ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設6周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます〜

東北支援の旅、スタートしました!(その17=こんな出会いも)

2012-01-25 19:43:23 | 能楽の心と癒しプロジェクト
12月30日、ワキのNくんと別れたスーパー銭湯「元気の湯」で、じつは思いがけない出会いがありました。

銭湯で野天風呂につかっていると若い人が話しかけてきました。「こちらの土地の方ですか?」もちろん違うのでボランティアとして東京からやってきた事を言うと、その子いわく、自分たちは埼玉県から来た大学生で、震災のあと何かできないかと悶々としていたが、ついにこの年末に意を決して仲間と一緒に3人で東北にやって来たのだ、とのこと。2日前に気仙沼に行き、そこから南下して今日石巻に到着したところ。被災地の方になにか力になりたいと思って使い捨てカイロを100個持参した、とも。

うん、うん。その気持ちは痛いほどよくわかります。ちょっと当地に来る時期は遅かったけれども、やって来たその実行力は賞賛されるべき。来たくても来れない人だってたくさんいるのですから。ぬえの方もこれまでの体験や活動について話し、カイロを届ける受け入れ先などについて、あとで情報を差し上げることとしました。

お風呂からあがってNくんやTさんとフロアで食事を摂っていると、はたしてその3人組がやってきました。あいにく名刺を持っていなかったもので携帯の連絡先を聞き、こちらの番号も伝えて、そうしてカイロの届け先として明友館を紹介しました。こちらもこちらで石巻で活動を終了したNくんとのお別れの食事だったもので、彼らには激励を送って別れ、やがて食事を終えた ぬえたちも駐車場でNくんにお別れを言って。。Nくんは一人で運転して東京に帰って行きました。

さて宿舎に戻った ぬえとTさん。
そこで ぬえはふと、考えました。待てよ。。?あの大学生はどこに泊まっているのだろう?

そうなのです。ホテルに泊まっているならスーパー銭湯に入浴に来るはずがない。あの若さだから。。車中泊か!?
Tさんも彼らは車中泊しながら旅をしている、と言っていたようだ、とのこと。う〜ん、う〜んと考えて、Tさんにも相談して、彼らをこの宿舎に泊めてあげることにしました。

いや、これは本当はイケナイ事なのです。ぬえたちもボランティア団体の拠点を宿舎として拝借している立場なので、ぬえらに宿舎を斡旋してくださった当地の関係者に無断で「又貸し」することになる。。でも、12月末のこの寒さの石巻での車中泊。。しかも連泊では、危険でさえある。。これは背に腹は代えられない非常事態でありましょう。すぐに彼らに電話して宿舎の住所を告げ、こちらに泊まるよう言いました。

やがて到着した彼ら。。見れば、彼らが乗っていたのは なんと、小さな小さな乗用車で、しかも若葉マークまで貼り付けられていました。この車に3人で車中泊を続けてきたの?? …はい、シートを全部倒して平らにして、毛布にくるまって3人で身を寄せ合って。。

彼らには又貸ししている事情を話し、もしもはしゃいで騒いだり、無礼な態度を取ったら深夜であってもすぐに追い出す、翌朝にはトイレ掃除や灯油運びなど身体を使った作業を手伝うことでお返しをしてもらう、と申し渡しました。。が、いやいや、とっても礼儀正しい子たちばかりでした。挨拶もきちんとできるし、仲間だけでゲラゲラ談笑するでもなし、ひそひそと相談したり。。見れば携帯の待ち受け画面にしているアイドルの女の子をお互いに見せ合っていました(^◇^;)

彼女いるの? 。。いいえ 何年生? 高校時代の友人同士でみんな2年です。あ、こいつは1浪したのでまだ1年、なんて、たわいもない話をしたり、石巻の現状やこれからの課題など、また伝え聞いた津波の恐ろしさなども話して、彼らは眠りにつきました。あ、そうそう ちなみに ぬえらに宿舎を斡旋してくださった関係者にはこの後彼らを泊めた事情をお話しして、事後承諾ではありますが了解を頂きました。

ところが! 彼ら、泥のように眠りやがりまして。翌日は7時になっても起きてこない。8時になっても誰も起きない。9時になっても目を覚まさない。。凍死してないよね? (;^_^A

まあ。。窮屈な車中泊を2泊も続けてきたのだから、そりゃ疲れたでしょう。Tさんは「そういえば昨夜、ああ。。やっと足を伸ばせて寝られる。。なんて言ってたよ」と教えてくれました。

ようやく起き出したのが10時頃。昨夜言ったようにトイレ掃除と灯油を買ってくるよう言って(代金はもちろんプロジェクトから支払いいました)、ようやく11時頃に明友館に向けて彼らは出かけて行きました。今日…大晦日に予定されている開成団地での公演を知らせると、ぜひ見に来るとのこと。記念写真を撮ってお別れ。最後まで礼儀正しい若者たちでした。

考えてみたら今回の活動では往路に東北道でヒッチハイカーを拾ったし、前回9月の活動では南三陸の旅館で、やはり風呂場で紋々のお兄さん…「極道牧師」さんに声を掛けられたし。。なんか不思議な出会いがいっぱいの ぬえ。

さて彼らが出かけてすぐに明友館の千葉恵弘さんに電話して、彼らが持参したカイロを受け入れて頂き、石巻の現状について教えてあげて頂きたいとお願いしました。まるで半年前の ぬえを見ているようです。何も知らないで一人っきりで石巻にやって来て。。そのときも千葉さんのお世話で湊小にお手伝いに行き、そうして いまの ぬえがあるのです。またまた千葉さんにはご厄介をお願いすることになりましたが、即座に快諾頂きました!
ジャンル:
東日本大震災
キーワード
スーパー銭湯 ヒッチハイカー 待ち受け画面 若葉マーク 使い捨てカイロ
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