まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1252  京都岩倉香川山 みやこマツタケは子実体原基形成刺激をうけた! マツタケの生長とは?

2017年10月09日 |  マツタケの林地栽培 

 10月13日(金)は、607回活動日です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告者は、宮崎 昭さんです.当日夜、是非ご覧ください.

秋刀魚、イネ、マツタケなどが人に、我々の生活を見直すよう警鐘を鳴らしている.

 マツタケ発生量は、アカマツ林の状態とシロの生長期と子実体形成期の気象が決めるが、アカマツ林の要因はさて置いて、今年の発生は、地球規模での気候変動に強く影響を受けたように思われる.その影響は、緯度の高いところ、それと同じ意味を持つ標高の高いところほどマイナスの影響が大きくあったように思われる.
 知るところによれば、スカンディナビア半島、中国東部・西南部の高い山、サハリン、韓国の一部、北海道、東北、長野の高い山などは凶作から不作である可能性が高い.降水の異常と有効降水量不足、低温の影響、発生期の高温障害などが影響していると見られる.関西以西で、これからという地域はこの限りではない.
 
 マツタケの本体は土の中で生活している.アカマツの細根を住まいとする、かつ栄養源(糖類)を得るために感染し菌根を作る.冬を耐え、暖かくなってくる時期には、アカマツ細根も増え両者はどんどん菌根を作る.これを栄養成長という.いろんな遺伝子を持つ菌根が沢山集まりシロという構造体をつくる.菌根集団は、やがてある容積に達すると、感染から4ー5年掛かると言われるが、胞子を飛ばす器官である子実体を地上に伸ばしてくる.飛んだ胞子は、発芽し菌糸となり、先住者のいないアカマツ細根と出くわすと感染する. 

 生殖生長可能となったシロは、シロ表面温度が、西日本では19℃を下回ると子実体原基を形成する.刺激温度感受性は同一シロ内部においても差がある.図1の左が原基である(縮尺は適当).濱田(1953、自然)によれば、温度と適当な雨があれば1週間から10日で地表に頭を出す.その後、同じく1週間から10日かけてチチゴ-コロ-ツボミと生長、やがてベールが破れ傘の裏にあるヒダから胞子が飛ぶ、開傘日である.開きすぎ(図中の右のマツタケ)までやはり1週間から10日である.以降縮みます.図1 子実体の生長の様子

 成長曲線は、ご存じの通りシグモイドカーブを描きますが、測定期間の1日の伸びは平均1.5cm、よく伸びる物は3cmなんてものもありました.但し、順当な気象条件でないと大きくならずに傘を開いたりと形態の変異は大きい.シロも毎年、外側に10ー20cmほど拡がる.拡がる先に障害物があって伸びないこともあり、形も色々になる.

 再生アカマツ林に京マツタケが復活した京都岩倉香川山は、昨年10月22日に発生を確認した.今年は、岩倉のマツタケから見て10日くらい早く秋が訪れている.図2をご覧下さい.これは香川山地表下10cmの温度を示している.19℃ラインを最初に切った日は10月1日である.でもこの刺激はその日の地温が19℃を上回ったので生殖生長への切り替えは帳消しとなった.同じように10月4日朝もスウィッチが入ってすぐに切れている.これらは高温障害となっていないと考えている.

図2. 岩倉香川山の地温の変化

 10月4日の夜に19℃を下回った(赤丸).その後、温度は19℃を越えることなく子実体原基形成刺激の解除はない.生殖生長に代謝が切り替わったと見られる.穏やかな雨もあれば13日の活動日には、頭を出している可能性がある.調査項目は、発生本数は昨年14本、これが何本になるか? 2点目は、昨年3ヶ所から発生、この発生地点が幾つ増えるか? 大変楽しみです.なお、「日本産マツタケの遺伝的多様性の研究」対象地にしています.子実体は抜かないようにご協力お願いします.


【お知らせ】

1.毎日放送 ちちんぷいぷい 天気部 気象とマツタケ取材
   10月13日(金) 松茸持参で取材 10月25日(水)放映 


2.岐阜県御嵩町(ミタケチョウ) マツタケ発生環境整備作業体験
   日時:10月13日(金)607回活動日 
   場所:香川山 午前中マツタケについて講義、昼食後、香川山にて作業 5名 三品班担当


3.和歌山県富喜マツタケ試験林イワタ山調査

  冨貴ものの入荷が多い.試験林も期待できそう!!
   10月17日(火) 午前9時近鉄新田辺駅集合

   10月24日(火) 午前9時近鉄新田辺駅集合
           参加申し込みは川本さんまで  問い合わせは吉村へ(メール等で)


4.滋賀県長浜市野瀬  マツタケ発生環境整備と交流会 参加者募集
   場所:長浜市野瀬大吉寺
   日時:10月29日(日)午前8時15分 地下鉄御陵駅2番出口付近(三条通北側)/現地 集合
              午前中はマツタケ山診断
              昼食後 京マツタケ復活作戦成功の報告、続いて交流会 餅つきなど
  午後6時 御陵付近着 
   費用:高速代(休日割引、往復)3360円/1台、往復180km走行のガソリン代などを参加者で負担 

5.滋賀県荒神山 マツタケ発生環境整備と勉強会 参加者募集
  場所:彦根市石寺公民館
  日時:11月19日(日)午前9時京都市営地下鉄御陵駅2番出口発、10時荒神山集合 直ちに作業に合流
     午前8時~11時30分 マツタケ山づくり作業
       12時~13時 昼食会
       13時30分~16時 勉強会(荒神山の活動報告、京まつたけ復活成功物語)
       16時から 懇親会
  費用:高速料金(休日割引、往復)2720円/1台、往復140km走行のガソリン代などを参加者で負担
       

6.日本文化デザインフォーラム  JIDFラボ【松茸山再生と岩倉焼き】15回開催   

   11月18日(土) 612回例会  マツタケ発生整備作業と反省  参加費:昼食代500円
      参加申し込みは吉村( E-mail)まで

7.千葉県立中央博物館 自然誌シンポジウム
  日時:2017年11月23日(木、祝)13:00~16:00
  場所:千葉県立中央博物館
  テーマ:マツタケ栽培最前線
      人工栽培(白坂憲章).感染苗利用栽培(山中髙史).林地栽培(吉村文彦)
      問い合わせは千葉県立中央博物館 吹春俊光先生 電話:043-265-3111(代表)

 

【まつたけ山復活させ隊の活動指針】

 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.注:自由に主体的に活動できることは何をしても許されると言うことではありません. 
 
 我々まつたけ山復活させ隊の仲間には、山づくりをする人、資材等を運ぶ人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人などがいる.これらの作業実施・応援に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).

 参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加者)は、これを認めない.「香川山に来る」それにプラスする何かがなければならない.それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持つことが必須だ.


【まつたけ山復活させ隊の心得】

悔いの残らないようにするには! 

あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.用いたコップの後片付けも忘れないように! 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.

【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者 男厨シェフ  特別企画 
 
607 10月13日(金) 宮崎         岐阜県 御嵩町 5名視察
608 10月21日(土) 吉村   松本
609 10月27日(金) 内田
610 11月04日(土) 池内         第2回毎木調査
611 11月10日(金) 三輪
612 11月18日(土) 宮崎   内田     JIDFラボ15回
613 11月24日(金) 吉村
614 12月02日(土) 池内
615 12月08日(金) 内田
616 12月16日(土) 三輪   川崎
617 12月22日(金) 宮崎         忘年会

618 01月12日(金) 吉村         新年会
619 01月20日(土) 池内   松浦
620 01月26日(金) 内田
621 02月03日(土) 三輪
622 02月09日(金) 宮崎
623 02月17日(土) 吉村   内田
624 02月23日(金) 内田
625 03月03日(土) 三輪
626 03月09日(金) 宮崎
627 03月17日(土) 吉村   松本
628 03月23日(金) 内田   

 なお、やむを得ず担当などの変更が生じることがあります.お許しください!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある.

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の取り付け道路が見えたら(後400m)、案内看板手前にある道路を左折、右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.

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§カンパありがとう!
  
 
    
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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