のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

縁は異なもの味なもの

2016年10月13日 | 日記・エッセイ・コラム

 夕方、この10日に亡くなった友人のお通夜に行ってきました。いきなり満面の笑顔の在りし日の遺影の写真と、高校生と中学生のお子さんが懸命に耐えている姿が痛々しく、ヨレヨレになっている御主人が不憫でした。

 脳腫瘍の手術後リハビリをしていて、畑にも出ていたようですが、2度の発作で逝ってしまったようです。ご主人の仕事関係やお子さんたちの学校の関係者が多い大人数のお通夜でした。

 一緒に人形劇をやった時の仲間と顔を合わせましたが、人形劇を上演していた頃にメンバーの女性たちがレオタードを買い込んでジャズダンスを始めたかと思ったら、県内産農産物の宣伝に埼玉や東京にイベントに出かけることになり、なぜか引っ張り込まれた私がブタのぬいぐるみを着てレオタード軍団と一緒にダンスやらされる羽目になりました。しかも夏の暑い最中。あの時の首謀者もやはり彼女だった。

 津軽三味線事件と言うのもありまして、津軽三味線を習うか習わないか教室を見に行ったと思ったら、いきなり40万円の津軽三味線を買い込んで、「無謀だ!」「すぐ飽きる!」「思い付きで行動しすぎる!」と皆に言われつつもコンサートができるくらいまで続けていたようです。後に私がUSAに行ってた時に日本のフェスティバルで彼女のお師匠さんが招待されてやってきました。意味の向こうで「天真爛漫で愉快な人ですよねぇ。」とその偶然に大笑いしたことがありました。

 人の縁とは不思議なもので私を含め彼女の周りにいた仲間が今もこうしてつながっているのですから、大きな役割をもって世に来ていたんでしょうね。村おこし町おこしのみならず、盲目のピアニストの梯剛之君のデビューコンサートや、谷内六郎絵画展などに関わることができたのも彼女の縁があればこそです。だから冥福なんて残酷なことは言わずただただ感謝です。

 お通夜から戻ってきてパソコンを立ち上げると”ノーベル文学賞はB・ディラン氏に決定”のニュース。

 ほぉ。どこの国の作家だ?似たような名前があるもんだとクリックしたら、文字通りボブ・ディランでした。フォークソングとノーベル文学賞の取り合わせに驚きました。

 PPMやジョーン・バエズの歌で「風に吹かれて」は知っていましたが、ボブ・ディランと言う名を知ったのは小学生の頃にGAROが唄っていた「学生街の喫茶店」でした。♪学生で賑やかなこの店の 片隅で聴いていたボブ・ディラン♪の「ボブ・ディランってなんだ?」と仲間内で謎学になりましたが、高校生のお姉さんをもつ同級生が「アメリカの有名なフォークシンガーらしい。」と調べてきて、こいつの調査力はすごいと一目置かれるようになりました。

 ボブ・ディランによるボブ・ディランを初めて聞いたのは中学生の時に出たアルバム「欲望」で、ラジオでヘブライの吟詠のような「コーヒーもう一杯」がよく流れていました。あの時代はかぐや姫解散、グレープ解散、GARO解散、日本のフォークグループが終焉を迎え、洋楽ではサンタナがアルバム「アミーゴ」を出し、イーグルスが「ホテルカリフォルニア」を大ヒットさせた時代。音楽シーンが移り変わる頃でした。レーナードスキナードの飛行機事故もあの頃だったし、クィーンが日本から売れ始めたのもあの時代だった。

 かぐや姫解散後、ソロ活動を始めた南こうせつがテレビコンサートをやって、その中でボブ・ディランの映像を流しました。9分近い歌の「ハリケーン」ですね。南こうせつの「ディラン最高!」の言葉が印象的でしたが、私はボブ・ディランの横でフィドルバイオリンを弾いているアンニュイなおねえさんが気になりました。スカーレット・リベラと言うバイオリニストです。

 あの時代の日本のフォークシンガーはボブ・ディランかビートルズのどちらかの影響を受けているなんて言われていましたが、私たちの年代になると既に世代交代した感があります。

 「激しい雨が降る」だって、ギリシアの歌手のナナ・ムスクーリがフランス語で歌っているのを聴いて、ボブ・ディランの歌だって初めて知りました。ジョーン・バエズが「風に吹かれて」を歌ったレコードでは最後の部分が「いいかい坊や 大空吹く 風が知ってるだけさ」と日本語で歌っていたのですが、それがおよそ日本語とは思えない発音だったので、歌詞カード見てなんじゃこりゃ?と思ってしまいました。

 ボブ・ディランを知るきっかけになった「学生街の喫茶店」ですが、「学生街」と言う言葉が世に広まるようになったのはこの歌の効果で、当時はそれまでになかった造語だったようです。この歌のモデルになった喫茶店は江古田の「トキ」と言う喫茶店で、たしかに江古田は日芸や武蔵野音大がある学生街です。一度この店に行ってみたことがあります。大盛のスパゲティーが学生向きでした。店は数年前に閉めてしまったそうです。

 何かをきっかけに広まっていく「縁」もあれば、いつの間にかそこに帰結してしまう「縁」もあります。ボブ・ディランやビートルズは後者の方ですね。何かで知って踏み込んで見ると彼らの作品だった。

 縁は異なもの味なもの。

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