社民党 京都府連合 野崎靖仁 副主席語録
社民党 京都府連合 政審会長・幹事長(近畿ブロック協議会副議長) 野崎靖仁、48歳。
日々の思いを綴ります。
 



吉川永青『海道の修羅』(角川書店)を読む。



「海道一の弓取り」と称された今川義元の知られざる生き様を描く歴史長篇。

我は人を捨てた。この瞬間から。

室町幕府の名門・今川家は、乱世の波に呑まれて、勢力を失っていき、

今や北条家と武田家の争いの渦中にあった。
幼き頃から仏門に入り、
太原雪斎に師事していた今川氏親の五男の栴岳承芳(義元)は、
見聞を広げるため、二年前から京に上っていた。

だが、甲斐の守護・武田信虎との争いが激しくなり、
急遽、呼び戻された承芳は、
北条家に侵食されつつある駿河の惨状に衝撃を隠せなかった。

北条の手駒となって果てるのか。

だが、今川と駿河の行く末を危惧する承芳の声は、
兄の今川氏輝と母の寿桂尼に届くことはなかった──。

駿河を救うため、承芳は、兄たちと母に非情の決断を下す。
「海道一の弓取り」と讃えられし今川義元の、閃光の如き生涯を描く、長篇歴史小説
(角川書店のサイトより)

今川義元の生涯を描いた作品です。

北条早雲の甥、今川氏親の五男に生まれた義元は、
家督を継いだ兄・氏輝の弱腰な施政に不満を抱き、
みずから今川家の当主となることを決意します。

人の心を捨て、修羅となった義元。

兄を討ち、母を幽閉し、マキャベリズムを駆使して
駿河、遠江、三河へと勢力を伸ばした義元は、
師・太原雪斎の遺志でもあった天下取りに向けて、
尾張へと兵を進めます。

そして、桶狭間の戦い…

名門の凡庸な武将ではなく、「海道一の弓取り」と呼ばれた
マキャベリズムの体現者としての義元が描かれています。

今年出版された書き下ろし作品だからか、
大河ドラマに登場する遠江の国人・井伊家にも触れられています。

向背常ならぬ遠江の支配を固めるため、
井伊家の当主を謀殺する義元。

今川家に依存せざるを得ない状況を作り、
巧みに配下に取り込む手腕は、三河の松平家に対しても発揮されます。

後に徳川家康となる松平家の嫡男・竹千代。
竹千代が人質となった織田家の嫡男・信長。
織田家の足軽・木下藤吉郎。

信長、秀吉、家康も出番は少ないながら、強い印象を残しています。

これまでは義元を支える存在とされていた母の寿桂尼が、
この作品では義元の邪魔になる存在として描かれているのが斬新でした。

修羅として生きるはずの義元が、師と慕った太原雪斎の死を契機に、
雪斎の悲願であった天下取りを実現しようと行動します。

人の心を捨てきれず、雪斎への情に動かされて行動したことが、
義元自身の破滅を招くことになるとは。

作中で松平元康が述べたように、
非情をめざしながら非情に徹しきれなかったところに、
義元の人としての魅力を感じました。

もし義元が雪斎への情に動かされず、
雪斎のシナリオ通りの尾張攻略を急がなかったとすれば…

そんな歴史のifを想像してしまいました。

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