徒然日誌

映画、演劇の感想はおそらく例外なくネタばれ注意!です。

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64-蝉しぐれ

2005-10-26 | 映画2005
時代劇ということで、どうしようかなーと迷いながらも、時間、場所的にちょうどよかったので、「蝉しぐれ」に行ってきた。
会社の大先輩(50代女性)がこれより「NANA」の方がよかった!とのたまったので、どんなもんかと思ったけど、いやいや、これがなかなかよかったのさ。こういうの、結構好きかもねー。なんか一人でうるうるしてた(苦笑)。特に子役時代がよかったなー。あの折り目正しき青年が(笑)。演技はあんまりうまいとはいえん気もするが、なんか雰囲気がねー。ふくの子供時代はなんだかおしんみたいだったねー。

時は江戸時代。東北の小藩「海坂藩」の下級武士である義父のもとで成長する牧文四郎は15歳。父・助左衛門を尊敬し、いつか父のようになりたいと思っていた。隣家のふくにほのかな恋心を抱きつつ、逸平、与之助とともに剣や学問に励んでいた。
あるとき、父の助左衛門が殿のお世継ぎ問題に絡んで切腹する。処分がいい渡される前日、文四郎は父と面会を許されるが、言いたいことがたくさんあったのに何一つ伝えることができず、悔やむ。そして、罪人の子として辛い日々が始まる。そんな中、ふくは江戸に奉公へ出ることになる。殿の屋敷の奥へ勤めることになったのだ。出発の前日、文四郎に会いたくてふくは文四郎に会いに行くが不在で会うことができず。帰ってきた文四郎は母に聞いてふくを追うが、結局二人はそのまま会うことができなかった。
数年後、文四郎は筆頭家老の里村に牧家の名誉回復を言い渡され、仕事を与えられる。その頃、学問を修めに江戸に行っていた与之助が戻ってきた。与之助の話に寄れば、ふくは殿の側室となり派閥争いに巻き込まれ、流産したという。しばらくして、ふくが内密に国元の欅御殿に戻ってきて殿の御子を生んだという話を聞いた。筆頭家老の里村はふくの子供をさらってくるよう文四郎に命じる。この里村が父助左衛門を切腹に追い込んだ張本人なのだ。そして、またしても。今度は文四郎に脅しをかけてきた。そして、文四郎は…。
と、まあ、こんな内容なんだけど。

父親が切腹を言い渡される前に文四郎は父親と話しをするのだけど、何も話すことができず。別れてから、何よりも今まで育ててくれたことを感謝すればよかったと友人に泣きながら後悔していることを話すそのシーンが一番泣けた。最近、友人の父親が亡くなったと聞いたばかりだからかもしれない。なんだか無性に哀しくなった。死にゆく父親に、私は今まで育ててくれてありがとうといえるだろうか?母親のことは心配ないと言えるだろうか?多分、文四郎と同じで何も言葉が出てこなかったに違いない。切腹した父親の遺体の確認はかなり辛いだろう。切腹って介添えで首を落とすんだよね?あの布の中はそういう状態だったんだろうか?大八車で遺体を運ぶのもかなり辛そうだった。あの坂道は本当にキツイだろうね。坂道に負けそうになりながらも必死に歯を食いしばる文四郎に、心の中で頑張れ!って叫んでた。ふくが見えたときは、文四郎の葛藤が聞こえてくるようだった。疑問といえば、矢田夫人は御主人を大八車で運んだんだろうか?家までは平坦な道のりだったんだろうか?と全然関係ないながら、心配になった。
あの折り目正しき青年が市川染五郎になっちゃうのか?とちとがっかりだけど(苦笑)。というのも、なんだか軽そうぢゃん?イメージが。折り目正しさがなくなっちゃいそうでなんかなーって思ったけど、あの軽さも意外と悪くなかった。てか、ふかわりょうと今田耕司が出てきたときはぶっとんだ。あちゃ、お笑いばっかかよっ!って(苦笑)。てか、二人ともってのがなんだかねー。ふかわさんはまだしも、今田さんはなんだか出てるだけでギャグっぽくて。いや、この言い方は甚だ失礼か(苦笑)。
あのおしんっぽいふくが木村佳乃に変わるってのもなー。急に社交的になった感じ?ま、殿の側室ともなれば偉くなるのもわかるけど、あのはにかみやさんが性格一変してるもんねー。どうなのさー、それって?と思った。
文四郎がふくを守るために初めて人を切るシーンとかがすごいと思った。人を切るとびっくりするよねー、やっぱり。逸平のビビリ方もよかった。どっちも死ななくてよかったよー。与之助も協力してたけど、あんな風にうまくはいかんやろー。ちょい御都合主義気味だなー。
なんにしても、二人とも助かってよかった!結構ハラハラドキドキもんだった。
最後に会ったとき、あの死闘からどれくらい経ってたのかわかんないけど、文四郎にも子供ができていて。
最後の最後までお互いに大切に思っていたのが伝わってきたのがなんだか嬉しかった。意外とこういう純愛ものが好きなのだ(笑)。20年思い続けるってすごいことだよね。まして、報われないことがわかってるのに。二人には結ばれて欲しかったなーとしみじみ思った。文四郎が最後まで折り目正しき青年でなんだかよかった。

蝉しぐれ。いかにも東宝的な映画やなーって思ったけど(笑)。藤沢周平氏の著作は未だ読んだことがないが、非常に共感している自分がいた。結構思い入れを持って読めるかもしれないと思った。
なかなかよい映画だった。


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6 コメント

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こんにちは (toe)
2005-11-07 00:07:03
コメント&TBありがとうございました。



お染さん、良かったですよね。

殺陣のシーンなど、かなり良かったです。

が、私には、ちょっとお笑い組がダメでした。



ストーリーは良かったので、私も原作読んでみたいです。
どうもです。 (sachi@管理人)
2005-11-08 00:42:59
toeさん、いらっしゃい。

染五郎さん、意外とよかったですね。

やっぱり伝統芸能をされているだけあって、身のこなしが時代劇になじんでました。

私もお笑い組みっていうか、今田さんがダメでした。先入観かなー?(苦笑)



コメント、ありがとうございますっ!



トラックバック&コメントありがとうございます (まつさん)
2005-11-11 06:31:59
日本人でよっかたな、と再び思わせてくれた作品でして・・・とくに終盤の二人の対話はここ何年かでは一番「邦画の良さ」が出た場面のように思いました。語らずとも伝わる真意、それと裏腹な会話(言葉)。まさに「わびさび」。

直球と揶揄されようとも「ええもんはええ」ということで素直に感動した次第であります。
日本人 (sachi@管理人)
2005-11-13 19:48:04
まつさん、こんばんは。

日本人はわびさびですよね!私もこの映画には、日本人のよいところがうまく表現されているなと感じました。

こういう映画を見つけると、なんだか嬉しくなっちゃいますね。



コメント、ありがとうございました♪
私も気に入ってます (chishi)
2005-11-20 22:50:51
いい作品でしたよね。

しみじみと感じ入って

ホロホロと泣いてしまいました。

sachiさんはNANA、ご覧になったんですか?

NANAと比べたら、どちらがお好みなのでしょう(笑)
NANA (sachi@管理人)
2005-11-20 23:44:25
chishiさん、いらっしゃい。

そうそう、大先輩(笑)が「NANA」がいいっていってたし、どなたかのブログでそれもあながち間違いじゃないってコメントをいただいていたので、どうしようかなーって迷い中です…って、今週で終わっちゃうんですけど(苦笑)。

行くとしたら23日だけど、この日はあれとあれが見たいしな…って(笑)。

chishiさんはいかがでしたか?



コメント、ありがとね。





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