上島笑子/花冠同人

上島笑子の俳句

花冠8月号投句

2011-06-10 18:09:47 | Weblog
輝きを集めて初夏のビオトープ
摘め草を集めて小さな花冠
水草を触れくる風の香豊か
水田の一つ無くなり夏兆す
鉄扇の花は大きく陶の鉢
軒下を素早く抜けて初燕

切り戻しバラよみがえり初蕾
複雑な柱を抜けて燕飛ぶ
風そよぐ蓮の葉小さく揺らぎつつ
蓮池に白球一つ残さるる

花冠5月号投稿句

2011-04-09 11:11:49 | Weblog
春の夜スッキップする子先に行き
花弁のぐんとそってヒヤシンス
水仙のたわわに咲いて散歩道
白木蓮蕾は全て空へ向き
夫待つ駅舎の上に春の月

噴水の曲線風に揺らぎつつ
ゆっくりと沈む太陽春休み
風に散る桜の花の無抵抗
ままごとの碗に盛られて桜落花
花房の乱れて強し雪柳

空蝉

2010-09-09 22:01:17 | Weblog
俳句
海鳥の山に向かって岩の上
蝉時雨途絶えて短き夜の初め
空蝉の崩れぬように手に収め
懸命に支えに掴まり蔓レイシ
お土産の茄子は袋へ無造作に

秋立つ日夜空に響く太鼓の音
芋の葉の大きく広がり日を受けぬ
美濃の田の稔り見守る案山子かな
爽やかな風吹き抜けて甘し香
土手覆うエノコロ草の皆斜め


茗荷の香

2010-07-21 10:19:51 | Weblog
俳句
ゆっくりと暮れる厨に茗荷の香
亡き祖父の話などしてすいか切る
夏蝶のわずかな気配に飛び立てり

梅雨の鴨

2010-07-18 10:28:05 | Weblog
俳句
木曾川の流れにあぶれ梅雨の鴨
梅雨明けの空雲を積み上げぬ
選手待つ芝青々とスタジアム

夏河

2010-07-16 17:47:53 | Weblog
俳句
夏河や鯉の流れに逆らって
雨上がりゴーヤの蔓のぐんと伸び
ヤッホーと叫んで近し夏の雲

夏蝶

2010-07-13 18:42:10 | Weblog
俳句
夏蝶の留まる花一つに定まらず
夏蝶の起こす揺らぎに木々答う
青葉陰出ては入るを繰り返し

★夏蝶留まる花の一つに定まらず(信之添削)
花の上を飛ぶ夏蝶を見ていれば、一つの花に留まり、じっくり蜜を吸うのではなく、花に触れるか触れないか、という風な飛び方をする。夏蝶の華やかさがある。(高橋正子)

サンダル

2010-07-13 18:03:01 | Weblog
俳句
サンダルを履いて楽しき朝の道
二本目が真っ直ぐ支柱へゴーヤ蔓
植え替えの日々草に花三つ

七夕

2010-07-06 18:08:28 | Weblog
俳句
七夕の小さな願いにしなる笹
夏薔薇の熱気巻き込む大樹かな
お代わりを探して鷺の田に佇てり


七夕の小さな願いにしなる笹
小さな願い事が書かれた短冊にしなる笹飾り、幼い子どもたちの願い事はどんなことかしらと想像して楽しくなりました。 (黒谷光子さま)

七夕の小さな願いにしなる笹
ご自宅でしょうか?幼稚園の光景でしょか?
幼なくて、つたない字の願い事が短冊一杯に書かれ、色とりどりの七夕飾りが眼に浮かびます。日本の伝統行事は大切にしたいものですね!。(桑本栄太郎さま)

七夕の小さな願いにしなる笹
 我が家にも同じような笹があります。小さな願い、かなうといいですね(高橋秀之さま)

七夕の小さな願いにしなる笹
いい句ですね。中七の小さな願い、下五のしなる竹で、上五の季語の七夕が際立ちます。
(飯島治朗様)








青芭蕉

2010-06-24 11:49:40 | Weblog
俳句
幾たびも雨に洗わる青芭蕉
晴れ晴れと月輝いて梅雨の夜
白鷺の一反ごとに佇っており

幾たびも雨に洗わる青芭蕉(6/24秀句)
芭蕉の巻き葉は梅雨のころになると、解けて大きな青い葉を広げ、ばっさりとしてくる。雨になんども洗われると、その度に、すがすがしさが増してくる。(高橋正子先生)


白鷺の一反ごとに佇っており
苗が育ち始めた水田、蛙などを狙って鷺が来ています。きちんと分担するように
田ひとつに一羽というのが可笑しいですね。 (多田有花さま)

晴れ晴れと月輝いて梅雨の夜 
長雨の後の煌々たる月。とりたてて明るく、澄み切って見えます(小西宏さま)