オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

このブログについて

はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく事をそこはかとなく書いていくブログです。 温かい目で見守ってくださいm(_ _)m また書かれている内容は鵜呑みにせず、参考程度でよろしくお願いします!

ICU患者のストレスについて考える

2017-10-10 05:59:56 | 看護
ICUは重症患者さんに、集中的な医療・看護を提供する場です。
生命が最優先とされてきた背景から、患者さんが過ごしやすいようにではなく、医療従事者が働きやすいように作られてきた背景があります。
そこにいる患者さんは、とても多くのストレスを経験しています。

とはいうものの、そのストレスの内容はどのようなものか?
なんとなく想像はできますが、それって本当にそうなのか?
また、そのストレスに何が関連しているか?

今回は、このような疑問に応える、ICU患者100名(実際は96名)に聞きました!という研究をご紹介します。

研究のタイトル 「12時間以上人工呼吸管理を受けたICU入室患者のストレス経験」

日本集中治療医学会雑誌に2017年の7月にupされています(日集中医誌 2017;24:399-405.)。
研究対象は12時間以上挿管されたICUの患者でせん妄、認知症の患者さんは除外されています。
研究方法は、ICU Stressful Experiences Questionnaire(ICU-SEQ) の日本語版の34項目の質問紙を用いたインタビューです。
さて、1番のストレスは何だったのでしょうか?



結果はこのように、「口渇」、「会話困難」、「動きの制限」、「気管チューブによる苦痛」、「痛み」や「緊張」がストレスの上位でした。
私的に興味深かったのは、ストレス経験項目のうち人工呼吸管理の記憶がないと答えた方が10名いたのですが、ICU-SEQJ合計点が 66.89±25.1点に対し、覚えている方は89.71±23.0点で有意に低くなっています(P= 0.02)。

ICU 退室後のpost-intensive care syndrome(PICS)が注目され、浅鎮静や無鎮静が主流になってきていてています。
ICU内での記憶の欠如や歪みは、退室後の精神症状に影響を与えるため、ICU日記などの関わりが効果的とも言われています。
この辺の領域はもう少し丁寧に、時期や内容、中長期的なアウトカムを含めて今後の課題としていく必要があるのだなぁと改めて感じました。
看護師が介入できることも多そうですよね。

この研究は、患者さんの声を直接聞けたとても学ぶことの多かった研究です。
患者さんの体験なしにICUの看護は成り立ちません。
主役はいつも患者さんです。

ご興味のある方は、ぜひ 論文をみてください♪


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Let’s PubMed search♪

2017-08-13 10:14:45 | 倫理
先日、ICUの抄読会 を担当させていただきました。
今までは、30分枠の担当でしたけど、今回5回目にして1時間枠になりました。

お題は家族の面会に関してです。
そこで、PubMedを使って文献検索をすることから始めました。

スタディサプリを5月に初めて3か月が経ちました。
そう、あの神授業が見放題のやつです。
効果やいかに。。。

PubMedサーチの復習です。

まず、advance を押して検索画面を開きます。

そうすると、検索ワードを入力できる画面になるので、ワードを入れていきます。

ワードを入力したら、一度Add to historyを押します。
このスライドでは、論文の表題(Title)にICUまたはIntensive careが入っているものを検索しています。


すると、検索履歴(History)にICU or Intensive careが追加されます。
この時点では40393件もあるので、とても見ることができません。
そこで、検索ワード話追加していきます。


HistoryのAddをクリックすると、検索ワードに過去の検索履歴を追加することができます。
ここでは、先ほどのICU or Intensive careの他に、Familyとvisit*[ti] or presenceを追加します。
*[ti]をつけることで、visitだけでなく、visitableやvisitantsなども含んで検索できます。
また、面会はvisitだけでなく、最近はpresenceと表現されることが多いので、ここでもor検索をします。


これで検索(Search)をかけてみると...

274件の文献が検索されました。

初期設定では20件ずつしか見れなくて見づらいので、200件ずつの表示に変えてみます。

すると見やすくなったので、上からざぁーと見てみます。
2010年以降だと135件だということがわかりました。


タイトルと雑誌名に注目しながら見ていきます。
Reviewと書いてある文献はある程度過去の文献をまとめてくれているので、その領域についての知識をざっくり得るのに適しているのではないかと私は感じます。
すると、上から13個目に、2017年にCCMからICUにおける家族中心ケアのガイドラインというのが出ているのがわかります。
どの雑誌が良い雑誌かはImpact factorが参考になります。
集中治療領域のimpact factorをいつもご指導していただいている先生がまとめている ので参考にしています。


というわけで、今回の抄読会では Guidelines for Family-Centered Care in the Neonatal, Pediatric, and Adult ICU.を扱わせていただきました。
ご興味のある方は、ぜひICUの抄読会 のスライドを見てみてください。
内容が多くて一部しか扱えませんでしたが。
個人的には、家族ケアは片手間ではできることではないので、ICUスタッフが意識を向けることとその環境を整えることが必要なのではないかと感じます。
物理的に難しい状況の中で、家族ケアは大事だからやりましょうと言ってもみんな辛いので。。。

今回の抄読会に向けてたくさんの英語文献を読みましたが、格段に理解がしやすくなってきた気がします。
スタディサプリと指導してくれる先生に感謝です。
ちなみに、私は高1 スタンダードレベル英語<文法・読解編>をとりあえず一回やりました。
今は復習を繰り返している感じです。
まだまだ、google翻訳やWebip翻訳の力を借りていますが、文のまとまりがどこまでなのかがわかるようになったので、より効果的に扱えている気がします。
興味のある方はぜひ一緒に勉強しましょう♪


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お悔やみの手紙の効果

2017-05-24 04:22:50 | 倫理
今月、 ICUの抄読会を担当させていただきました。

今年の3月末にICM発表され
Effect of a condolence letter on grief symptoms among relatives of patients who died in the ICU: a randomized clinical trial.という論文です。

ICMはIntensive Care Medicineの略で集中治療領域の代表的な雑誌です。
しかも、"SEVEN-DAY PROFILE PUBLICATION"と書いてあります。
きっと、重要な研究だから投稿されてからあっという間に採用・掲載された的なニュアンスの論文だと思われます。

内容は簡単に言うと、ICUで亡くなった患者の家族に対してお悔やみの手紙を送ったら、悲嘆症状は改善するか?を明らかにしようと多施設RCTを行っています。
RCTとは、研究の中でもエビデンスレベルの高い手法です。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02833_11

介入の効果を調べる研究では対照群(コントロール群)が必要になります。
例えば、よくダイエットのCMで〇〇サプリを飲んだら5kg痩せましたー、っていうのありますよね。
でも、食事療法や運動療法をやってたかもしれないし(交絡因子)、〇〇サプリじゃなくてヨーグレットでも痩せたかもしれません(プラセポ効果)

なので、介入を比較する際に、同じ人に介入する場合と、しない場合を試せたら一番いいですよね?
でも、実際は同じ人間なんて存在しないわけです。

例えば、ドラゴンボールに登場する天津飯は“四身の拳”という技を使えます。


ナルトは“多重影分身の術”という術を使います。


このようなことが実際にできれば、同一人物に介入する場合としない場合の効果を検証することができます。
まぁ、実際には難しいですよね。

そこで編み出されたのがRCTです。
簡単に言うと、RCTは対象をランダム(無作為)に2群に分け、“介入あり”と“介入なし”で効果を見る方法です。
人間は一人一人もちろん違いますが、数が多くなるとグルーピの平均的な特徴は似るという特徴をうまく利用しています。
この方法を用いることで、先ほどのダイエットサプリの話では、食事療法や運動療法などの交絡因子を制御することができます。


話をICMの論文に戻します。

この研究では、ICUに入室した患者で、48時間以上経過して亡くなった患者の家族を対象にランダム化しています。
この研究の介入は、“お悔やみの手紙”を送ることです。

さて、介入の結果はいかに…。




なんか、良さそうな介入に見えますが、介入群の方が抑うつやPTSD症状が多くみられたようです。

うーん、なんでだろう??

私が考えるところによると、
今回のような対象に対して、私たちは相手の状況を考慮しながら様々な工夫をするはずです。
そこには“技”があるわけで、プロトコールで決められた今回の介入では不十分(場合によっては悪影響)だった可能性があるのではないかと思います。

しかし、今回の研究のように、正しいと思われていることを科学的に検証することはとても貴重だと思います。
“看護はアート(技)でありサイエンス(科学)だ”と言われますが、この二つの柱の重要性を再確認するメッセージ性の高い論文ではないかと思います。

詳しい内容にご興味のある方は、ぜひこちらをご覧くださいませ。



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効率的な英語の勉強法

2017-05-17 16:14:44 | 倫理
皆さんは英語は得意ですか?

私は、はっきり言って苦手です。
高校現役の時の英語センター試験は、なんと70点でした。
200点満点中70点ですよ、ヤバイですよね(笑)

でも、世の中の論文はほとんど英語です。

専門看護師の役割は、看護協会のホームページ に6つ挙げられています。

1. 個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
2. 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
3. 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
4. 個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。(倫理調整)
5. 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
6. 専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。(研究)

6つの役割の中心となる考え方は、“患者さんに対して最善のケアを提供する”ことに集約されます。
つまり、EBN(Evidence-Based Nursings)です。

EBNという名称のエビデンスという響きから、研究で明らかになっている看護をやっていこう、という考え方だと勘違いされがちですけど、EBNはこの図のように「エビデンス」「患者の意向」「臨床経験」「資源」の4つの要素を総合的に判断して決定されるものです。

Dicenso, A., Cullum, N., Ciliska, D. (1998). Implementing evidence-based nursing: Some misconceptions/ Evidence-Based Nursing, 1, 8
どんなにエビデンスレベルが高い研究があったとしても、患者の意向に沿わなければ、行える環境がなければそれは行うことができません。

しかし、だからと言って、エビデンスを軽んじるわけにもいきません。
卓越した実践をするためにも、相談された場合や教育する際にもエビデンスは重要です。
そして研究する際にも、論文を読んで先行研究を把握する必要があります。
何がどこまで明らかになっているのか把握できなければ、研究をすることはできません。

しかし、残念なことに世の中の論文はほとんど英語で書かれています。
英語が読めないと、専門看護師の役割を果たしていくのに支障が出そうです。。。


というわけで、表題の効率的な英語の勉強法としてスタディーサプリを始めました。
中学英語総復習から始めて、今は高校1年生の英語を勉強しています。
“月額980円で神授業が見放題”というキャッチコピーに嘘はないです。


予備校時代、新聞奨学生として配達をしながら東進ハイスクール津田沼校でビデオテープを見ていましたが。。。
15年で時代は大きく進んだようです。
効果のほどは、また定期的にアップしていきたいと思います。


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ICUにおける身体抑制を考える

2017-04-23 00:11:32 | 倫理
クリティカルケアにおける身体抑制はクリティカルに!


久しぶりの更新です。

本日は身体抑制について考えます。
みなさんは、そしてみなさんの組織では身体抑制についどのように考えていますか?

2000年4月に施行された介護保険法では身体抑制が原則禁止されて、厚労省は「身体拘束ゼロ作戦」の推進を表明し身体拘束ゼロの手引きを出しています。

基本的人権や人間の尊厳を守る観点からも身体抑制は最小限にした方がいいことは言うまでもありません。

しかし、一方で私たちの働くICUなどのクリティカルケア領域では、生命の危機的状況にある患者が多く、安全を守るためにやむを得ず身体抑制を行っている現状があるのも事実です。

2013年にJSEPTIC看護部会が全国94施設のICU/CCUに行ったアンケート調査では、覚醒をしている気管挿管患者に対し、75%以上抑制をしていると答えた施設は約45%であり、ルーティンに抑制が行われている現状があるとしています。

Intensive Care Nursing Review,1:p76,2014


このような、抑制をゼロにしたいという理想と、出来ていない現実のギャップに苦しんでいる看護師は多いのではないでしょうか。

日本集中治療医学会看護部会はこのような身体抑制についてのフローチャート を作成しています。

このフローチャートからも、抑制の必要性を考えることが強調されていると感じます。

大切なことは、患者の側から世界を見る視点を持つことだと考えます。
挿管されている患者が鼻を掻く時、看護師にはどのように見えるか?
きっと、挿管チューブを抜こうとしているように見えるのではないでしょうか。
それを止めようと駆けつける看護師は、患者の目にはどう映るのでしょうか?

想像してイラストを描いてみました。
こんな感じかもしれません。

身体抑制に対しては思考停止することなく、信念を持ってクリティカルに考えることが重要なのではないかと考えます。

今回の内容は看護技術の5月号で事例を交えて執筆させていただきました。

是非、一読していただけると嬉しいです。


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