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石原さん安倍さんの弁明と『ソクラテスの弁明』

2017-03-06 11:12:19 | 日記
 先頃、記者会見で話された石原さんの「豊洲移転問題」に対する弁明、国会での安倍さんの「森友学園・夫人名誉校長問題」に対する弁明、余りにも予想していたとおりなので苦笑してしまいました。「美しい日本」を唱える戦後生まれの安倍さんはともかく、日頃、武士(もののふ)の生き方を大上段から吼え続けてこられた戦前生まれの石原さんでもあっただけに、これまでのご自身の三文小説に見切りをつけて、せめても同じ言葉を職業とした先輩三島由紀夫の活字にあるいは近づけた言葉が聴けると思いきや、やはり石原さんは石原さん、シェークスピアがどこかで書いていたと思いますが、所詮は「女から生まれた男など怖くはない」に類した男? だったのでしょう。もとより安倍さんおやではあります。

 にも拘らず、情けなく悲しい思いは募ります。男の中の男、弁明論の極致、50年以上前に読んだプラトンの『ソクラテスの弁明』が想い起こされます。国家反逆罪に問われたソクラテスは、弁明いかんによっては死罪を免れたにも拘らず、自己信念を貫くための弁明をすることによって甘んじて処刑されます。更に近世に入っては、イギリス国王ヘンリー八世の甘言にも与することなく、再婚を禁じたカトリックの教義に順じ国王の再婚に同意しなかったために断頭台に消えた名著『ユートピア』の著者トーマス・モアが思い浮びます。
 日本人のお二人に共通しているのは、いつも自らを省みることなく、外敵を作り出し、いわば凡人の処世術とも言える「他人のせい」にしてその場を切り抜けていることです。もっともそれに乗せられているのも我々庶民であるということなのでしょう。大宅壮一曰く「一億総白痴時代」、誠に「世界は偉人たちの水準で生きることはできない」(『金枝篇』)と書き残した人類学者フレイザーの言う通りなのかもしれませんが、偉人たちはともかく多少の知性は身につけたいものです。

 ちなみに、『ソクラテスの弁明』は、教壇に立っていた一次期、学生諸君に期待を込めて百冊の推薦本の中の一冊に入れていたものです。思い出されている受講生もあるいはおられるかもしれませんが、このブログを読まれている方にもお勧めします。
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