NSL Network for Saving Lives

マスメディアと研究者による地震災害軽減に関する懇話会

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第3回防災・減災と報道の役割 シンポジウムに参加

2010-01-05 17:01:25 | 合同シンポ参加リポ
2009年12月19日(土)に大阪の関西大学千里山キャンパスで開かれた「第3回 防災・減災と報道の役割 ~社会安全と報道~」にNSLのメンバーが出席しました。このシンポジウムは、仙台、静岡、名古屋、大阪にある「減災勉強会」のメンバーが一同に会して、これまでの問題点や、
今後の課題などをテーマをに、地域を越えて意見を交換しました。
参加団体は(北から)

1)仙台メディア防災勉強会
2)しずおか防災コンソーシアム
3)NSL(マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会)
4)減災勉強会 なまずの会

です。
各グループからの活動報告の後、テーマ別による4つの分科会が行われ、その後、全体討論が予定されています。
午後1時から行われる分科会のテーマは

1)メディアと行政  関大千里山キャンパス 尚文館401号室
2)メディアと専門家                   402号室
3)メディアと市民・企業                 403号室
4)メディアと備え                     404号室

です。

事務局 五十嵐


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防災・減災は力を合わせて 古田直樹 東海テレビ報道部

2009-12-29 09:19:52 | 合同シンポ参加リポ
私は今回、このような合同勉強会には初参加でした。
普段、報道する分野はまさに様々ありますが、「防災・減災」というのは
各社・各系列間の競争などを越え、情報の共有化・勉強ができるという意味で
稀有な分野だと改めて感じました。分科会では「メディアと行政」で発言の機会をいただきました。
ありがとうございました。

また今回、NSLは他地域からいわば目標にされていると感じました。決して「各地域間競争」ではないので
それぞれ防災・減災力を高めていければいいと思いますが
私たち(NSL)は私たちでこれまでどおり細く・長く活動を続けていければと思っています。

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防災・減災と報道の役割  分科会「メディアと市民・企業」 山口勝 NHKアナウンス室

2009-12-28 14:16:48 | 合同シンポ参加リポ
NHKアナウンス室 山口勝

防災・減災と報道の役割 ― 分科会「メディアと市民・企業」

パネル 進行:山口勝・NHK、サブ:関口威人・レスキューストックヤード、中嶋康弘・NTT東日本、西川智・国土交通省、
大西賞典・加古川グリーンシティー防災会、護雅史・名古屋大学、古関良行・河北新報、五十嵐信裕・名古屋テレビ、大槻和彦・毎日放送

参加者 NPO、メディア、市民、インフラ企業、行政など10-15人ほど
(参加者も含めて、各地域勉強会の参加経験を確認したところ、静岡の経験者はいなかった)

■各地域メディアの課題
・地方支局の記者は防災の専門教育がない。岩手・宮城内陸地震では生業支援の問題が大きくクローズアップされたが、
救済制度を含めてそれまで勉強する機会はなかった。
・災害に遭遇した経験や災害報道のノウハウが横に広がり、縦に世代を継承する仕組みがメディアのなかにない。
NSLはそれができる先駆け的仕組み。
→「アンチ記者クラブ」の理念、会社を背負わず個人参加で築くメディア間、研究者間の信頼関係をつくり、
「新人ジャーナリストのための1日セミナー」で、次世代育成、参加の切っ掛けをつくり
「仲良しクラブ」にしない工夫。基礎的なことでも、自由に質問できる雰囲気づくりが大事。

■市民、ボランティアから見たメディア
・ボランティアセンター長がマスコミ対応でつぶれてしまった例を見たことがある。
・メディアがコメントを求める防災関係者が決まってきている。デスクの指示で若い記者が通り一辺倒のコメントを求めてくることも。
阪神・淡路ではキーマンだったかもしれないが、今は現場から離れている人も多い。
・NPO側の進化に比べ、マスコミの災害報道の仕方に進歩が見られない。災害に遭った地域の特性を理解し、慎重に入り、
息長く支援を続けるNPOがある一方で、マスコミは相変わらず土足で踏み込んでくる印象がある。
メーリングリストやブログ、携帯電話などの進化でNPOやボランティア自体が発信力のあるメディアになっている。
→メディア側からは「お互い利用するべきだ。NPO・ボランティア側はテレビの放送時間や新聞の締め切りなどを考えて
情報提供をしては」などの意見が出た。

■企業のBCPとメディアの危機対応
・首都直下地震が起きたとき、東京はもうだめだというメッセージが駆け巡ったら日本経済は終わる。
情報が世界を巡るスピードは阪神淡路のときの比ではない。外国に対して発信するときにはそれを意識し、
国内向けの報道と国外向けを分けるなどの工夫も考えてほしい。
・被害を受けたとき、企業はまず、その時点での復旧見込みをいち早く示すべきだ。あとで修正があってもよく、
「何も言えない」「わからない」が最悪の対応。8月の駿河湾の地震で中日本高速が復旧の目処をすぐに示し、
結果、工法変更を余儀なくなれ見込みが2日ほどずれた。しかし、遅れの根拠などが示され、
メディアやユーザーには受け入れた。やっとこういう危機対応の文化ができたと思えた。
・メディア企業がBCPについて知らない。阪神では市民だけでなく、行政も被災した。次はメディアも被災し動けなくなることも。
メディアのBCPは大丈夫か。ぜひ早急に対策をとってほしい。


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関西大学での合同シンポジウムでNSLを紹介しました 五十嵐信裕・事務局

2009-12-24 18:13:55 | 合同シンポ参加リポ
12月19日(土)に大阪の関西大学千里山キャンパスで開かれた「第3回 防災・減災と報道の役割 ~社会安全と報道~」で、NSLを紹介しました。このシンポジウムは、仙台メディア防災勉強会、しずおか防災コンソーシアム、NSL(マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会)、そして減災勉強会 なまずの会(今回の主催者)が参加して行ったものです。



NSLは事務局・五十嵐が、このHPを使ってこれまでの活動などを紹介しました。それぞれの会が、これまでの素晴らしい活動実績を紹介する中、NSLとして、どこにポイントを置いてプレゼンテーションをしようか、かなり迷いました。その結果、NSLの悪い点を敢えて紹介することにしました。これまでの私の取材、ニュース&番組作りで「編集で残った(印象に残る、視聴者への訴求力がある)シーン」は、概ね当人にとって都合の悪い話でした。(当たり前の事ですが、問題点を指摘し解決への糸口を探るのが、私たちの仕事です。)というわけで、敢えてNSLの悪い点をシッカリと紹介しました。良いところは周知の事実ですので、まぁ言わなくてもいいかと。せっかく廣井賞を頂いたのに、こき下ろしていいのか?とも思いましたが、思い切ってやりました。

発表の要の部分を紹介しますと、

<NSLが9年間続いた秘訣>
・名古屋大学が事務局役を宣言しなかった(当然、みな個人として事務局を担ったが・・・・)
・主役はマスコミと行政 研究者は脇役とした
・組織を離れた「やる気有る個人」の自由参加の場だった(アンチ記者クラブ)
・神戸のトラウマと今の危機感を持った複数のキーマンが会にいた
・開催の山・谷を許容し頑張りすぎなかった
・科学的興味を主とせず地域減災のための勉強の場だった
・低調になると皆で悩みを共有する場を持った
・参加者ニーズを大事にした活動だった
・基礎と先端、普遍性と時宜を得たテーマ選択をしてきた
・研究会&飲み会、一日勉強会、夏合宿などでメディア、研究者、行政が役割分担をした
・オフレコ・再取材の徹底がちゃんと守られた
・多数の協働の場の中の「一つの場」でしかなかっための勉強の場だった

と、9年間続いた秘訣を紹介した上で、

<秘訣を裏返すと>
・記者クラブではないので何にも縛られない
・個人で参加しているので参加、不参加は基本的に自由意志
・では無くてもいいかというと、そうでもない
・誰もが必要性を認めながらも「事務局などの運営役を私が引き受ける」となかなか言わない。その理由は本来業務の忙しさ
⇒参加者の甘えに繋がり、開催が低調になった

と、この春から夏にかけて継続の危機をがあった事を明らかにしました。その時、事務局を引き受けた五十嵐が、「気負いすぎでしでかした失敗」と「その解決策」を紹介しました。

<五十嵐の失敗 上記の秘訣への不理解と誤解>
×無理をしてでも例会を定期的に開催しようとした
○⇒その時できることを無理なく続ける

×毎回、新しい話題でNSLを開催しようとした
○⇒基礎・基本的な事を学ぶことも大切
  基礎と先端、普遍性と時宜を得たテーマを織り交ぜて開催するのが望ましい

×例会では「極めて基礎的な質問」はしてはいけない。だから新人が例会に居づらくなり、NSLに新人が入ってこなくなる。
○⇒研究者から見ると、メデイァの人間や行政のスタッフが、基礎知識を知らないでいる方が怖い(もちろん知ったかぶりも) 
  そもそも研究者の先生方は、毎年キャンパスで新入生を迎えていて、そんな事の繰り返しである。分からないことは、その場で聞いて欲しい。


NSLのみなさんには申し訳ないのですが、このような実情を赤裸々に紹介しました。それが長く続いているNSLから、ほかのグループのみなさんへ伝えなければならない、最も大切な事だと考えてのことです。このような各グループの活動報告に続いて、4グループに分かれて、パネルディスカッションを行いました。テーマは以下の通りです。NSLから参加した10人はそれぞれのグループに分かれ、討論を行いました。
1)メディアと行政
2)メディアと専門家
3)メディアと市民・企業
4)メディアと備え

合同シンポジウムに参加したメンバーから、それぞれの感想を報告いただき、このHPで紹介していきたいと考えています。

NSL事務局 五十嵐信裕(名古屋テレビ 報道局ニュース情報センター)

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災害と備えの分科会について 福和伸夫・名古屋大学

2009-12-24 18:13:43 | 合同シンポ参加リポ
福和伸夫(名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学系)

第一回の会から、企画側のお手伝いをしています。こういった会が継続的に実施できるようになったこと、各地でNSLと同様の活動が始まりつつあること、
地域を超え、種類の異なるメディアが集まって、行政や市民、専門家と、減災のために議論ができたことは大きな意義があったと思います。
今回は、とくに、4つの地域での活動の現状を紹介し合うと共に、3つの分科会で、メディアと行政、メディアと市民・企業、メディアと
専門家との間で個別に議論を深めることができたこと、メディア自身の備えについて本音で語り合うことができたことが、新しい一歩で会ったと思います。
シンポ後の懇親会にも多くが参加し、様々な意見交換がされていました。このような会を、大阪のメディアの方々が企画してくれたことに
感謝したいと思います。また、名古屋から10人もの方々が参加して下さったことにも感謝いたします。
なお、私が担当した「メディアと備え」の分科会の簡単なメモを添付しますので、参考にしていただければと思います。

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第3回防災・減災と報道の役割~社会安全と報道~「災害と備えの分科会」
(平成21年12月19日関西大学にて開催)

進行役  :福和伸夫(名古屋大学)・安富信(読売新聞)

パネラー :中嶋宏行(三重県)、吉井正彦(国立民族博物館)、中川和行(時事通信)、板橋恵子(FM仙台)、
       杉山洋(静岡第一テレビ)、大石剛(静岡新聞)、奥村健(愛媛新聞)

会場参加者:静岡新聞・松本、TV高知・伊藤、朝日放送・戸石、中日新聞・渡辺、内閣官房・滝川、人防・石川、人防・宇田川、
        大阪大・菅、NHK・山崎、毎日放送・広田


1. 「第1回防災・減災と報道の役割」(平成20年3月22日開催)における討論会「巨大災害に向けてメディアは何ができるのか」で提起された課題の復習

 下記の課題が提起されたことを復習し、
(ア) メディア関係者も被災者になりうる
(イ) 放送にとって電力の問題は切実
(ウ) 東海地震、特に警戒宣言発表後の取材体制に不安がある
(エ) 巨大地震の報道、特に世界に向けた報道への気遣い
(オ) 被害全貌を把握するためのマンパワー、リソース不足
(カ) 自治体は自ら発信する能力を身につけるべき
(キ) ただし、行政がマスメディアに提供した情報をすべて出すわけではない
(ク) 研究者と報道の連携
(ケ) 地域だけでなく、国全体を見通した報道のあり方
当日は、90分間での討論会であることを踏まえ、(ア)(イ)(オ)について主として議論をした。まず、議論を始めるに当って、福和の方で整理した
メディア本社の立地位置、メディア室内の耐震対策の現状、発電施設の立地状況、報道関係者の人的資源の現状、東京と、大阪・名古屋などの大都市圏、
中核都市、他の地方地域における人口増加状況や人口偏在、密集度、長周期構造物の存在などが提示され、議論の前提条件を共有した。


2. シンポジウム参加者から提起された討論すべき課題

 事前に参加者に行ったアンケートから、本分科会に投げかけられた課題は下記のとおり。
(ア) どんなメディアを想定するか:世界メディア、大メディア、ミニコミ、市民
(イ) メディアの被災、OAできない場合の共同取材
(ウ) メディアの縄張り争い・取材範囲
(エ) 広域災害時の取材の連携は可能か?
(オ) 被災時だけでなく備えに関する報道の在り方
(カ) メディアのBCPの実態と課題
(キ) メディアは十分な耐震をしているか?
(ク) メディアの人事異動とノウハウの蓄積・伝承
(ケ) 被災地におけるヘリ運用の在り方
(コ) 一日前プロジェクトへのメディアの協力
 これらのうち、(イ)~(ケ)について、議論をしたり認識の共有化を図った。


3.メディアの実力と現状の課題

兵庫県南部地震当時の大阪地区における新聞メディアの記者の数と現状との違いについて議論した。当時と比べると記者は約7割になり、
既に大震災を経験していない記者が半数を占めているようである。南海トラフでの地震や首都直下地震では、メディアのリソース不足を覚悟する必要がある。
関東大震災では、東京のメディアが被災し、大阪地域のメディアが東京に進出するきっかけにもなったので、メディア自身の事業継続の面でも
重要となるとの指摘があった。
大震災以降の地震災害の経験から、被災地に対する「思い」の有無で報道の質が異なることが分かってきた。ニュースの価値は、珍しさ・新鮮さ・身近さにあるが、
どの点にウェイトを置くかによって、被災地目線を持てるかどうかが決まってくる。
被災地への「思い」を持った記者が大きな役割を持つ。地域への「思い」を持った記者は、外に向かって被災地に共感を持ってもらう報道を実践してきた。
災害時には、被災地外への上手な発信の仕方が必要になる。とはいえ、被災地でも、記者による「温度差」と「風化」が課題になっている。


4.メディアの備え

ある地方新聞では、耐震診断の結果、震度5弱でも壊れると診断され、免震の新社屋を作ることになった。また、災害時協定も当初は近隣県の4社で結んでいたが、
南海地震の広域被害を踏まえて、より広域での協定とし、印刷に加え、制作面での協定も結んだ。災害対策への投資は余分な金と言う声もあり、
災害対策は後回しとなりがちである。また、被災経験のあるメディアも、時間とともに教訓を忘れがちになる。
静岡でも災害協定は多面的に結んでいる。それに加え地震ハンドブックを作ったり、免震社屋にしたり、非常発電機の整備などをしている。
新聞では、休刊にしないことがBCPの基本になっているが、むしろ印刷よりも宅配の方が重要となるかもしれない。
過去の地震で、ある放送局では、壁が割れたりTVが飛んだりした。局外に出なくても被災映像が撮れ、おいしい映像を自前で取得できるというメリットはあったが、
後日、社長が激怒し、耐震補強や家具固定を実施した。この社では継続的に地震防災啓発番組を作っているが、社内的には厳しいので、社内へのアピールが必要となっている。


5.メディアの協働・連携

ワンセグやカーナビの普及、デジタル放送を迎え、ライフライン・マスコミ協議会の役割が変わりつつある。今では災害時にも、テレビは使える。
ラジオよりむしろワンセグやカーナビの方が役にたっている。岩手宮城内陸地震では、FM局は取材力の問題もあり特番を組ままなかったが、
AM局は緊急放送を実施した。結局、トップの判断が重要になる。被災時のメディア発信の一元化は重要な課題であったが、ディジタル化で取材の役割分担の議論が
止まっている。ディジタル放送では全ての情報を一局から出す必要があり、役割分担がしにくくなっている。
NHKは確実な情報でないと放送しにくいが、民放では、視聴者を信頼して柔軟に放送できるという特徴がある。誰に対するメディアかによって、協働や連携の仕方が異なる。


6.その他のメディアの課題

メディアは、大事件・大事故対応の経験が豊富であるために、巨大災害を甘く見ているところがある。結局、メディア内は、大災害でも「なんとかなるやろう!」という
気分になっている。神戸の経験者もが、当時の発言とは異なり、15年で元に戻っている。大震災を経験した記者にとっての一日前プロジェクトは何か?、との問いに対して、
今は、月に一回、震災を思い出すための減災ページを作っているが、同様の備えのためのページを作っていれば良かったと思う、との発言があった。とはいえ、
15年周年が終わったときにこのページを残せるかどうかが課題になっているとのこと。大災害時の被災地内へ(から)の発信に関しては大メディアでは対応が困難になりそうであり、被災地が行政・マスコミから取り残される可能性がある。きめ細やかな取材については、NPOや市民メディアの力が重要になってくる。
災害時のヘリの問題について、飛行高度の制限やサイレントタイムの設定については課題が多い。今は、行政のヘリが急増しているようである。
また、放送局と新聞のヘリでは、ヘリの性能や、カメラの振動制御性能の差などがあり、新聞のヘリは十分な高度を確保しにくいようである。


7.今後、議論が必要なこと

巨大災害で社会が破たんするのを防ぎ次世代に豊かな社会を受け継ぐことが是非必要である。このために、報道のあり方も考える必要がある。
備えの報道と発災時報道のバランス、地域内への報道、圏域内の報道、全国への報道、世界へ向けた報道などについての議論が必要である。
特に超巨大地震のときの報道については、一部の誇張した報道が日本の信頼を損ね、危機を招く可能性もある。

福和記


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合同シンポジウムに参加して 関口威人・NPO法人レスキューストックヤード

2009-12-24 18:13:27 | 合同シンポ参加リポ
関口威人 NPO法人レスキューストックヤード

今回、私はフリージャーナリスト(本業)兼NPOスタッフ(副業)という2つの立場で参加させてもらいました。
普段はどちらか一方を使い分けて活動しているのですが、両方の肩書きを同時にアピールし、受け入れてもらえる貴重な(恐らく唯一の)機会でした。
「大御所」「ベテラン」と呼ばれる方々のなかで終始恐縮していましたが、分科会などでは私がここに至る経緯、思いから
特に市民メディア的なものの台頭と防災・災害報道について問題提起させていただきました。多くの方に関心はしてもらえたと同時に、
私の考えの甘さも指摘されたような気もいたします。これを叱咤激励と受け止め、さらに前向きに行動していこうと思った次第です。
関係者の皆さまに、この場を借りて深く感謝申し上げます。

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第3回に初参加して  護雅史・名古屋大学大学院環境研究学科

2009-12-24 18:13:16 | 合同シンポ参加リポ
第3回の会合でしたが、私は初参加でした。第1部は、宮城から「仙台メディア防災勉強会」、静岡から「しずおか防災コンソーシアム」、
東海から「マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会<通称:NSL>」、そして関西から、「減災勉強会 愛称:関西なまずの会」と
地域で然発生的に生まれた「減災勉強会」の活動紹介がありました。

第2部では、五十嵐さんのご紹介のとおり、4つの分科会に分かれてディスカッションを行い、最後に分科会報告と総合討論を行いました。
その後、関西大学内のレストランで懇親会が開催され、お互いに懇親を深めるとともに情報交換を行いました。



NSL以外の勉強会はまだ若く、勢いや熱い思いが伝わってきました。NSLもこの勢いに負けないよう、かといってあせらずに無理をせず
継続していければと思いました。ありきたりの言葉ですが「継続は力なり」です。
どの地域にも熱い思いの人がいて、お互いに切磋琢磨し合える関係であることが大切だと思います。

分科会では、要領も得ないまま「メディアと市民・企業」の分科会のパネラーとして参加しました。ボランティアとメディアの関係、
世界に向けた情報発信のあり方など、短時間ではありましたが密度の濃い議論がなされたように思います。

今回、初めて参加しましたが、とても有意義な時間でした。

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分科会 メディアと専門家を聴いて 池田政人・名古屋大学大学院 福和研究室1年

2009-12-24 18:08:45 | 合同シンポ参加リポ
第3回 防災・減災と報道の役割~社会安全と報道~
「メディア&研究者&行政担当者らによる合同勉強会の試み」
についてご報告致します。

共催)学校法人関西大学、文部科学省科学研究費補助金(基盤研究<S>)研究グループ
日時)2009年12月19日(土)午前10時~午後6時
場所)大阪市吹田市山手町3丁目3番35号
   関西大学・千里山キャンパス(尚文館マルチメディアAV大教室ほか)

日程
10:00 開会挨拶 関西大学 上原洋允理事長
           関西大学 河田惠昭教授
10:10 各グループからの活動紹介
13:40 分科会
15:30 4つの分科会からの報告
16:30 全体討論会
18:00 懇親会

参加者
「仙台メディア防災勉強会」(世話人:今村文彦・東北大院教授)
「しずおか防災コンソーシアム」(世話人:岩田孝仁・静岡県危機報道監)
「マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会<通称:NSL>」(世話人:福和伸夫・名大院教授)
「減災勉強会 愛称:関西なまずの会」(世話人:矢守克也・京大防災研究所教授)
ほか自治体防災担当者、災害ボランティアら

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団体の紹介

「仙台メディア防災勉強会」 拠点:仙台市
 平成20年4月、宮城県中越沖地震の30周年を迎えるにあたり、メディアを集め、
防災・減災、過去の実態と教訓に関する基礎的な事項から現在の様々なテーマについての勉強を行う目的で発足。
構成は仙台市・宮城県内のメディアと大学教員、年間4、5回のペースで、
話題提供と質疑、ディスカッションを行っている。

「しずおか防災コンソーシアム」 拠点:静岡市
 平成20年12月に静岡県知事と静岡大学など県内6大学の学長との間に県内における防災教育・研究の振興、防災対策の発展に向けて、防災に関する協定を締結した、
この協定を核とし、新たに地方気象台、県内主要メディアを加えた「しずおか防災コンソーシアム」を平成21年4月に立ち上げ、静岡県地震防災センター等を活用して、
防災に関わる研究者や専門家の多面的交流、県民への防災情報の発信、人材の育成などに取り組んでいる。

「マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会<通称:NSL> NSL(Network for Saving Lives)」拠点:名古屋市
 懇話会の構成員は、東海地方および周辺の報道機関の記者、行政の防災担当者、大学の地震科学関連の研究者。
NSLは、報道関係者、防災行政担当者、大学研究者が、地震をはじめとする自然災害軽減のための知識や問題意識を平時から共有し、災害発生前および発生後に適切な情報発信が
行えるようにすることが重要であり、そのためのネットワークを日頃から作ることを目的に、2001年4月、名古屋において設立された。
現在までに66回を数える例会(勉強会)をはじめ、現地視察の合宿や新人1日勉強会を続けている。

「減災勉強会 愛称:関西なまずの会」 拠点:大阪市
 会の構成員は、京阪神地区および周辺の報道機関の記者、大学の地震研究者、行政の防災担当者。
阪神・淡路大震災を経験し、減災に向けた取り組みをより効果的に進めていくために、研究者や関係機関と報道機関が連携することが
大切だと考え、2008年5月に設立。
12人の世話人が中心となって、これまで8回の勉強会を開催。
若い記者たちを含め平均20~30人程度が参加している。
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分科会
メディアと専門家

隈本邦彦(進行役) 研究者(江戸川大学)                 テーマ
里村幹夫(進行サブ)研究者(静岡大学)           ・専門家からメディアに求めるもの
梅田康弘      研究者(産業総合研究所)        ・メディアから専門家に求めるもの 
金田義行      研究者(JAMSTEC)            ・研究成果の発信を通じた防災減災への貢献 
牛山素行      研究者(静岡大学)           ・メディアのリテラシー向上
木村玲欧      研究者(富士常葉大学)
芝庸夫       メディア(愛媛あいテレビ)
川西勝   メディア(読売新聞)
野田武   メディア(毎日新聞)
松波啓三   メディア(中部日本放送)

メディアと研究者との対立軸のはっきりとした討論会であった。

研究者にとってみれば、研究は死活問題であり、生きていくうえで必須のことである。
そのため、一般市民を対象とした、メディアを通じた発表を行う機会、余裕はほとんどない。
研究者として生きていくためには、メディアに露出することは意味のないことである。
若い研究者は、40歳までは研究に必死になり、専門分野での結果を上げてから、情報発信に力を入れるべきである。
メディア露出を考えるなら、学会で認知されるようになってからが妥当である。
という意見があった。

それに対して、メディア側としては、
研究者の有する情報への対応について、
どこで、誰に聞けば、一番信頼の得られる情報が聞けるか。
専門知識の取得方法が詳しくわかっていない。
という意見があった。

メディアの不勉強と、研究者の情報発信能力の足りなさが問題となる。
しかし、研究者は学会でも発表し、本も出版することで、十分な情報発信をしていると主張する。
情報発信をしているのは確かであるが、災害情報に興味のない一般市民には容易には届かない。
これには、一般市民の科学知識取得方法と研究者の科学知識提供方法の違いがある。
一般市民はテレビや新聞などの一般的に利用可能なメディアを用いて情報を収集するのに対し、
研究者は講演会や学会など、不特定多数ではない専門分野に関わる人が集まる場所での情報提供することが多い。
この違いが隔たりを大きくする。

世の中の理科離れも、問題である。
メディアが伝えるのは表層的な科学知識であり、その知識の形成過程にまで踏み込むことができない。
そのため、不正確な情報、誤った情報をメディアが報道してしまうことが多い。
また、不確かな情報でも、あたかも確実なことのように伝えることもある。

ここから、一般市民と研究者との理解の違いが発生してしまう。
例えば、一般市民は、メディアも含め、兵庫県南部地震発生当時、関西では地震が来ないとの考えから、和歌山での群発地震、または東海地震と勘違いしていた。
しかし、研究者にしてみれば、六甲山脈の存在から地震が起きるのは当然のことであり、学会でも発表されている。
また、一般市民の地震予知に対しては、直前予知を考えるが、研究者としては、長期予知を前提としている。
この違いを埋めるために、科学コミュニケーションが必要となる。
そのために、メディアの大量媒体である特徴を活かし、
市民に働きかけると同時に、行政、教育にも知識を盛り込まなければならない。
特に興味のない人間にまで、情報を伝えるのがメディアに必要であり、
啓発を進めるための手段を尽くさなければならない。

最後は、科学者は神ではない、メディアは悪ではない、
お互い人間、協力して伝えなければならない、という結論で討論は終わった。
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所感

結局のところ、メディアと研究者とが如何に啓発を進め、その手法を検討しようとも、その最終的な受け手となる
一般市民の意識が改善されなければならない。
自分の命は自分で守る。
その心がけが重要であって、一人ひとりの意識改革のために、研究者とメディアとがその一助になればよいと考える。
市民がだめだから、地震防災も進まない。
災害対策が進まないのは、研究者、メディア、行政の責任というよりも、市民自身が責任を負うところが大きい。

なかなか、具体的な対策を立てることは難しいことであるが、抽象的な内容に留まっていた気がする。
意見をぶつけ合っても、そこからどうすれば良いかということが容易には見えてこない問題であるため、対策が立て難い。

しかし、解決策が見えなくても、問題意識があるのとないのとでは、現実を見据える能力が大きく異なるので、
研究者とメディアとが、問題として取り上げることが多くなれば、日本の地震に対する脆弱性も少しづつ改善されると信じている。
問題意識を持つ人間が増えることが、重要であると感じた。
本会に集まった人のように、問題意識を持っている団体がまだ三大都市圏に集中していると考えられる。
そのような団体が支部の形を取るか、独立した形を取るかわからないが、地方にも分散することで、
快方に向かうと考えられる。

少しでも、研究者の保有している情報をメディアが敏感に反応し、情報を共有することによって、一般市民にも伝わるようになるのではないか。
そのためには、研究者とメディアとがすり寄ることが必要であるが、
それそれの知識の質の違いから、簡単には交流が図れないことが問題である。
問題解決のためには、メディアは研究者に追いつくことは困難であるが、NSLに代表される勉強会を通して、少しでも近づく努力をする必要がある。
そこから、勉強を重ね、研究者の知識を共有することで、一般市民にも知識が伝わる環境を整えることができる。
ただ、この過程では、研究者に権力が集中してしまう懸念があるので、常に客観的な判断のできる監査役を設け、
平等な立場を維持する必要があるだろう。

最後に、公式の場では建前上、あまり言えない様な内容に関しても、懇親会によって、気持ち、そして口が軽くなり、何でも話せるようになる。
そちらの方が、本音で話せ、本質における議論ができる。
お酒も悪いものではない。

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