ビール自転車

第２次世界大戦の戦火を免れ千年の歴史を体験出来るバンベルグの街をぶらりと歩いていると横町から賑やかな屋台が飛び出してきた。
向い合った屋台に車輪を付けて、ビールを飲みながら足元のペタルを漕ぐと走る仕組みになっている。
屋台には樽のサーバーも搭載されており、ジョッキが空になるとサーバーからビールを注いで、わいわい騒ぎながらひたすらビールを楽しんで走り去って行った。
ビールの本場のドイツ中でもバンベルグはビールの醸造が最も盛んな街で、ビール天国の街に相応しい風景だった。

孫を預かる

婿の転任でミュンヘンに在住の娘の孫が大学受験の夏期講習を受講する為、我が家で預かり、大阪の学習塾へ通っている。
丁度息子の部屋が空いていたので、その部屋を使って生活しているが、最近の若者は挨拶しないので、預かる条件として、朝起きて顔を合わせたら「おはよう」寝る時は「お休み」の挨拶を義務付けている。
孫はまれに見る几帳面な性格で、下着や衣服は用意した箪笥にものの見事にきちっと折り畳んで整理しており、感心させられる。
ドイツでの英語漬けの授業から解放され、久しぶりの日本語の授業にほっとしたのか、至極のんびりとした毎日である。厳しい受験戦争とは程遠い勉強ぶりにこれでよいのかと心配するが、テキストを貰って来て勉強のスケジュールも決まり熱心に机に向っている様子にほっとしている。
息子や娘を育てた時代は遠くに去り、何十年ぶりかの子供との生活体験で、久しぶりの若者との生活は、何かと新鮮である。たまに授業が終わり友人と軽く食事に行く事もあり、その時の様子を話ししてくれるのがとても楽しい。そんな時預かっている苦労を忘れてしまう程幸せを感じる。
我が子と孫では係る度合も違うが、孫には前途洋々の人生を精一杯生きて欲しいと祈のっている。一日一日を大切に日々努力して目標を達成してもらいたいと願っている。