社民党 京都府連合 野崎靖仁 副主席語録
社民党 京都府連合 政審会長・幹事長(近畿ブロック協議会副議長) 野崎靖仁、48歳。
日々の思いを綴ります。
 



佐藤優『資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ』(NHK出版新書)を読む。



序 章 資本主義を日本近代史から読み解く
第1章 日本資本主義はいかに離陸したか?――「明治日本」を読み解く極意
第2章 日本資本主義はいかに成熟したか?――「恐慌の時代」を読み解く極意
第3章 国家はいかに資本に介入したか?――「帝国主義の時代」を読み解く極意
第4章 資本主義はいかに変貌したか?――現下日本と国際情勢を読み解く極意


山川出版社の『日本史A』の近現代史の記述をもとに、
宇野弘蔵のマルクス経済学の手法を用いて
明治維新から現代までの日本資本主義史を解説しています。

日本の近現代史からアベノミクスまで、
マルクス経済学の枠組みで分析する佐藤氏。

ひと昔前ならばマルクス主義的な手法は見向きもされませんでしたが、
さすがはベストセラー作家です。

宇野経済学の概説書としてもわかりやすく、
日本の近現代の経済史としてもわかりやすい本です。

ここから宇野弘蔵の『資本論の経済学』(岩波新書)に進むのもよいでしょう。
(私は学生時代に読みました。)



でも、入手しやすさからいえば、
『資本論に学ぶ』(ちくま学芸文庫)の方がいいかもしれません。

公共図書館に開架されている可能性も、こちらの方が高いでしょう。



また、

人間の生存に不可欠な水でさえも、
いまや資本の運動に完全に飲み込まれているのです。
これは労働力のみならず、人間のあらゆる要素を投資対象にしようとする
資本のあからさまな欲望を表していると言えるでしょう。
(『資本主義の極意』224頁)

同時に、こうしたむきだしの資本主義が、
自ら存立基盤を掘り崩しつつあることも事実です。
(同225頁)


という記述は、内田義彦『社会認識の歩み』(岩波新書)で

資本が自然と人間を開発し・掘りつくしながら自己運動してゆく。
放っておくと全部の人間がだめになっちゃうというところから、
労働日の短縮を義務づける法律が、議会に上程されざるを得なくなる。
(『社会認識の歩み』192頁)

工場立法について見たところを念頭において、
搾取・開発し掘りつくすことを、こんどは、
単に人間のアウスポイトゥングではなくって、
人間と自然のアウスポイトゥングという面に重ねて読みますと、
『資本論』の射程が今日にまで伸びていることが解ります。
(同193頁)


と述べていることと重なります。



「マル経はどうも…」と抵抗感のある方には、
マルクスをリカード、ワルラスと並ぶ「近代経済学の第一世代」として位置づけた
森嶋通夫『思想としての近代経済学』(岩波新書)がおススメです。

ここで森嶋はこう述べています。

もしそうなら、一群の人がますます富み、他の人はますます貧乏になるという
マルクスの両極分解は、資本家・就業労働者群と失業者群の間に確実に起こる。
それゆえ資本主義社会では、福祉厚生活動を振興し、
手厚い救貧対策を講じなければならない。
これらの問題はマルクスの言葉でいえば「上部構造」の問題であるが、
良質の福祉、厚生、文化、教育部門の構築に成功しない限り、
資本主義は永続することができず、暴動がおこるであろう。
今まで経済学者は、社会の物質的基礎構造の分析だけを彼らの課題と考えていたが、
基礎構造の存命力(viability)を彼らが問題にするに至れば、
彼らは上部構造を無視しえなくなり、上部構造の研究もまた資本主義の主要問題になる。
基礎構造と福祉、厚生などの諸部門は組になっているのであり、
その組関係を無視して、これらの部門の整備をないがしろにすれば、
マルクスのいうように革命が起こるのは当然であろう。
(『思想としての近代経済学』9頁)




資本主義社会の内在的論理を理解するためにも、
マルクス経済学の視点は必要です。
(森嶋道夫にすれば、マルクスも近経の学者ですが。)

新書サイズで宇野経済学のエッセンスが理解できる
『資本主義の極意』はおススメです。

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