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「きらり うたこ」下田歌子先生を描いた漫画本

2011-02-25 00:31:51 | 現代人を能面の技法で打つ


文藝春秋画廊・展覧会の折にお貸しいただいた[下田歌子先生の面]をお返しするとともに湯浅学長、先生方に鼎談、パーティにご出席いただいたお礼に実践女子大学へ伺いました。

その折に、以前に伺っていました「学祖 下田歌子」先生の生涯を漫画にした本をいただきました。

「きらり うたこ」 2011年3月3日 小学館より発行されます。


女性が仕事をする時、男性の嫉妬心は女性の嫉妬心より恐いです。
下田先生も女性として明治の時代に一つの意思を持って学校を作られたことに対して大変な嫌がらせ、誹謗中傷を受けます。
先生に比べるのもおかしいのですが、私程度の仕事にたいしても、嫌がらせが多いです。初めてM百貨店の横浜店で個展をした時には同業者の男性が何人もきて、来客に向かって、「こんなのダメですよ、下手です」とか来客の前で「なんで展覧会をするのがお前なんだ、店員と寝たんだろう」とか何度も言われました。

また某・能楽堂で私の面を使う時、某・能面師はロビーで1時間も「こんな奴の面を使うのは先生の恥だ」と怒鳴りつづけていました。自分が少しの間、教えたことのある人の作品が舞台に上がるのを喜んであげない心の狭さに、ロビーの声を聞きながら、「心が狭くては作品も小さく固まってしまうのだ」と反面教師として聞いていました。
私くらいの仕事でもこのようなのですから、もっともっと、高い理想と使命感で働いていた先生はいかばかりか大変な思いをなさいました。

先日の展覧会を終えて分かったことがあります。
人を動かすのは作品だということです。
広告、人脈、お金、女性なら色気、も付け加えましょうか、もちろんこうしたあらゆる力を使えばある程度のところまではいけたりできるでしょう。
でも道を歩いている人を画廊の入口に貼ってあるポスターだけで画廊の中まで引き入れる力はありません。やはり作品がどれだけ人々の心の琴線に触れるか、面白い、おかしい、変なの、という心の反応がなければどなたも入ってはいらしゃいません。
今回はツイッター、よその方のブログとかに展覧会の感想、作品を見て何を思ったかなどを書いていただいていました。

多くの方々が自分の心のおもむくままに見てくださったのです。

下田先生も先生の一つ一つのお仕事をご覧になってその主張に共鳴なさったからこそ明治の元勲たちが協力をしてくださったのです。
人間性が卑しいと人はそれを敏感に感知するものです。

先生の面を作るためには私の中の先生のイメージと共に先生に「作らせていただいて良いのでしょうか」との許可も戴かなくれはいけません。そのためにお墓参りをさせていただきました。

「現代人を能面の技法で打つ」と云うことの始めは唐招提寺の記念能「鑑真大和上」のために「鑑真面]を打ったことに始まります。その時も鑑真様にお参りさせていただき「私にお顔を作らせていただくことができるでしょうか」とお尋ねして「できるよ」と微笑んでいただいたのです。

先生の資料を沢山いただいて制作の参考にさせていただきましたが
[きらり うたこ」がもっと早くに出版されていましたらよかったのに!



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コメント
 
 
 
応援しております! (Miyuki.K)
2011-02-25 18:48:04
柏木さま

先日の能面展、ご盛会おめでとうございます。
能の世界を知らない私であっても、大変楽しいひと時を過ごす事ができました。
日常、私たちがふとした拍子に(時には自分も気づかないタイミングで)
ああいう表情を周りの方にみせているのですね・・。

また、柏木さまとお話することができました事、大変よい思い出となりました。
ありがとうございました。


>先日の展覧会を終えて分かったことがあります。
>人を動かすのは作品だということです。
>広告、人脈、お金、女性なら色気、も付け加えましょうか、もちろんこうした
>あらゆる力を使えばある程度のところまではいけたりできるでしょう。


私もそう思います。
企業にてマーケティングを担っている私は「ブランドとは何か?」ということを
よく考えます。

大手の広告代理店へお金をつぎ込めば、ある程度まで認知度を上げることはできますが、
本物のブランドとなるには「顧客の心をつかむ本質があるか?」が重要ではないかと思います。
柏木さまがおつくりになるお面には、思わずファンにならずにいられない何かがあると私は思いました。


マーケティング視点からもう1つ。
「ブルー・オーシャン戦略」という経営戦略があります。

競争が激しい既存市場を「(血まみれの)レッド・オーシャン」ではなく、
競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン」を切り開くべきだ・・というのもです。

柏木さまがおつくりになるお面を拝見し、日本ではなくぜひ海外の皆様に見ていただきたいなーと
勝手ながらおもいました。言語を超え琴線にふれる何かが伝わるのではないかと思いました。

年下で、一度しかお会いしたことがないにもかかわらず勝手なことを申しました。
これからも柏木さまのご活躍をお祈りしております!
 
 
 
私も、応援したいです (naosite)
2011-02-28 22:21:12
こんばんは!
先日、偶然銀座の展覧会を拝見しました。
友人と2人でしたが、幸運な事に柏木様本人と、ダンディな紳士と会話をする事ができました。

帰り道、友人(おしゃれな人で、柏木様が彼女のジャケットを褒めていました)と「この人の作るお面(すみません、知識がなくて)は、色々な表情があるけど、みんなあったかい顔をしているね、血がかよっているね」といったことをしゃべりながら、家路へとむかいました。
私は特別な人間ではありません、日々の収入に思い悩む人間ですが、だから柏木様の作品に出会えて良かったと思います、これからも楽しみに、拝見させていただきます。出会えたことにお礼を言いたいです、ありがとうございます。
 
 
 
Miyuki.Kさんへ (柏木裕美)
2011-03-01 14:09:21
入口で、「ブログ拝見して展覧会に是非行きたいとおもっていました」とおしゃられて、あらら、期待を裏切ってしまわないかと心配しましたがコメント入れていただいてうれしいです。
知らなかった言葉も教えてくれてありがとうございます。
「ブルー・オーシャン」これからもこの精神で行きたいと思います。
 
 
 
naositeさんへ (柏木)
2011-03-01 14:37:14
両腕が毛皮でできているコートの方といらした方ですよね。コメントありがとうございます。ダンディな紳士はあの展覧会で鼎談をなさってくださった先生です。ご本人にはコメントの内容にふれずにコメント読んでください、と連絡しました。喜んでおられました。またお目にかかれたらうれしいです。
 
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