るプレゼント、どんなしながわ(品川)良いのやら、
魂ちぃも(田町)宙に踊るよな、色よい返事をはま待つちょう(浜松町)、
そんな事ばかりが心ばし(新橋)で、誰に悩みを言うらくちょう(有楽町)、
思った私が素っ頓狂(東京)。
何だかんだ(神田)の行き違い、彼女はとうに飽きはばら(秋葉原)、
ホントにおかち(御徒町)な事ばかり。
やまて(山手線)は消えゆく恋でした。
柳亭痴楽「痴楽綴方狂室」 より
…こうやって比較して見ると、落語の方はバッドエンドなのに対して、歌謡曲の方はハッピーエンドを期待させるストーリーになっているのが面白いですね。
ともあれ、この「恋の山手線」という歌は、この落語の内容も踏まえないと解読は難しいですね。以下、やってみます。
上のオフィスのかわいい娘
声は鶯 谷わたり
にっこり笑ったあのえくぼ
たまらないなア好きだなア
こまごましたことア ぬきにして
グッと素顔がイカすなあ
始めおっかなびっくりに
デートさそいに行け袋
ところが男が目白押し
そこを何とか連れ出して
高田のバーで酔ったとき
胸の心情(真実?)うちあけた
あぁ ああ恋の山手線
くよくよ泣くのはおよしなさい
腹ぺこならば食べなさい
渋い顔などいやですわ
顔は恵比寿にかぎります
目黒のさしみか天ぷらで
あたし豪胆に(ご飯を?)いただくわ
きょうはあなたの月給日
まずお先は買いものよ
どの品がいいかしら
魂ちぃ(気持ち?)が宙に浮くようね
無理な心配かけないわ
うんと遊楽ちょうだいな
あぁ ああ恋の山手線
素ッ頓狂なことばかり
何だかんだのむだづかい
ボクはいささか飽きはばら
おかしな恋だといわれても
やがて花咲く日も近い
青くホームに灯がゆれる
あぁ ああ恋の山手線
と、まあ、翻訳してもいまいちよく分からない歌詞ではありますな。ラブストーリーには違いないと思うのですが。もしもこの翻訳の「定説」などがあったら知りたいものです。
■『文藝yaminave』全体の目次はこちらからどうぞ。
まあ、この動画で映っているのはアイドルマスターのりっちゃんですし、歌っているのもモダンチョキチョキズなのですが、原曲は今から数十年前に小林旭が歌ったものです。
歌詞的にはちょっと無理やりな部分もあるけど、それがまた可笑しみを誘う珍曲ですね。歌詞はこちらです。
上野オフィスのかわいい娘
声は鶯 谷わたり
日暮里笑ったあのえくぼ
田端ないなア好きだなア
駒込したことア ぬきにして
グッと巣鴨がイカすなあ
始め大塚びっくりに
デートさそいに池袋
ところが男が目白押し
そこを何とか連れ出して
高田馬場で酔ったとき
胸の新宿うちあけた
あぁ ああ恋の山手線
代々木泣くのはおよしなさい
原宿ならば食べなさい
渋谷顔などいやですわ
顔は恵比寿にかぎります
目黒のさしみか天ぷらで
あたし五反田いただくわ
きょうはあなたの月給日
まず大崎は買いものよ
どの品川がいいかしら
田町が宙に浮くようね
無理な新橋かけないわ
うんと有楽町だいな
あぁ ああ恋の山手線
素ッ東京なことばかり
何だ神田のむだづかい
ボクはいささか秋葉原
御徒な恋だといわれても
山手花咲く日も近い
青くホームに灯がゆれる
あぁ ああ恋の山手線
歌詞のきちんとした言葉遣いよりも、とにかく駅の名前を当てはめることを優先した部分が多々あるので、意味不明の内容になっている部分もありますね。ヴィットゲンシュタイン先生だったらきっと激怒するんじゃないかな。
実は今回、この歌詞を翻訳しようと思ってあれこれ調べたのですが、なんとこの歌にも元ネタがあるらしいことが分かりました。それは落語家・4代目柳亭痴楽の落語です。
上野を後に池袋、走る電車は内回り、私は近頃外回り、
彼女は奇麗なうぐいす芸者(鶯谷)、にっぽり(日暮里)笑ったあのえくぼ、
田畑(田端)を売っても命懸け、思うはあの娘(コ)の事ばかり。
我が胸の内、こまごめ(駒込)と、愛のすがも(巣鴨)へ伝えたい。
おおつか(大塚)なビックリ、度胸を定め、彼女に会いに行けぶくろ(池袋)、
行けば男がめじろ(目白)押し。
そんな女は駄目だよと、たかたの婆(高田馬場)や新大久保のおじさん達の意見でも、
しんじゅく(新宿)聞いてはいられません。
夜よぎ(代々木)なったら家を出て、腹じゅく(原宿)減ったと、渋や(渋谷)顔。
彼女に会えればエビス(恵比寿)顔。
親父が生きてて目黒い内(目黒)は私もいくらか豪胆だ(五反田)、
おお先(大崎)真っ暗恋の鳥。
彼女に贈るプレゼント、どんなしながわ(品川)良いのやら、
魂ちぃも(田町)宙に踊るよな、色よい返事をはま待つちょう(浜松町)、
そんな事ばかりが心ばし(新橋)で、誰に悩みを言うらくちょう(有楽町)、
思った私が素っ頓狂(東京)。
何だかんだ(神田)の行き違い、彼女はとうに飽きはばら(秋葉原)、
ホントにおかち(御徒町)な事ばかり。
やまて(山手線)は消えゆく恋でした。
柳亭痴楽「痴楽綴方狂室」 より
…こうやって比較して見ると、落語の方はバッドエンドなのに対して、歌謡曲の方はハッピーエンドを期待させるストーリーになっているのが面白いですね。
ともあれ、この「恋の山手線」という歌は、この落語の内容も踏まえないと解読は難しいですね。以下、やってみます。
上のオフィスのかわいい娘
声は鶯 谷わたり
にっこり笑ったあのえくぼ
たまらないなア好きだなア
こまごましたことア ぬきにして
グッと素顔がイカすなあ
始めおっかなびっくりに
デートさそいに行け袋
ところが男が目白押し
そこを何とか連れ出して
高田のバーで酔ったとき
胸の心情(真実?)うちあけた
あぁ ああ恋の山手線
くよくよ泣くのはおよしなさい
腹ぺこならば食べなさい
渋い顔などいやですわ
顔は恵比寿にかぎります
目黒のさしみか天ぷらで
あたし豪胆に(ご飯を?)いただくわ
きょうはあなたの月給日
まずお先は買いものよ
どの品がいいかしら
魂ちぃ(気持ち?)が宙に浮くようね
無理な心配かけないわ
うんと遊楽ちょうだいな
あぁ ああ恋の山手線
素ッ頓狂なことばかり
何だかんだのむだづかい
ボクはいささか飽きはばら
おかしな恋だといわれても
やがて花咲く日も近い
青くホームに灯がゆれる
あぁ ああ恋の山手線
と、まあ、翻訳してもいまいちよく分からない歌詞ではありますな。ラブストーリーには違いないと思うのですが。もしもこの翻訳の「定説」などがあったら知りたいものです。
■『文藝yaminave』全体の目次はこちらからどうぞ。













今歌詞を見て見ると、昭和の臭いがぷんぷんしますね。「ホントにおかちな事」とか「うぐいす芸者とか」。。。
現在の駅の名前と比較しただけでも、かなり時代は感じますね。
僕は「青くホームに灯がゆれる」のあたりに、どことなく古めかしさを感じるかなー。
目黒のさしみか天ぷらで
→マグロのさしみか天ぷらで
うんと遊楽ちょうだいな
→「うん」と言ってちょうだいな
(「うん」は同意の言葉)
面白い解釈をありがとうございます、
これは誰がそう解しているのか、
もっと知りたいところです。