映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

リンカーン

2013-05-18 | 映画 ら行
楽しみにしていたスピルバーグ監督による「リンカーン」。
早く見たいと思いながら、連休中にも時間が取れず、休み明けにようやく鑑賞。
早くいかないと終わっちゃうんじゃない?と危惧しつつ、
公開から随分経っていたので席は空いているんじゃないかな〜?と映画館に足を運びましたが、
意外にもほぼ満席だったのでした。

アメリカの歴史ってざっくりしか知らなくて…本作に登場する人物について知識があれば
もっと楽しめただろうなと残念です。
アメリカ人は自国の歴史のハイライト、最も人気の高い大統領のストーリーってことで
予備知識はバッチリでしょうから、評価は高いでしょうね。



   ***********************

         リ ン カ ー ン

   ***********************


 < ストーリー >
リンカーンが大統領に再選された1865年、南北戦争は4年目に突入した。
奴隷制度を葬り去る合衆国憲法修正第13条を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという
強い決意を持つリンカーン。憲法修正には議席の3分の2の票が必要であるが20票足りない。
そこで票を獲得するための議会工作に乗り出すリンカーン。
果たして20票を集め、修正第13条を可決することができるのか?

          

声をかくす人」「リンカーン/秘密の書」とリンカーンや南北戦争がらみの映画が続いた後、
いよいよリンカーンの実像に迫るという本作が、ダニエル・デイ=ルイスのアカデミー主演男優賞受賞
というおまけ…いえ、金看板付きで満を持しての公開でした。

伝記や歴史の授業で学んだリンカーンって、有名な演説と共に非の打ちどころのない立志伝中人、
その上、戦争終結直後に劇場で暗殺され非業の死を遂げた偉人という揺るぎないイメージがあって、
人となりや家庭人としての姿が想像できない感じ。
本作では息子の従軍を巡って、妻メアリーとの葛藤も描かれます。

妻メアリーを演じるサリー・フィールド

そもそも、南北戦争が起こった理由って何だったのでしょう?
一般的には「奴隷解放をめぐる南北の対立」という人道的美談色が強いけれど…本当にそうなのかな?
勿論、奴隷解放も一つの要因ではあるでしょうが、そのためだけに62万人もの犠牲者を出すまでの
激しい戦いをするでしょうか? 
やはり自由貿易か保護貿易かという南北の産業構造の違いによる対立(TPPの議論と被る?)と
南部連合の独立による国家分裂の危機というのが一番大きな原因なのでしょうね。
 
      

本作では合衆国憲法修正第13条(公式に奴隷制を廃止し、奴隷制の禁止を継続すること)に
焦点を当てているので、どうしても奴隷解放こそが南北戦争の主因という印象を与えてしまいます。
そこにちょっと異議をはさみたくなりました。
それというのも先日NHKで放映された「オリバー・ストーンが語る もう一つのアメリカ史」の
第2回「ルーズベルト、トルーマン、ウォレス」第3回「原爆投下」を見たからです。
「原爆投下」の真の目的はスターリン率いるソ連への牽制だったという事実。
よく言われる「戦争を早期に終結させ多くの命を救う為」だったという理由が表向きという
ことはわかっていたけれど、正式な戦争終結前に連合国同士の間で アメリカ ソ連 の
前哨戦として、ソ連にアメリカの核兵器の威力を見せるために原爆が投下されたというのは
少なからずショックでした。(はい、私はナイーブです)
トルーマンでなくウォレスが大統領になっていれば・・・。
自明の事ではありますが、歴史はその時の為政者の都合で書き換えられるということを
再確認しました。遠い過去のことではなく自分が生まれるちょっと前のことなのに・・・。
そんなショックを引きずっていたので、62万人もの人が犠牲となった南北戦争の歴史も
何が本当なのかしら?と考えこんでなかなか筆が進まなかったのです。
(見てから10日も経ってしまいました。)

とは言いつつも、見応えのある映画でした。
本作のハイライトはリンカーン派の議会工作と下院での票決です。手に汗握ります
賛成・反対の狭間で揺れる議員たち。「裏切り者!」の罵声と対立側の拍手。
「3分の2」と「過半数」って大きな違いがありますよね。
今まさに日本の国会も憲法96条を「3分の2」から「過半数」の改正で揺れています。
「3分の2」という数字は党を超えての賛同がなければ成立しないですものね。
過半数だと、党議拘束をかければ与党で可決しちゃいますよね。


1865年1月31日の採決で119対56で13条は可決され、順次各州が批准しましたが、
最終的にケンタッキー州が批准したのが1976年、ミシシッピー州に至っては1995年って!
リンカーンが可決の為に行った秘策以上にビックリな事実です。
アメリカって・・・不思議な国です。

共和党と民主党の支持基盤が今とは逆になっているのも不思議です。いつからよ?



「スター・ゲイト」のジェームス・スペイダーが共和党議員役で出演していたことに全く気付きませんでした。
TVドラマ「ボストン・リーガル」ですっかり太ってしまっているのは知っていたけれど、
全く気付かないほどっ・・・




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2 コメント

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Unknown (セレンディピティ)
2013-05-20 01:20:37
こんばんは。
TB、ありがとうございました。
「リンカーン」、見応えのある作品でしたね。

日本の無条件降伏があと一週間遅かったら、ひょっとしてドイツみたいに国内が分断されていたかもしれない、と思うとぞっとします。だからと言って原爆は決して許されるものではないし、そもそも戦争なんてしなければよかった、という話ですが…。
「リンカーン」を見ても、歴史ってきわどいぎりぎりのところで動いているんだな…と実感しました。結果がわかっていてもスリリングでしたね。
Unknown (セレンさんへ(ryoko))
2013-05-24 23:35:37
こんばんは。
政治の駆け引きを描く重厚な作品でした。
教科書で習う表向きの歴史、
小説や本で読む知られざる歴史。
立場が違えば見方も変わるし・・・。
真実って・・・なんなんだろう?と悩んでしまいます。
だからこそ、面白い!ですね〜。

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