社民党 京都府連合 野崎靖仁 副主席語録
社民党 京都府連合 政審会長・幹事長(近畿ブロック協議会副議長) 野崎靖仁、48歳。
日々の思いを綴ります。
 



大澤真幸『日本史のなぞ』(朝日新書)を読む。



「日本史上唯一の革命家は、北条泰時である」。

このテーゼから、日本社会を変えるためには何が必要なのかを考察しています。

本書の中でものべられているように、
北条泰時を「革命家」として評価したのは山本七平であり、
『日本人を動かす原理 日本的革命の哲学』(PHP文庫)の枠組みを
ほぼなぞる形で論が進んでいきます。

承久の乱の後、武家法である『関東御成敗式目』を制定したことが
北条泰時の「革命」です。

山本七平は『関東御成敗式目』そのものの解説に進んでいきますが、
本書では「革命とは何か」についての考察が行われます。



中国の革命は支配者の姓が変わる、つまり王朝が交代する「易姓革命」です。

承久の乱で北条氏は天皇を廃し、上皇を配流しましたが、
自ら天皇に取って代わることはありませんでした。

北条泰時の革命は、中国型の易姓革命ではありません。

西洋の革命は、イエス・キリストの活動、
そしてその原型となった「申命記改革」をモデルとしています。

「申命記改革」とは、ユダ王国のヨシヤ王の時代、
ヤハウェ神殿の修復工事の際に、
ヤハウェとの契約を記した「律法の書」が発見されました。

「律法の書」は旧約聖書の「申命記」の中核部分を為しており、
「原申命記」と呼ばれています。

ヨシヤ王はユダヤ教の原点回帰というべき
「原申命記」を基本法とする新体制を樹立しました。

これが「申命記改革」です。

西洋の革命は、必要なときに権威あるテクストが発見され、
そのテクストの解釈を通して勧められます。

「原申命記」を基本法とする「申命記改革」。

受肉した神であるキリストによって古い律法を廃棄し、
新しい契約をもたらしたとするイエス・キリストの活動。

ユスティニアヌス法典(ローマ法大全)の発見によってローマ法の解釈が進み、
中世ヨーロッパの法を整備した「解釈者革命」。

中国の革命では「例外的な一者」である「天」が新たな王朝に天命を下し、
西洋の革命では「例外的な一者」である「唯一神」の意思で法がもたらされます。

東西いずれの革命にせよ、「例外的な一者の意思」は必要になります。

では、なぜ北条泰時にのみ「革命」が可能だったのか?

それをわかりやすく紹介することは、私の手に余ります。

その先を超えることができない、と暗黙のうちに想定されている境界線を
大澤氏は「(不)可能性の臨界」と呼んでいます。

(不)可能性の臨界を越え、
臨界を再設定するような変動を社会に引き起こすこと。
それが大澤氏の革命の定義です。

隋の創設した律令を輸入した日本の律令制度。

その臨界を超えて、日本人の秩序感覚に合った固有法である
「関東御成敗式目」を法制度として定着させた北条泰時。

大澤氏は大化の改新や明治維新を「外部からの衝撃や外圧への反応」であって、
「内発的で意図的な社会変動」である革命と区別しています。

泰時と同じような「革命」を現代日本社会で起こすことができるのか。

単なる論理ではなく実践論になると、かなり難しくなります。

その意味では、難解な書物であるといえるでしょう。

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コメント
 
 
 
Unknown (家庭教師)
2017-06-29 18:44:02
読んで見ます。
 
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