兵庫農漁村社会研究所

地域農業の研究、有機農業研究、都市と農村の交流、フォーラムの開催、国際交流など幅広く活動しています。

ごはんでエコ -食料自給率編

2009年01月24日 | エッセイ
日本は豊かな国だといわれていますが、日本の食べ物は60%が輸入されたものでできています。食生活が多様化するにつれて国内生産ではまかないきれない農産物や、消費の増えた畜産物のための飼料も大部分が外国に依存しています。カロリー・ベースで食料自給率は、1960年度の80%から2006年度には39%に低下していることが分かります。これほど急速に自給率を低下させた国は世界でも例がありません。そして、日本は現在、世界最大の食料輸入国となっています。



 先進国はそんなものだと思っている人もいるかもしれませんが、それは大きな誤解で、世界の先進国は輸出できるだけの農産物を作っています。2003年度の食料自給率はアメリカが128%、フランス122%、ドイツ84%、オーストラリアにいたっては237%にのぼります。

 食料はほかの商品と違って、生命を維持するために不可欠なものです。その半分以上を外国に依存するということは、国民生活を絶えず不安定な地盤の上におくことになります。同時に、なにげない輸入品を食べる行為が、外国の畑を青々と茂らせ、その一方で日本の田んぼや畑を荒廃させているのです。

 発展途上国の食料不足、地球温暖化、水資源の不足などが問題となっている昨今、将来も安定的に食料を輸入し続けることが困難になる可能性が指摘されています。もし輸入がストップしたら、日本の国内生産のみで1人1日あたり2200kcalの供給が可能ですが、その中身は肉や牛乳、乳製品があまり食べられなくなり、代わりに芋類が増えるなど、今とかけ離れたものになってしまいます。田んぼや畑が今より減っていることを考えれば、さらに厳しい事態になるかもしれません。しかしながら、幸いにも日本のお米と野菜の自給率はそれぞれ約95%と約80%。深刻な事態に備え、次世代が食料問題に直面しないためにも、日頃の食生活を見直し、お米や野菜を中心とした食生活をしっかり守っていきたいものです。

                     「ゴーゴー ご組」より

健康と食料確保のために、現在の食生活を米中心に戻そう

2009年01月24日 | エッセイ
ごはんは未来につながる、という話をします。

 毎朝ごはん(お米)を食べていますかという質問に、「はい」と答える人は、兵庫県では僅か23%というデータがあります。パンを食べている人が多いからです。何を食べるかは全く個人の自由です。でも、この暮らし方は、間違いなく海外の麦畑を青々と茂らせ、兵庫県の水田にまた青々と雑草を生い茂らせる結果を生んでいます。



 朝食にごはんを全く食べない人が増えています。そして今、米を食べない食習慣が広がり、栄養バランスが乱れ、健康を害する若者が増えています。兵庫県の調査では、朝食にごはんを食べている県民はわずかに23%。特に神戸、阪神間の市民は15%程度と極端に低い状況です。

 県下の人口の大半を占める神戸・阪神地域の人たちの食事のありようがこのような状態であれば、兵庫県下の水田が荒廃していくのもやむをえないことと、あらためて思い知らされます。

 何を食べるかは全く個人の自由であり、いちいち他人から干渉される筋合いの事柄でもありません。しかし、日本の風土に見事にマッチし、世界に誇る美味しいお米を生み出す水田をこれ以上潰してはならないと強く思います。そのためには、あらためて、お米を美味しく食べる食習慣を親世代が思い返し、それを次の世代にしっかり受け継がせていかねばならないと考えています。

 多くの県民が、とりわけ神戸・阪神地域の市民がお米を食べない大きな理由は、美味しいパンがあるからでもあります。また、パン屋さんの市民にアピールする血のにじむような努力も無関係ではありません。にもかかわらず、一つの事実だけは指摘させていただきたいと思います。それは、なにげないパンを食べる県民の食行為が確実に海外の麦畑を青々と茂らせ、かたや、県下の水田に、また、青々と雑草を茂らせているという事実であります。

 いま確実に、日本経済は縮小の時代に入り込み、次第に県民の所得や年金は減じられようとしています。つまり、いつまでもお金で物事を解決できるという考えは卒業すべきときに来ています。やがて、食料を海外から安く買うことすら困難になることも予想されるのであり、次世代が深刻な食料問題に直面しないためにも、あらためて、私たちお互いが、日ごろの食卓を見つめなおし、お米と、そして田んぼを大切にするという気持ちをしっかり持ち続けたいと願います。同時に、このたびの、ゴーゴーご組の活動を、是非、多くの県民の方にも知っていただきたいと思います。

                  「ゴーゴーご組」 より

第93回ビレッジライフ懇話会のご案内

2009年01月24日 | お知らせ
村の生活を大切にしなければと考えている人
村で生活を始めたいと思っている人
村の生活のことを知りたい人
そんな人たちの集まり

1.日 時  2月28日(土):午後3時 ~ 5時
2.場 所  居酒屋「ぽんぽこりん」(TEL 078-333-1841)
       神戸市中央区中山手通1-7-19、平安ビル・地下1階
       JR・阪急三宮駅北約5分、北野坂「東京そば・正家」の裏通り
3.話 題  :「市島町で有機農業に取り組む」   
4.講 師  井上陽平氏(新規就農者、丹波市市島町在住)
5.司 会 保田 茂氏(本所代表、神戸大学名誉教授)
6.会 費  500円(資料代を含む。但し、午後5時からの懇親会費は別途4千円です)
7.申 込  ファクスまたはメールでお申込下さい。その際、午後3時からの懇話会と午後5時からの懇親会の参加人数を区分してお知らせ下さい