今年の会場は千葉の稲毛ヨットハーバー。東京湾の最も奥に位置する稲毛は、風がなければフラット、風が吹けば三角波が立つという海面のため、日頃活動している江ノ島とは特徴が異なるゲレンデです。会場入りしてから練習する間もなかったため、セールのセッティングや走らせ方を短時間で合わせていくことが、レースで前を走るための課題となります。
◎Day1(9/20)
初日は台風14号の影響が懸念されたもののレース開始予定時刻の12時には風は順風程度に落ち着き、絶好のレースコンディションかと思われました。しかし、風向が安定せず、また途中何度かトライしたスタートでもゼネリコを繰り返し、結局第1レースのスタートは14:40でした。
最初のレースはセーフティに走り、その後のレースにリスクを抱えないことを目指して4艇は走りました。結果、Aチームは、13-14。Bチームは29-31。上位入賞を目指すAチームにとっては納得できる順位でのスタート。入賞圏内を目指すBチームにとっては、物足りないスタートとなります。
続いて行われた第2レースは、風向、風速ともに第1レースとほぼ同じコンディション。Aチームは10-23と、少しスコアを崩します。一方、Bチームは38-26。藤武艇のトラブル(スタート前にジブトップのガラミが解けた)もあり、厳しいスタートとなります。
初日の2レースで安定した走りをみせた山崎/篠田組
◎Day2(9/21)
台風が遠ざかり、この日は予報どおりの微風レース。4艇とも体重が軽いチームでは決してないため、微風コンディションでは風を読む力とスタートが非常に重要になってきます。第3レースは160°設定で12:30にスタートしました。ラインは下有利でしたが、右海面に薄く残るブローを狙って上よりからスタートした艇団がレースをリードする展開へ。右有利と予想したAチームは2艇とも上寄りからスタートを決め、いい位置につけます。一方、下寄りからスタートしたBチームは苦しい展開です。スタート時はしっかり入っていた風も、レグを重ねるごとに風はなくなり、下マークでコース短縮となった結果、Aチームは、7-9と2艇ともシングルでフィニッシュ。一方のBチームはタイムリミット(トップから20分)に間に合わず、2艇ともDNFとなってしまいました。
その後、無風状態がしばらく続きもうレースはできないかという雰囲気が漂い始めた時、少し入ってきた南西よりの風で第4レースがスタートします。入り始めたばかりの風のため、左右どちらが有利な風か判断が難しいなか、風はそれほど大きくシフトせずに、少し上有利のラインからきっちりと第一線ででた艇がトップグループを形成しました。Aチームはトップ集団に食い下がるかたちで上マークを回航。Bチームも中団グループで上マークを回航していきます。しかし、上マークまで続いた風も第3レースと同様にレグを重ねるごとに風が弱まっていき、下マークを回航するころにはかろうじて残っている程度。2上へのコース選択が明暗をわけました。結果は左に伸ばした艇は残った風にのってフィニッシュできましたが、右に伸ばした艇は無風地帯にはまりタイムリミットとなりました。Aチームは5-16。Bチームはこのレースも2艇ともDNFとなってしまいました。
不安定な風のため上位陣がスコアを崩すなか、しっかりした走りを見せたAチームが3位につけました。
第3-4レースを、2連続シングルと快走した尾形/百瀬組
◎Day3(9/22)
予定していた8レースのうち4レースしか2日目までに消化できていなかったため、レース委員会は最終日のスタート時刻を30分早め9:00としました。なんとか2レースやる意向です。なお、2レース実施されれば、捨てレースが発生します。
第5レースは、第4レースと同様、吹き始めたばかりの安定しきっていない風で行われました。Aチームは右海面有利と見て右に位置しますが、右は最初しか伸びず左からシフトとプレッシャーを伴ういいブローが入り、右艇団は大きく出遅れます。結局、序盤の出遅れを挽回することができず、Aチームは22-34と2艇ともに下位に沈み56点と大叩きしてしまいます。一方、昨日のレース結果に奮起したBチームは、左寄りのブローをうまく拾って、7-18とまとめす。
続いて行われた第6レース、3位を死守するためには第5レースをカットレースとするためにこのレースでなんとか挽回するしかないAチームは、上有利のスタートからしっかりと第一線でスタートします。しかし、焦りがでてきたのか2艇とも上マーク付近で左右から入ってきたブローをうまくつかめず、トップ集団から少し離されて上マークを回航します。ほぼそのままの順位で下マークを回航し、次のアップウインドでは、途中まで左寄りに展開したものの、そのさらに奥からはいってきた左のブローをつかめずに、トップ集団をつかまえることができません。風が落ちていくなか最後まで懸命の走りを続けるものの、結局中位グループから抜け出せずにAチームは16-22でフィニッシュ。3位を争っていたホンダ熊本は2艇がシングル上位でフィニッシュ、アイシン精機も1艇がシングルでフィニッシュしたため、残念ながら3位を守ることできず最終結果は4位となりました。
一方、Bチームは第5レースの好調を維持し、11-17でフィニッシュ。最終結果は13位まで挽回し、この大会を終えました。
第5レースでシングルを快走した佐々木/梶川組(写真中央)
関東MVPの藤武/渡辺組も最終日に意地をみせました(写真右)
昨年度とよりもひとつ順位が上がった分だけ、レース内容に手ごたえを感じる部分も増えてきましたが、課題となる部分も改めて浮き彫りになりました。来年度は確実に3位以上を狙えるように、その課題をしっかり克服していきたいと思います。
◎最終結果
1.アイシン・エーアイ 10-9-20-12-(23)-18 69p
2.ホンダ熊本 5-10-40-(54)-17-6 78p
3.アイシン精機 (42)-19-11-16-29-33 108p
4.NTT東日本A 27-34-16-21-(56)-38 136p
5.豊田自動織機 19-21-(45)-26-34-43 143p
6.三菱重工業広島 28-39-31-(47)-37-14 149p
7.日立製作所 16-27-57-(60)-45-21 166p
8.マツダ 38-36-20-43-37-(60) 174p
13.NTT東日本B 60-64-(82)-82-25-28 259p