「小学校から、英語やパソコンの教育」というのがふつうになってますよね。
小1から英語指導をしてる学校が4分の3もあるとかw(゜o゜)w↓
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060316it14.htm初等教育の目的は、「社会に生きる市民として,職業生活,市民生活,文化生活などを充実して過ごせるような力を育むことと」だそうです↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05082301/003.htmわかりやすく言うと、「社会人としての基礎を身につける」ってことでしょうか。
英語もパソコンも、その点ではどちらも、今後の社会では重要性が増していくばかり。
あえて「どちらがより重要か」と言うなら、答えは明白。
なぜなら、彼らが社会で活躍する20年・30年先の仕事場を想像すれば、すぐわかります。
「タッチタイプもできない」というのは、10年後には「字が書けない」とイコールかもしれません。
さて、その小学校でのパソコン指導はどうなっているのか、うちの子どもに聞いてみました。
子どもが通っている小学校は、町田市でも最新のマシンがそろっているらしく、先日新聞に出ていました。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20060224wm02.htm最新マシンが1人1台使える環境は、すばらしいですねぇ。
うちの会社なんて、中古マシンばっかり。
ボクのノートPCはかなりハイスペックな方ですが、それでもCPUがP3-1.2GHzだから、けっこう年配の部類(^^;
で、実際にどんな感じなのか、長女(小6)と二女(小4)に聞いてみました。
「タッチタイプのできる子は、女子を中心にけっこういる。でも、先生には習ったことはない。」(小6)
「タッチタイプのやり方を習ったことは習ったけど、自分も含めて、ほとんどの子ができない。」(小4)
「授業で、ワープロソフトで文章を書いたりするが、男子はゲームしてたり。」
ハード面でこんなにすばらしい環境を与えても、すばらしい結果が実現するメドは、まったく立ってないみたいです。
話を聞いてると、「先生による熱意や創意工夫の差」がかなりあるようで。
これでは、「初等教育の目的・目標」という面からすると、頼りないなぁ。
タイの小学校を見学したときも痛感したのですが・・・
「優秀なパソコンを導入すること」と「優秀な生徒を育成すること」は別だ、と明確に認識できている人、意外に少ないように思うんです。
いくら最新のパソコンを入れても、壊れたり、時間とともに時代遅れになったりして、結局はゴミを増やすだけ。
膨大な予算を使った国の「IT講習」で購入されたマシンは、どうなったか知ってますか?
眠らせておくと「ゴミ」ってバレちゃうからかな、ボランティア団体などに無料貸出されたり。
でも、その団体でも持て余してたり。
かわいそうに、ロクに活用されないまま、分解されちゃったんでしょうね。
気まぐれに、経営の勉強をしたりすると(^^;ゞ
「いちばん重要なことは、企業理念である」みたいなことが書いてあります。
つまり、「どういうふうになりたいのか、明確なビジョンがなければ、ガンバれないぜ」ってこと。
うちの塾のチラシで「ゴールがなければ走れない」ってキャッチコピーを載せてますが、まさにそういうことです。
まず、「どうなってほしいのか」というビジョンを明確にすること。
そして、そのためにどういう道具がどれくらい必要なのか、どういう人材や教材が必要なのか、それを計画すること。
パソコンは車と同じでメンテナンスが重要だから、「どう管理するか」ってことも重要なテーマ。
こうしたことを考えないで、いきなりカネをつぎ込んでいるように見えてしょうがない。
さてさて、ではいちばん重要な課題---小学生や中学生に「どうなってほしいのか」。
「e-Japan計画」というのがありますが↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai3/3siryou43.html「IT教育の充実を通じ、コンピュータやインターネットを使うための技能を習得させることはもちろん、子どもたちに論理的な思考力をはぐくみ、自己を表現する能力や創造力を涵養するとともに、筋道を立てて考える能力や適切に表現する能力、問題の解決や探求活動に主体的、創造的に取り組む態度を育成する。」
・・・ということだそうです。
難しくて、よくわからん(^^;
ま、これを元に、ボクなりに「どんな小学校になってたらいいのかなぁ」というのをイメージしてみました。
まず、全員のルールとして、情報モラルをみんなが意識できるようになっている。
「掲示板に、友だちの悪口を書く」「チェーンメールを、友人にバラまく」など、不適切な行動を「よくない」と理解できること。
あやしいホームページを訪れると、どういう危険があるのか、そのリスクを知っておくこと。
問題に巻き込まれたとき、だれにどう助けを求めるべきか、知っておくこと。
悪い姿勢でパソコンに向かったり、寝食を忘れてパソコンにのめりこんだりしてはいけない、と理解すること。
このビジョンを達成するには、画面の自動キャプチャやキーログなど、パソコンの使用状況を、大人が管理していく必要があります。
また、ルールを守れない場合のペナルティも決めておく必要がある。
これは、「パソコンを使う」という権利に対する、責任でもある。
責任のないところに、権利は発生しない。
こうした情報モラル環境は、その後の自由闊達な活動を支えるもので、とっても重要なものです。
その前提のもとに、子どもたちがどういう活動をしていたら理想的か、というと・・・
「ほぼすべての生徒」を対象に考えた場合、パソコンを使って表現・コミュニケーションをとることが自由にできること。
「読み書きそろばん」ができないままでは、その後の能力開発に大きなビハインドとなるし、社会的にも大きな損失です。
それは、パソコンに関しても同様。
タッチタイプさえできない、簡単な集計表さえ作れない、こんな状態で「パソコンを活用していこう」なんていっても、空念仏にしか過ぎません。
・タッチタイプができる。
・インターネットで、目的の情報を適切に取り出せる。
・ワープロソフトで、簡単なプリントが作成できる。
・表計算ソフトで、簡単な集計表が作れる。
小学生だったら、これだけ。
中学生だったら、ワープロは「表組みやイラストのあるもの」、表計算だったら「集計表からグラフを作る」程度までで充分。
ほぼ全員の生徒が義務教育中にこれだけできるようになれば、IT社会の基礎としてはまずまずなんじゃないかな。
さらに、このベースの上に、それぞれの才能を伸ばしていく「委員会活動」を行うこと。
学校やクラスでは、いろんな委員会活動をしますよね。
たとえば、新聞を作ったり。
これまでは、手書きですが・・・
「新聞委員会」では、今後はそれをDTPで行うようにしちゃう。
「広報委員会」では、その新聞をホームページにしてアップしちゃう。
今や、どの新聞社も、毎日の記事や社説をホームページにしてるんだし。
ボクは新聞をとってないけど、インターネット上で毎日、主要な新聞にざっと目を通してます。
新聞をホームページにしてアップすれば、保護者も、他の学校の生徒も見ることができる。
とても有意義な活動になると思います。
「写真委員会」は、学校でのできごとを、日々デジカメで撮影する。
それをパソコンに取り込み、簡単なフォトレタッチで修正する。
当然、新聞委員会や広報委員会と連携します。
これまで「学校からのお知らせ」は、紙ベースですよね。
昔っから思ってたんですが、これって「紙資源の膨大なムダ」じゃないかなぁ。
そこで「連絡委員会」では、先生から受け取った「保護者への連絡」を、保護者にメール配信(携帯含む)しちゃう。
その他、「作品展」など特別なイベントがあるときは、プロジェクトチームを作って、その作品展をWeb上でも公開してみたり。
つまり、「新聞委員会に入ると、DTPを勉強できる」「広報委員会では、ホームページ作成」「写真委員会では、デジカメやフォトレタッチ」「連絡委員会では、メール」ということになります。
こうして、興味に応じて学ぶ環境もあると、おもしろいなぁ。
さらに、「そんなこと、小学生がやるの?」って見えて、じつは重要な委員会も作っちゃう。
一つは、「メンテナンス委員会」。
パソコンは、車と同じで、ちゃんと整備しないと「ゴミ」になっちゃいます。
でも、その整備を外注していたのでは、おカネがいっぱい必要。
そこで、とってもズルいけど(^^;ゞ
生徒自身がそれを学んで、そのスキルを教育現場に還元できるようにしちゃったらいいんじゃないか。
この委員会には、パソコンやLAN設定、OSやその他のソフトといった道具を与えて、分解したり組み立てたり接続したり、そうした機械いじりを存分にやらせてあげちゃう。
きっと、こういう分野が大好きで、ものすごい才能を発揮する子が出ますよ。
「ものすごい才能」という点で、もう一つ「プログラム委員会」。
これも、メンテナンスと同じく、かなりマニアックだけど、才能を持った子がけっこういるし、その才能を伸ばす環境を与えることは、社会的に大きな意味のある分野でもあります。
ちょっとしたゲームを自分で作って遊んだり。
そういう練習を積んで、やがては各委員会や先生たちからの要望に沿ったソフトを作成したりするようにする。
ExcelのVBAを使って、簡単な事務処理の自動化をしてあげたり、ちょっとしたゲームを作ったり。
それだけでも、学校内における作業システムの構築に、かなり指導的な立場になれるんじゃないかな。
こんなふうにビジョンを描いていくと、どんな指導をしたらいいのかが、だんだん見えてくるんじゃないかと思います。
「ワープロで作文させる」「インターネットで調べ学習」なんてことで、お茶を濁してる場合じゃないと思うな。
このビジョンにそったカリキュラムが必要だし、指導者(英語教育におけるALTみたいな)も必要。
子どもでは背負えないメンテナンスをする人も、必要ですよね。
そうした人材の育成やカリキュラム・教材をどうするか。
・・・な~んか、解決策をいろいろ思いついちゃうぞ(^^♪
そういう会社やってるんだから、あたりまえか。
e-Japanを担う「電脳小学校」、作ってみたいなぁo(^-^)o