以下は産経新聞(2009.11.23 18:00)よりコピペ
今週の名言は、自民党の伊吹文明元幹事長が語ったこの言葉。
「公の場で、悪代官をみんなで懲らしめる絵を作ろうとした知恵者は、大したものだ」
19日に伊吹派総会で、普段は辛口の伊吹氏が褒めているのが、最近話題の「仕分け」だ。
政府の行政刷新会議が実施している予算の無駄を仕分ける作業は「主語は誰ですか、主語は」「天下りは何人いますか」と迫る蓮舫議員の厳しい表情でも注目されている。
伊吹氏はもちろん、この後に、こんな苦言を付け加えている。
「しかし、民主党だけの価値観で無駄か無駄でないかと言うのは乱暴だ」
「仕分け」には、さまざまな評価があるが、伊吹氏の冒頭の言葉には、仕分けの「3つのポイント」が含まれているから見逃せない。
第1は「公の場で絵を作る」という部分だ。
仕分けは、ニュースやWEB上のライブ中継が人気だが、この「公の場で絵を作る」すごさがいかんなく発揮されている。
反対語を考えてみれば分かる。「公の場で」⇔「秘密の場で」、「絵を作る」⇔「見せない」。対義語は「秘密にして見せない予算編成」だ。
予算編成という、これまで秘密(?)にしてみせなかった部分を、表に出して見せたことが最大のポイントだ。
「今までは、秘密で予算を作っていたから、無駄ばかりがあった。白日の下で予算を決めれば、無駄は少なくなる」というイメージを振りまいたことは、仕分けの最大の勝利だろう。
第2に、伊吹氏が指摘しているのは「悪代官を懲らしめる」という下りだ。
芝居のようだといわれる仕分けだが、ただの芝居ではなく、悪代官を設定しているところが大事だ。
かつてある知事から聞いた。「一つ一つ予算を切ろうとすると、猛反発を受けて知事が逆に悪者になる」
一つの予算を焦点にしてしまうと、反対論が盛り上がる。そこには利害関係者がたくさんいるから、その人たちに連日押しかけられると、査定者は孤独になる。敵を作りたくない政治家は予算は切れない。
だが、相手が悪代官なら、予算は切りやすい。財務省振り付けと言われるが、どれだけ相手を悪代官にできるかの戦いだ。
そして、第3に伊吹氏のセリフで面白いのは、「知恵者は大したものだ」というセリフだ。仕分け自体よりも、こうした知恵を考えついたことが偉かったという意味だろう。自民党幹部の中には「自民党政権でもやればよかった」という声があるほど、政治手法として大当たりしている。
伊吹氏のセリフが教えてくれる仕分けの3つの側面をもう一度考えてみよう。
悪代官を設定して、公の場で相手を批判。そして相手を叩き潰して、世論の快哉(かいさい)を得ると、それを原動力に、次の予算削減を実施する。これを一つの知恵として繰り返す手法…。
答えは簡単だ。こうした手法をやってきたのは、あの小泉政権だ。
「わけの分からないことは、小泉政権では一切認めない」。自民党の中に悪代官を設定して、人々の歓心を引いた改革路線。あそこで展開された行政手法が、いま霞が関を席巻しようとしている。
民主党はどういう政権なのだろう。政権発足から2カ月が過ぎたが、「小泉改革で疲弊した地方を復活させる」「国民の生活が第一」。民主党は「アンチ自民党」と「アンチ小泉」を微妙に重ね合わせながら、政権を奪取した。
だが、仕分けから見えてくる民主党の本質は、小泉政権以上の構造改革政権だということだ。(金子聡)
◇…先週の永田町語録…◇
(16日)
▽信頼ますます
鳩山由紀夫首相 日米関係はその時々でさまざまな問題がある。しかし、少なくともオバマ米大統領と私との信頼関係はますます高まってきたなと考えている。(日米関係について記者団に)
▽日教組の親分
大島理森自民党幹事長 民主党の小沢一郎幹事長の最側近である輿石東参院議員会長は日教組の親分だ。日教組が民主党の教育政策に影響する可能性がある。(山形市での党員対話集会で)
(17日)
▽民生支援を
鳩山由紀夫首相 アフガニスタンで大きな民生支援を行っていきたいが、極力安全なところで支援が行われるよう最大限の配慮をしなければならない。(アフガン支援について記者団に)
▽疑惑隠し
田野瀬良太郎自民党総務会長 民主党は首相の偽装献金問題拡大を恐れている。非常に無理な国会運営をしようとしているのは、疑惑隠し以外に考えられない。(会期延長に消極的な民主党の姿勢について記者会見で)
(18日)
▽国民が関心
鳩山由紀夫首相 国民が大変関心を持っている。予算に無駄があるか。無駄があれば削り、自分たちの税金を貴重に使ってくれと。そんな思いだと理解している。(行政刷新会議の事業仕分けについて記者団に)
▽複雑な思い
大島理森自民党幹事長 「鳩山総理万歳」と言う時、非常に複雑な思いがした。「公共事業は地域事情を反映しろ」「子ども手当は全額国庫負担だ」。これらをちゃんとやってくれるだろうと思い、万歳した。(全国町村長大会であいさつ)
(19日)
▽勉強したい
鳩山由紀夫首相 官邸の中にいて民意が聞こえなくなってもいけない。常に耳をそばだてていかなきゃいけない。国民の心をいろんな角度から勉強させてもらいたいと思います。(現場視察の必要性について記者団に)
▽大したもの
伊吹文明元自民党幹事長 公の場で悪代官をみんなで懲らしめる絵を作ろうとした知恵者は大したものだ。しかし、民主党だけの価値観で無駄か無駄でないかと言うのは乱暴だ。(伊吹派総会で政府の事業仕分けについて)
今週の名言は、自民党の伊吹文明元幹事長が語ったこの言葉。
「公の場で、悪代官をみんなで懲らしめる絵を作ろうとした知恵者は、大したものだ」
19日に伊吹派総会で、普段は辛口の伊吹氏が褒めているのが、最近話題の「仕分け」だ。
政府の行政刷新会議が実施している予算の無駄を仕分ける作業は「主語は誰ですか、主語は」「天下りは何人いますか」と迫る蓮舫議員の厳しい表情でも注目されている。
伊吹氏はもちろん、この後に、こんな苦言を付け加えている。
「しかし、民主党だけの価値観で無駄か無駄でないかと言うのは乱暴だ」
「仕分け」には、さまざまな評価があるが、伊吹氏の冒頭の言葉には、仕分けの「3つのポイント」が含まれているから見逃せない。
第1は「公の場で絵を作る」という部分だ。
仕分けは、ニュースやWEB上のライブ中継が人気だが、この「公の場で絵を作る」すごさがいかんなく発揮されている。
反対語を考えてみれば分かる。「公の場で」⇔「秘密の場で」、「絵を作る」⇔「見せない」。対義語は「秘密にして見せない予算編成」だ。
予算編成という、これまで秘密(?)にしてみせなかった部分を、表に出して見せたことが最大のポイントだ。
「今までは、秘密で予算を作っていたから、無駄ばかりがあった。白日の下で予算を決めれば、無駄は少なくなる」というイメージを振りまいたことは、仕分けの最大の勝利だろう。
第2に、伊吹氏が指摘しているのは「悪代官を懲らしめる」という下りだ。
芝居のようだといわれる仕分けだが、ただの芝居ではなく、悪代官を設定しているところが大事だ。
かつてある知事から聞いた。「一つ一つ予算を切ろうとすると、猛反発を受けて知事が逆に悪者になる」
一つの予算を焦点にしてしまうと、反対論が盛り上がる。そこには利害関係者がたくさんいるから、その人たちに連日押しかけられると、査定者は孤独になる。敵を作りたくない政治家は予算は切れない。
だが、相手が悪代官なら、予算は切りやすい。財務省振り付けと言われるが、どれだけ相手を悪代官にできるかの戦いだ。
そして、第3に伊吹氏のセリフで面白いのは、「知恵者は大したものだ」というセリフだ。仕分け自体よりも、こうした知恵を考えついたことが偉かったという意味だろう。自民党幹部の中には「自民党政権でもやればよかった」という声があるほど、政治手法として大当たりしている。
伊吹氏のセリフが教えてくれる仕分けの3つの側面をもう一度考えてみよう。
悪代官を設定して、公の場で相手を批判。そして相手を叩き潰して、世論の快哉(かいさい)を得ると、それを原動力に、次の予算削減を実施する。これを一つの知恵として繰り返す手法…。
答えは簡単だ。こうした手法をやってきたのは、あの小泉政権だ。
「わけの分からないことは、小泉政権では一切認めない」。自民党の中に悪代官を設定して、人々の歓心を引いた改革路線。あそこで展開された行政手法が、いま霞が関を席巻しようとしている。
民主党はどういう政権なのだろう。政権発足から2カ月が過ぎたが、「小泉改革で疲弊した地方を復活させる」「国民の生活が第一」。民主党は「アンチ自民党」と「アンチ小泉」を微妙に重ね合わせながら、政権を奪取した。
だが、仕分けから見えてくる民主党の本質は、小泉政権以上の構造改革政権だということだ。(金子聡)
◇…先週の永田町語録…◇
(16日)
▽信頼ますます
鳩山由紀夫首相 日米関係はその時々でさまざまな問題がある。しかし、少なくともオバマ米大統領と私との信頼関係はますます高まってきたなと考えている。(日米関係について記者団に)
▽日教組の親分
大島理森自民党幹事長 民主党の小沢一郎幹事長の最側近である輿石東参院議員会長は日教組の親分だ。日教組が民主党の教育政策に影響する可能性がある。(山形市での党員対話集会で)
(17日)
▽民生支援を
鳩山由紀夫首相 アフガニスタンで大きな民生支援を行っていきたいが、極力安全なところで支援が行われるよう最大限の配慮をしなければならない。(アフガン支援について記者団に)
▽疑惑隠し
田野瀬良太郎自民党総務会長 民主党は首相の偽装献金問題拡大を恐れている。非常に無理な国会運営をしようとしているのは、疑惑隠し以外に考えられない。(会期延長に消極的な民主党の姿勢について記者会見で)
(18日)
▽国民が関心
鳩山由紀夫首相 国民が大変関心を持っている。予算に無駄があるか。無駄があれば削り、自分たちの税金を貴重に使ってくれと。そんな思いだと理解している。(行政刷新会議の事業仕分けについて記者団に)
▽複雑な思い
大島理森自民党幹事長 「鳩山総理万歳」と言う時、非常に複雑な思いがした。「公共事業は地域事情を反映しろ」「子ども手当は全額国庫負担だ」。これらをちゃんとやってくれるだろうと思い、万歳した。(全国町村長大会であいさつ)
(19日)
▽勉強したい
鳩山由紀夫首相 官邸の中にいて民意が聞こえなくなってもいけない。常に耳をそばだてていかなきゃいけない。国民の心をいろんな角度から勉強させてもらいたいと思います。(現場視察の必要性について記者団に)
▽大したもの
伊吹文明元自民党幹事長 公の場で悪代官をみんなで懲らしめる絵を作ろうとした知恵者は大したものだ。しかし、民主党だけの価値観で無駄か無駄でないかと言うのは乱暴だ。(伊吹派総会で政府の事業仕分けについて)









