社長が自分の住まいを買うとき迷うのが、「会社で買おうか、それとも個人で買おうか」、
ということでしょう。
サラリ─マンの方が住宅ロ─ンを組んでお買いになる場合は個人で買う以外に
選択肢はありませんが、会社を経営している方の場合は、「会社で買うか、個人で買うか」
で迷うことが多いようです。
会社で買うと、まず住宅を買うために会社のお金が使えるという資金的な有利さが
あります。
さらに、減価償却費を計上できるし、修繕費や利息などが経費になりますから、
会社で住宅を買うことはそれなりにメリットがあります。会社で買った住宅に社長が
住む場合は、会社に一定の「社宅料」さえ支払えば税務上の問題もありません。
でも、少し長い目で見るとどうでしょうか。会社の株の一部を他人が持っている場合は、
他人が住宅の一部を株という形で所有していることになります。そうすると、将来社長
だけの判断で住宅を売ったり賃貸に回したりすることができなくな りますから、住宅は
「使い勝手」の悪い物件になってしまいます。
社長一人で株を100%持っている場合でも、「使い勝手」の悪さは変わりません。
子供さんが結婚してその住宅に住まわせようとしても、住宅が会社所有である以上
子供さんから家賃を取る必要があります。親子間の(個人間の)使用貸借のような
わけにはいかないのです。
さらに、相続のことを考えると頭が痛くなります。会社の株はご長男に、住宅は
ご次男にそれぞれ相続させたい場合などを想定しますと、相続の前に所有権の
移転が行われ、これに伴って無駄な税金が発生することが考えられます。
「会社で買うか、個人で買うか」は、それぞれ一長一短ですが、短期的には会社で
買うのが有利、長期で見ると個人で買うのが安全、というごく大まかな結論が出せ
そう です。
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