文藝yaminave ~なんてったって文弱!~

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例の不法滞在問題の、あのアレ

2009-03-13 | 週末学習塾
前に書いた記事で、クリントン大西さんからの反応をこのような形で頂きました。それで僕のほうでも「再触発」されたので本稿を起こす次第です。

クリントンさんは政治についてかなり造詣が深い方なので、外国人受け入れ問題を政治的・現実的な視点から分析を加えることについては、これはもうお任せしておきたいと思います。どのみち、現実的に判断すれば今の所この問題は「打算的に」ルールをそのまま適用し、娘さんについてだけオマケする余地を残してあげるというのが妥当だと思うからです(これはあくまでも「印象」「感想」程度のものですが)。

ただ少し付け加えさせて頂きたいのは、クリントンさんの文章で『残念ながら実際の「立法」は現実的な利害関係からのみ生じている。何故なら、日本は民主主義国家だからだ』『民達は、自ら損をするような選択を政治家にあまり求めない』という部分についてです。

つまり国会議員の選出も、そしてその議員によってなされる法律の作成も、根底には民意があります。よってあらゆる決定の根拠を国民の現実的利害関係以外のものに求めることは出来ないという意味ですね。

しかし、特に立法に関しては、僕の考えはもう少し厳格です。既に施行された法律については、その根拠に「現実的な利害関係」は無く、それどころか「民意」すらも在るべきではないというのがその立場です。

法律は、それが法律だから、法律として機能するだけなのです。

むしろその背後に、民意・利害関係・はたまた神の意志などの原理的根拠があると考えてしまうと、その原理にそぐわないものが排除される形になり、却って自由気儘な「法改正」の許容に繋がることでしょう。

僕が前回の記事で『単なる感情や利害関係から「法改正」を訴えるケースが多いのが甚だ残念』と書いたのは、法律の改正の根拠にはいつも「国民感情」や「議員・国際社会の利害関係」くらいしか無い、と思われているのが残念であるという風に考えたが故のことです。完全に僕の言葉足らずでした。

もちろん法律は、国民感情や利害関係を根拠にして改正して良いのです。良いのですが、その時その時の根拠がただ偶然に国民感情や利害関係だったというだけのことで、それらに「法律の根拠」として絶対的な力を持たせてしまってはいけないと思うのです。

実際、議員の権力が絶対的とは申しませんが、近頃はとにかくちょっとでも都合が悪いと法改正法改正と、議員の都合だけで簡単に法律を変えてしまうような風潮があるように見えてなりません。それに僕などは情に脆いので(←よく言うよ)、感情に流されてしまうと、のり子ちゃんのためにも特別に家族全員の滞在を許しても良いじゃないか! と、つい考えそうになってしまいます。

手続き的には、法律の作成や改正には民意が必ず関わっているというのは間違いでは無いでしょう。ただ法律は生まれた瞬間に「親離れ」してしまうもので、一度決まってしまうとそれ自体が正に「法律」として機能し始めます。そしてもしその法律に不備があれば、法律の親たる「民意」は更に新しい秩序創設に向けて動き始めることになります。

そして恐らく、法律が法律として定まる時には、その成立の「根拠」となったものが無意識の内に外部へ排除してしまうものが結構あるものです。これは具体例を挙げないと何のこっちゃ、かも知れませんが、歴史的にも結構例があります(いずれご紹介します)。このような、排除したものを再び社会秩序の中に取り込んで行く過程で、民意とか被害者感情とか利害関係とか人権とかが意識されて、結果的にそれらを根拠とした法改正がなされていくのではないかと考えています。

さしあたり今回のフィリピン人一家についても、まさか「出入国管理及び難民認定法」は、15年間も不法滞在して、いっちょまえの日本人になってしまった娘がいる一家を強制退去させる悲惨なケースなど想定外、正に「無意識に排除していた」ものの一つだったことでしょう。今度は、こうした例外的なケースも、人権という名目で受け入れられるように法改正していけばよろしい。ルールとはそういう構造の中にあるものなのです。

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