映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

フロスト×ニクソン

2009-04-12 | 映画 は行
久々の映画館
初めて「ららぽーと横浜」内にあるTOHOシネマズ横浜へ。
何故わざわざJR鴨居駅下車でららぽーとまで足を運んだかというと・・・、
本作「フロスト×ニクソン」が見たかったからなんです。
アカデミー賞にもノミネートされた話題作にもかかわらず、何故か神奈川県では川崎のチネチッタと2館のみの公開。
チネチッタは夕方以降のみ、ららぽーとも昼間は12:50からの一回のみ。後は夕方と夜の2回。
こういう政治ものは集客が難しいってことなのでしょうか?

どうせそこまで行くなら2本見ちゃえー!ってことで、もう1本は「ザ・バンク」
こちらも重厚な社会派ドラマです。
「ザ・バンク」が体を張った命がけの銃撃戦なら、
「フロスト×ニクソン」は知力を駆使し社会的な存在を賭けた心理戦。
「ザ・バンク」終了後10分、ホットドッグでお腹を満たして本作へ。
見応えた~っぷり!


************************

    フロスト × ニクソン   FROST × NIXON

************************

ウォーターゲート事件の責任をとってニクソン大統領が辞任したのは1974年。
いやぁ~、盗聴事件で大統領が止めるって大変な騒ぎだったけれど、
当時の私はノンポリ以前、何だか大変なことが起ったてことぐらいでよくわかっておりませんでした。
ましてや、辞任後英国人テレビ司会者による一対一のインタビューがテレビで放映され、
史上最高の視聴率を取っていたなんて知る由もありません。
コメディアンから司会者に転進ってことで軽く扱われているけれど、
ニクソンが辞任後ホワイトハウスからヘリに乗り込む光景を世界中で4億人が目撃したと知り
単独インタビューを思いついたフロストって人もただ者じゃぁありません。

「ニクソン大統領」といえば、盗聴スキャンダルで在職中に辞任した唯一の大統領ということで、
ダークなイメージしかなかったので、まずどのような政治家だったのかを知る上で
オリバー・ストーン監督、アンソニー・ホプキンス主演の「ニクソン」を見て、すこしばかり
調べてみました。
        

クエーカー教徒の家庭に育ち、兄と弟を病気で亡くしている。
ハーバートやイエールの奨学金が貰えたにもかかわらず生活費がまかなえず地元の大学に行き、
成績優秀でデューク大学大学院から全額奨学金を得て進学。
下院議員時代には赤狩りで有名なマッカーシーと共に非米活動委員会のメンバーとして名を馳せた。
39歳でアイゼンハワーの副大統領を2期務め、1960年の大統領選挙でケネディーに破れ、
カリフォルニア知事選に敗れた後、数年間政界から離れるも
1968年大統領選挙に勝利し第37代大統領に就任。
ヘンリー・キッシンジャーを補佐官に、
東側との宥和政策を展開し、中国との関係正常化、ベトナムからの完全撤退、環境保護局設置
その他、ドルと金との交換停止宣言など、色々やっておられました。

政治の世界、一寸先は闇とやら。
ウオーターゲート事件の判断ミスがなければ良い意味で歴史に名を残す大統領になれたでしょうに・・・。
キャンダルのイメージが強かったとはいえ、わたくしあまりに知らなさ過ぎました。反省。

ストーン監督の「ニクソン」ではかなり屈折した人で、
ケネディーと比較しては「自分は人から好かれない」と苛立つ姿が描かれていました。
若々しく、見た目も良い(私はカッコいいとは思わんけれど・・・)戦争の英雄(映画まであったし)ケネディーと、
陰気で人好きのしない4歳年上のニクソン。
テレビ討論のビジュアルで負けたと言われ、
以降政治家はスーツやネクタイ、ヘアメイクに気を使うようになったとか。
野球界ならさしずめ「長嶋茂雄氏と野村克哉氏」、「ヒマワリと月見草」ってところでしょうか?

晩年はレーガン大統領時代、影からアメリカ外交を支えられたそうです。
にもかかわらず、通常大統領経験者の死去の際に行われる国葬は行われなかったというのは
ちょっとお気の毒な気がします。

アメリカでは「謝罪をするかどうか」が大きな意味を持つらしく、
あれほどのセックススキャンダルを起こしたにもかかわらず、
クリントンは「不適切な関係」を認め公式に謝罪したということで辞任を免れたようです。
ニクソンも謝っておれば・・・?


 < ストーリー >

1997年、英国の人気トーク番組の司会者デビッド・フロストが、
ウォーターゲート事件で辞職した元米国大統領リチャード・ニクソンにインタビューを申し込む。
フロストはアメリカ進出を、ニクソンは汚名返上と政界復帰を賭けて4回のインタビューに臨むが……。

                  
脚本は「クイーン」や「ラスト・キング・オブ・スコットランド」のピーター・モーガン。
「クイーン」の時も感じたけれど、まるでその現場にいたんじゃないかと思わせるような
臨場感・緊迫感にすっかり引き込まれてしまいます。

しかし、よくまあこんなインタビューを思いついて実行したもんです。
アメリカのジャーナリストこそやるべきだったんじゃないのかなぁ?
3大ネットワークからもスポンサーからも冷たくあしらわれ、
本当はインタビュー対策に集中したかったろうに、金策に奔走するフロスト。
片や破格の出演料を要求し、あわよくば契約金だけもらって企画が流れるかもとほくそ笑むニクソン側。
学生時代から討論会で連続優勝というニクソンにフロストが敵う訳もなく、老獪なニクソンに翻弄される。
映画の4分の3は敗色濃いフロストの焦りと余裕のニクソンを描き、判官びいきの観客としては
フロスト頑張れ!と応援したくなる。ニクソンは完全にイメージ通りの悪役です。
そんな中、最終日の前日にかかるニクソンからの電話というのは実際にはなくフィクションだそうでが、
このシーンが、コンプレックスに悩まされ続けた屈折したニクソンの実像を描いている気がします。

4日目の結末を見て思い出したのは「ア・ヒュー・グッドメン」。
裁判でトム・クルーズの尋問に乗せられた将軍ジャック・ニコルソンが
調子に乗って自ら犯した罪を認めてしまうシーンです。
「力のある自分には法を超えた力が認められる」といった意味の
驚くべき傲満な台詞が口をついて出てしまうのです。

パンフレットで町山智浩氏がニクソンの伝記を書いた英国保守党議員の発言を紹介しておられます。
ニクソンの謝罪を引き出したのはフロストの力量ではなく、
ウェーターゲート裁判や病気で費用のかさんだニクソンの経済的な理由と
「ここで謝罪する機会を逃すと、歴史はあなたを赦さないでしょう」と諭されたからだというのです。
実際のテレビ討論の映像ではどんな雰囲気の結末だったのでしょうか?
前もって謝罪する気持ちがあったというなら、映画の雰囲気とは違ったものだったでしょう。
これ、再放送とかしないのでしょうかね?見てみたいなぁ!

元々は舞台劇。
ロンドンで、そしてブロードウェイで映画と同じ配役で上演され、
インタビューの合間に駆け寄る参謀達がボクシングのセコンドのようだったっていうんだから、
これも見てみたい!
  

マイケル・シーンは「クイーン」のブレア首相に続いて、実在の人物を違和感なく演じられる俳優さん。
凄くは見えないけれど、実は凄~い俳優さんじゃあないでしょうか。
決して本人に似ているわけじゃぁないのにね。

フランク・ランジュラはかつて繊細な二枚目吸血鬼を演っておられたのを思い出しました。
こちらも似ているわけではないのに、全体から醸し出す雰囲気がとってもニクソンしてます。 
    
      ホワイトハウスを去る時のニクソンにそっくり!
             
     眼鏡がミスター・ダーシーのマクファデン。横顔はカッコいいけど・・・

プロデューサーのジョン・バートを演じるマシュー・マクファディンが、
「プライドと偏見」のミスター・ダーシーと同一人物とは驚きました。
「え~、この人がダーシー?」と不満気味に見始めたけれど、途中から主人公のエリザベス共々、
すっかりマシューダーシーに魅せられました。
本作ではそんな魅力を封印?したのか、地味に裏方に徹しておられました。

楽園か荒野かーー人生を賭けた討論バトル!
もっと上映館を増やしてもいいんじゃないのかなぁ~。


*** おまけ ***
フロストのその後




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 ***** 今週 見た 映画 *****

 4月 6日 「ニクソン」DVD オリバー・ストーン監督、アンソニー・ホプキンス主演

 4月 7日 「ザ・バンク THE INTERNATIONAL」@TOHOシネマズららぽーと横浜

        「フロスト×ニクソン」@TOHOシネマズららぽーと横浜 

  
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2 コメント

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コメントありがとうございます。 (晴雨堂ミカエル)
2009-10-08 13:26:50
 かなりのメジャー映画なのに、ホントにカルト映画なみに上映映画館が少なかったですね。
 
 三谷幸喜氏の喜劇では優れた討論劇・論争劇がありますが、あくまで喜劇ですね。論争というものをまだ理解されていません。声がでかくて口数が多くて威圧できる人が勝つ、あるいは自分の土俵から一歩も出ず人の話を無視して持論展開を続ける、まだそんなレベルですから。
 
 フロストとニクソンはボクシングですが、日本の討論番組は子供の喧嘩です。
Unknown (晴雨堂ミカエルさんへ(ryoko))
2009-10-12 23:51:53
コメントありがとうございます。
公開館が少なく、この映画のために遠出しました。
カメラの前で1対1の真剣勝負、カメラの向こうには多くの視聴者の目が一挙手一投足を見つめている。双方が政治家生命、キャスター生命賭けてますから緊迫感が違いますねぇ。
この放送をライブで見たかったですねぇ。

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