のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

マスコミ禍

2009年11月15日 00時21分38秒 | Weblog
10月26日、女優の覚せい剤事件の裁判が東京地裁であったようですね。

20席に6615人が集まったそうです。

同日の朝日新聞夕刊一面に

「倍率330倍は過去最高!」

などという記事が載ったそうです。

読売新聞も社会面に同様の記事を載せたとのこと。

毎日新聞は、ちょっと正直に

「マスコミのアルバイトで列に並んでいた人もいた」と報告してたそうな…

しかし、実態は、

「並んでいた人もいた」どころではなかったらしいですな。

「傍聴希望者」のほとんどは、

メディアが傍聴券を手に入れるため雇ったアルバイトとのことです

(山口正紀・「人権とメディア」(週刊「金曜日」775号[11/13発行]所収)参照)。

ところで、マスコミ関係の者がこれほど詰めかけるのは

何のためでしょう。

純粋に国民の知る権利に奉仕するためと、

言い切れるのでしょうか。


当日の傍聴席の数は、42席。

1席は、証人用です。

42-1=41

残った41席の内、21席は、記者用です。

どんな人が記者として占領しているかというと、

何と、ただのマスメディアお抱えのイラストレーター

つまり、お絵描きさんだと言います。(←この人達って、記者でしたっけ?)

41-21=20

残り20席を、上に書いたように、

記事になるほど、テレビと新聞・通信社が取り合いするのです。

TBS、テレビ朝日などは、

全社員に対し、時間があればこの合戦に参加するように要請していたことを

ネット配信「スポニチ」がすっぱ抜いていました。

民放だけではありません。

あの天下の公共放送、NHKも

「並んで整理券を獲得するだけ」と、

市場調査の「アーキテキスト」という会社に依頼し

アルバイトを募集していたというから、恐れ入りますね。

報酬は、1500円。

朝日新聞は、学生人材バンクまで活用。

日当として

4000円出していたと言うのですから、

力の入れようが分かろうというものです。

こんなことをしながら、

傍聴券を求めて並ぶ人たちの列を写真に撮り

それをスクープとして報道する行為を

欺瞞と呼ばずして、一体、何を欺瞞と呼びましょう?

シルバー人材センターの腕章をつけた人たちとか

新聞販売店の名を記したヤッケを着た人とかもいたと言います。

その動員力への執念には脱帽です。

しかし、その陰で、本来なら傍聴して当然の人が締め出されているわけです。


日本テレビは

朝のワイドショーから夜の情報番組まで

7番組で「女優の初公判」を取り上げたと言います。

番組単位で100人前後のアルバイトが動員される

ワイドショー(上掲「スポニチ」参照)、一応、これが標準だとします。

TBS、テレビ朝日の職員数は無視するとして、

100×7×テレビ局の数+新聞社(通信社を含む)の動員数=列の長さ

という数式が成り立ちそうですね。

(かなり大雑把ですが、当たっていたりして・・・――)


ジャーナリストの山口正紀氏によると、

冤罪事件など、支援者のいる裁判で必ず聞かれるのが

「これじゃ、中に入れない」という支援者達の嘆きだそうです。

傍聴席を埋め尽くす報道陣の群れのため、

市民の傍聴する権利が害されているのですな。

裁判員裁判などでは、並んで待つという、普通の感覚の持ち主である市民は、

まず傍聴するのは不可能なようです。


司法記者の皆さん、

マスメディアによる“独占”と言っていい

こうした傍聴席の買占めは、止めましょう。


さて、この話には怖い落とし所があります。

26日、鳩山由紀夫首相が衆参両院で初の所信演説をしました。

怖くないですか?

首相の所信演説ですよ。

メディアにとってはそんな時の権力者のお話より、

一芸能人の

お裁きの過程で見せる表情の方が大切っちゅうわけです。。。

「あ~、お薬やりた~い

内心、そう思っている可能性があるだけなのに。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
欺瞞。 (ひかる)
2009-11-16 22:54:10
<ニュース>は作られるもの、ですかね。

それを乗り越えて読み解く力が
国民には求められているのかも、ですかね。

なんて国だ~(笑)

☆ひかるさんへ (忠太)
2009-11-16 23:45:42
お手盛りニュース、掘り起こせばいくらでもある気がしますね。

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