テキスタイルダイバー TEXTILE DIVER by Timor Textile

布との出会いを求めて歩き、布を商い布を伝える。布につながるすべての感覚をひろげて

輪の布ー輪状整経

2010-11-15 | 布を探しに
世界中の織物には色々な織り方があり、
そのひとつに経糸をグルグルと輪の状態に整経し、クルクル回しながら緯糸を入れて織ってゆく方法がある。
この整経を輪状整経といい織機には腰機、原始機が使用されている。

ティモール島アマナトゥン地方ヌンコロの布。
地織はナチュラルな手紡ぎ木綿糸に模様が織り込まれている。
縫取織、刺繍織とも呼ばれ、織りながら別糸を経糸に絡めてゆく。
機からおろした布は経糸が繋がった状態で輪になり、この部分を切り開き房にして布は四角い一枚の布になる。



この袋もティモールのもので現地の言葉で“クルマウ”と呼ばれている穀物袋。
口の部分をスリットにして緯糸を織り返し、一周ぐるりと全部織りきっている。
最後は織ると言うより針で緯糸を経糸の間に縫うように入れている。
機からおろして、両サイドを縫い合わせて袋の出来上がり。
どちらも糸の無駄はまったくない。



“クルマウ”は使われなくなってから随分経つようで、今では見かけることはほとんどない。手軽な代用品はいっぱいあるから。
幸運にも村で出会い、年寄りたちと話しをしていると子供たちが珍しそうに寄ってきて尋ねる。
「それ何?」
「クルマウって言うの、トウモロコシや豆を入れる袋。」
年寄りたちはわたしが“クルマウ”のことを子供たちに教えていることがおかしいような困ったような顔で、
「ティモール人がティモールのことをだんだん忘れていってしまう。」








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