予約本その後

今を去ること3年以上前のエントリー「予約本」

The Archaeology of Medieval Novgorod in Context: A Study of Centre/Periphery Relations(Oxbowへのリンク)
がようやく手元に届きました!
The Archaeology of Medieval Novgorod in Context: Studies of Centre/Periphery Relations
Oxbow Books Ltd

いやほんと、もう出ないんじゃないかと半分あきらめていたのですが(実際、Amazonでも一回注文取消しになったような・・・)、待ってみるものですね。

楽しみにしていたCD-ROMもちゃんと予告どおりについています・・・が、中身については少々期待しすぎました(^^;;
発掘した遺跡データ総覧みたいなのがあるといいなぁと勝手に期待していたのですが、いくつかの章の補遺的なデータがいくつか。花粉分析に使った花粉の画像データがデータ量的には半分近く。あと、甲虫類の遺骸画像とか。う、うーん。

目次はリンク先にあるわけですが、そもそもどういう本なのかを乱暴(まだ読んでないですし(笑))に言ってしまうと、主に10世紀から13世紀にいたるノヴゴロド、というよりはルーシの北方領域と言った方がいいかもしれませんが、その有り様を考古学的に様々な視点から詳らかにまとめようとした本です。
その素材となっているのが、主邑たるノヴゴロドとその周辺地域、そしてベローゼロの南東に位置するヴォルガ水系と北ドヴィナ水系の結節点たるミニーノ遺跡をはじめとするクヴェンスコエ湖周辺地域の遺跡群です。

3年前の日記にも書いたように白湖やクヴェンスコエ湖周辺地域の大家であるマカロフ氏の面目躍如といった本ですね。

しばらくこの辺の話から離れていたので、久しぶりに楽しんでみたいと思います。
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イブン=ファドラーンのヴォルガブルガール旅行記:破

いや、「破」なんてもちろん付きませんが(おい

まぁいろんなものがリバイバルされて人気を博する昨今、
ついにイブン=ファドラーンのヴォルガブルガール旅行記も刊行40周年祭り(嘘)でリバイバルとの噂が!
(前に出たのは1969年なので40年と言うのは嘘じゃない)

「イブン・ジュバイルの旅行記」(Nordica mediaevalis)Steenstrup さん

のエントリーに

さらにこの9月には同じ東洋文庫から、イブン・ファドラーンの『ヴォルガ・ブルガール旅行記』も予定されている。

との情報が!
こ、これは((( ;゜Д゜)))

さらに

訳しなおし、注をつけ、さらに関連する文献の翻訳も併載された決定版である

今からお金を握り締めて震えて待つしかないようです。今のところ、東洋文庫のサイトには情報がないですが。
来月なんだから9月の新刊情報くらい載せておいて欲しい・・・


◆関連記事
北方世界とヴォルガブルガール(2)イブン=ファドラーンと北方世界 (2005.8.22)
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The World of Ladoga と Google Books


これまでラドガ湖南東岸とかベロオーゼロとか、ラドガ=オネガのラインの南側ばっかり見ていたので、今回反対の北側、フィンランドやカレリアサイドの書籍を購入。1000年~1550年までというから11世紀12世紀ももう少し書いてあると良かったなと思いつつ、ある程度予想はついていたことなので後悔はしてません。実質14世紀以降がメインの本です。

で、「ラドガ湖の世界」より素晴らしいのがGoogle Booksの世界でして、実は
Google Booksのページ
こんな感じで登録されており、歯抜けは多々あるものの、どんな本か知るには十分以上のページを読むことができるようになっています。
今回買うにあたってAmazonだのB&Nだの、ページに載ってるサイト全部試してもこの書籍を扱っていないという理不尽ぶりだったのですが、そんなマイナーな本でもちゃんとここまでのレベルで立ち読みさせてくれるGoogle Books。
利用者にとっても、著者にとっても、まさにロングテール(死語)なマッチングサイトとして有用なツールになっています。

今回、やはり全部読みたいということで結局買っちゃったのですが、本の中で出てくる地名がGoogle Map上にずらっと並んでいるので「なにこれどこそれ」と書籍に載っている不正確な地図と地図上を首っ引きで往復する必要もありません。
買ってからも頼もしいGoogle Books。最強のツールですね。早いとこ世界中の(特にマイナーな北ユーラシア、中央ユーラシアの考古学、歴史学の文献がこういう風にデジタル化されるのを願うばかりです。

本の中身について、詳しくはここ(RUSLANIA社のページ)をご参照ください。このサイト、今回初めてお世話になりましたが、結構よさげです。また使おう。

#安いノーマル配送頼んだのに何故か一番早い便で届いたから(笑)というわけではありません。
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予約本

ここのところ、あいも変わらず北ロシアの古代?中世?の調べ物を信じられない位ゆっくりした速度で(笑)やっております。CPUパワーが仕事の方にあらかた持ってかれてるけど、電車の中位は!と思いつつ眠くていかんのんです。全然読み進まない。

そんな中にあってもお気に入りなのがN.A.Makarov氏。ベロオーゼロ方面の考古学の第1人者です。この人が出しているベロオーゼロ本は周辺一帯の500箇所近い考古学遺跡がリストアップされている上に英語の要約もあっていい本なのですが、最近氏が論文を発表されているクヴェンスコエ湖方面についてはスコープ外となっています。

クヴェンスコエ湖はスホナ川~北ドヴィナ川に続く、ザヴォロチェ地方への玄関口。その東北岸で発見されたMinino遺跡については是非詳しく知りたいところ。

さらに贅沢をいうならば、ヴェロオーゼロ一帯へのスラブ系住民の進出、特にノヴゴロドやロストフ地方とどのような関係のもとにどうやってきたのかを詳しく知りたい。

なんてことを思っていたら100%お誂え向きの本が出ることを発見。

The Archaeology of Medieval Novgorod in its Wider Context: A Study of Centre/Periphery Relations
版元(Oxbow社)のページ

なんだかドンピシャ感溢れる、私だけのために書かれたのではないかとさえ思える(笑)本ですね。おまけにCD付です。これは買うしかないだろうと思ったら出版されるのは11月なんですねぇ。遠い。待ち遠しい・・・

とりあえずamazonで予約を入れましたが、あと半年以上か。悶えるしか・・・

あと、ベルゲン大学で5,6年前に開催されたカンファレンスの論文が2006年に出版されたらしいのですが、こいつはまったく手に入りそうもありません。
' Utmark'
the outfield as industry and ideology in the Iron Age and the Middle Ages
Published in 2006, Department of Archaeology, University of Bergen (Bergen)
カンファレンスの目次(Wordファイル)
書籍情報
Makarov先生の論文もさることながら、スカンディナヴィア半島北部について面白そうな論文が集まってるんですけどねぇ。誰か参加した人はいないですかね・・・
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海と宝のノマド

アイヌの歴史―海と宝のノマド (講談社選書メチエ 401)
瀬川 拓郎
講談社

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「アイヌ・エコシステムの考古学」の瀬川氏の新刊。
前著でも地に足の着いた考古学的な成果から説き起こされる
アイヌの歴史には感嘆したものでしたが、今回は新書でありながら
さらに一歩先に進んだ内容になってます。お奨め。一家に一冊。

内容もさることながら、そのスタンスが私なんかにとっては
非常に共感するところで、この貂主の国でもまさに目指したい
(レベルが月とスッポンですが)方向です。

序文からいくつか引用させていただきます。
「北の狩猟採集民アイヌは、縄文文化であゆみを止めてしまった人びと、
つまり縄文人の生きた化石だったわけではない。本州の人びとが
農耕社会に踏み出し、激変の歴史をあゆんできたように、
北の狩猟採集民の社会もまた、あゆみこそ異なるものの変容し、
複雑化し、矛盾は拡大してきた。かれらはその歴史のなかを
したたかに生き抜いてきたのだ。」

「本書では、周縁・辺境を相対化するため、日本という「文明」にむけて、
「自然」の一部として未開視されてきたアイヌを「文明」として
突き返す作業を試みたいとおもう。つまり、エコロジカルなアイヌ像ではなく、
宝を求めて異文化と交流しながら、激動の世界をしたたかに生き抜いてきた
アイヌの歴史を提示したい。」

「このことは、アイヌの歴史に自然との共生を学ぼうとする態度を
否定するものではない。しかし、多くの場合それは裏づけを欠き、
「自然」破壊を進めてきた「文明」の贖罪意識や、アイヌを「自然」の
一部とみなすことで侵略を正当化してきた「文明」の贖罪意識といったものが
一体になった心情論でしかないようにみえる。」

「いずれにせよ北の狩猟採集民の社会は、国家になりそこねたのではなく、
農耕をうけいれる忍耐力と組織力を欠いていたわけでもなかった。
かれらは私たちの後方で立ち止まっていたのではなく、私たちとは
異なる道をあゆんできたのだ。そしてかれらは「自然」の一部だったのではなく、
その歴史は私たちと同じ側にある―本書が示そうとするのは、このことだ。」

アイヌの部分を北ユーラシアの諸民族に入れ替えてもまったく
そのままいけますね。この序文を読んだ時点で即座に購入を決定しました。
熱烈に。

#手前味噌ですが、うちのサイトの序文なんぞを。
貂主の国とは?

目次:
第1章 アイヌ文化のなりたち―北の縄文から近世
第2章 格差社会の誕生―宝と不平等
第3章 「サケの民」の成立―交易品を推理する1
第4章 ワシ羽をもとめる人びと―交易品を推理する2
第5章 侵略する北の狩猟採集民―オホーツク文化との関係
第6章 境界をみる―「日本」文化との関係
第7章 アイヌ・エコシステムの世界―交易と世界観の転換

どんな中身かちょっと見てみたいという方は(安いんだから買いなさい
と言う話はおいといて)、下記のページから瀬川氏の論文を拾い読みすると
よいかもしれません。買いたくなりますよ?
http://www.chikyu.ac.jp/sociosys/seika.html
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越境

つらつらとミシシッピー文化の話を読んでいるうちに、ついつい極北地帯以外の北米にも食指が。

こんな都市遺跡もあるんですねぇ。
カホキア(Wikipedia)
カホキア(Google Map)

というわけで、概説的な奴を購入してみました。あからさまな越境行為ですね・・・
Ancient North America: The Archaeology of a Continent

Thames & Hudson

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何度見ても平野耕太氏の絵のような・・・口とか模様とか。

North American Archaeology (Blackwell Studies in Global Archaeology)

Blackwell Pub

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とりあえず2冊並べてみて感じたのは、やはりツンドラ地帯の南に広がる亜極北地帯、アルゴンキン語族とかアサバスカン語族とかの分布する地域の歴史についてはもう一段詳しい文献を探さないといけない、ということでした。他の地域はこれ位でいいです。というかここで歯止めにしておかないと。

ところで、ミシシッピー川のカホキア辺り(セントルイスと言った方が通りがいいかな)のことを”American Bottom”と呼ぶのはなんでですかね。

饅頭怖いリンク:
北米考古学の名著(kutaiさんの"リストマニア"リスト)

追記:
こんな本を買ったから、というわけでもないですが急遽20日からアメリカに行ってきます。仕事ですが・・・
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北東アジア交流史研究

北ユーラシアとの関係上、北東アジアとか東北アジアとかいう単語の入った書籍は
一応は手に取るようにしているのですが、往々にしてハズレが多い。
というのも「中国・朝鮮半島と日本」、といった地域を指していることの方が多いからです。
今回この書籍を手に取るときも期待はしていませんでした。が、しかし・・・

北東アジア交流史研究―古代と中世

塙書房

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これはずばり中国東北部、沿海州、サハリン、北海道・北東北、オホーツク海といった、
まさに期待通りの地域に関する論文集。時代的にも7世紀から13世紀を中心に16世紀位まで、
靺鞨や女真、金の時代を扱っています。

構成的には4つに大きく分かれていて、
1.サハリン南端近くの白主土城に関する諸問題と北海道・北東北との関係
2.8世紀から14世紀にかけて、オホーツク文化、女真系文化、鮮卑系文化の3つを設定し
  概説した臼杵氏の論文をはじめとする北東アジア地域の土器編年に向けた論文の数々
3.陶磁器や鉄鍋、土鍋等を通じて迫る北東アジア流通の諸様相
4.付録として北東アジア地域の土器編年試案や文献資料から見た女真との交流等

となっています。
ブルホトゥイ文化(後のモンゴルにつながると考えられている)とか
大興安嶺地帯の諸文化についてそれだけを取り上げた論文があるとさらにうれしいのですが
さすがにそれは別の本でやるべきことですね。
とはいえ北東アジアと外部の関係は南の中国、朝鮮、日本が中心になっているので
たまには西方、できれば北方(^^;;とのつながりについても見てみたいところではあります。

以下、目次です。2004年2月に開催されたシンポジウムの内容をベースとしていますが、
その後「新たに書き下ろした論文集」とのことで、報告に対してのコメント論文も収録されているのが
うれしいポイントです。



 本書の成果と課題      前川要
I 白主土城の諸問題
 白主土城の発掘調査     前川要
 白主土城の国際研究に見る中世サハリン研究の諸問題と展望と戦略
               アレクサンダー・ワシレフスキー
 白主土城をめぐる諸問題   中村和之
 沿海地方の中世の土城    アレクサンダー・イブリエフ
 渤海・女真の山城について  小嶋芳孝
 モンゴルの囲壁集落     ダンディンスレン・ツェヴェンドルジ
 廃墟の文明 元上都     魏堅
 北海道のチャシの様相    宇田川洋
 チャシ以前の防御的機能をもった遺跡について
               右代啓視
 道南十二館         千田嘉博
 北の交易拠点としての道南十二館 千田報告へのコメントとして
               小口雅史
 防御的機能をもつ集落と社会 井出靖夫


II 北東アジアの古代から中世の土器様相
 北東アジアの中世土器地域圏 臼杵勲
 サハリン出土オホーツク土器の編年 伊東信雄氏編年の再検討を中心に
               熊木俊朗
 「サハリンの様相」熊木俊朗氏報告に対するコメント
               小野裕子
 靺鞨陶器の地域区分・時期区分および相関する問題の研究
               喬梁
 中世前期アムール流域諸民族の民族文化史を物語る土器
               セルゲイ・ネステロフ
 擦文文化の時間軸の検討 道央、北部日本海沿岸域と東北北部の関係
               天野哲也 小野裕子
 北海道内における擦文土器の終末時期について 天野・小野報告へのコメント
               澤井玄
 遺跡から見た津軽における古代社会の変質と画期
               三浦圭介

III 北東アジアの流通の諸様相
 交易の研究における渤海、金、東夏の陶磁器の役割
               エフゲーニャ・ゲルマン
 環日本海交流史の様相    小嶋芳孝
 東日本・北海道と北方地域の鉄鍋・土鍋
               越田賢一郎
 アムール下流の十三~十五世紀仏教寺院の調査総括
               アレクサンダー・アルテミエフ
 奴児干永寧寺の研究と課題  中村和之

IV 付録
 文献資料から見た日本海交流と女真
               藤田明良
 北方方形土城をめぐる諸問題 樺太白主土城現地調査報告をかねて
               小口雅史
 考古学文化とエスニシティ  加藤博文
 北東日本海域の古代・中世土器編年
   北海道                      澤井玄
   オホーツク海北西岸、アムール河口部、サハリン   熊木俊朗
   アムール川、松花江流域、沿海地方         臼杵勲
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貂主の国の「今」

むとうすさんのところで「タタールのくびき」を購入されたということで、
躊躇した自分の優柔不断さを呪いつつ、衝動買いに走る今日この頃。

北の民の人類学―強国に生きる民族性と帰属性

京都大学学術出版会

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ロシア、アメリカ、中国、そして日本といった現代の「強国」「大国」の中で生き抜いている
北方少数民族の「今」を錚々たるメンバーが語っています。

以下、目次です。

 序章 北の民の民族性と帰属性(煎本孝、山田孝子)
 第I部 共存への道
  第1章 アイヌ文化における死の儀礼の復興をめぐる葛藤と帰属性(煎本孝)
  第2章 カナダ・イヌイットの文化的アイデンティティとエスニック・アイデンティティ(岸上伸啓)
 第II部 「自然」のシンボル化
  第3章 自然との共生
      サハのエスニシティとアイデンティティ再構築へのメッセージ(山田孝子)
  第4章 「我々はカリブーの民である」
      アラスカ・カナダ先住民のアイデンティティと開発運動(井上敏昭)
  第5章 アイデンティティ構築におけるブッシュ・フード及びブッシュの役割
      オマシュゴ・クリーの事例から(大曲佳世)
 第III部 社会変動を生きる
  第6章 チュコトカ自治管区におけるトナカイ牧畜の変化の多様性
      危機に対するチュクチの対応(池谷和信)
  第7章 トゥメト・モンゴル人の民族的アイデンティティの変遷(雲肖梅)
  第8章 中国満州族のアイデンティティ 清朝時代と中国成立以降(汪立珍)
 第VI部 民族性と帰属性の諸相
  第9章 デルス・ウザーラの言語に見るアイデンティティ(津曲敏郎)
  第10章 サハ共和国北部における重層するアイデンティティとエスニシティ(佐々木史郎)
  第11章 モンゴルの文様から見る民族性 美意識の継続と変化(阿拉坦宝力格)
  第12章 「考古学文化」とエスニシティ 極東ロシアにおける民族形成論再考(加藤博文)
 終章 未来の民族性と帰属性(煎本孝)



まぁ読む側としてはこれだけまとまった文献を読むのはうれしいのですが、
対象となっている各民族集団にとっては極めて厳しい状況にどう向き合っていくかという
非常に重いテーマです。

前のエントリーの多様性の議論にも通じるところがあるのですが、
基本的に近代国家というのはその枠内にいる人間を国民として均質化せずには
成り立たない仕組みになっているので、ただでさえ少数集団な上に広域に分散している
北ユーラシアの人々は極めて強い同化圧力の下に晒されています。

それは単に対国家、対多数派集団への同化圧力というだけでなしに、これに対抗するに
少数「民族」という、「国家」とある種同類の概念への帰属を強制される、
あるいは依拠せざるを得ない状況に追い込まれてしまうという二重に悲劇的な状況

を意味しています。

民族の設定は民族誌の時代に学者が設定し、あるいは政府が管理の都合上設定したもので、
当事者の意識とあっていたかという点では大いに疑問です。
同じ環境下(例えば森林ツンドラ地帯)で暮らす、異民族のサブ集団同士の親和性の方が、
同じ言語系統に属すると研究の結果設定された同じ民族の、全く異なる環境(南の草原地帯)で
暮らすサブ集団との親和性よりもはるかに勝っていたことでしょう。

本来、非常に多様性に満ちていた北ユーラシア世界(他の地域でも同様でしょうが)が、
「国家対民族」という対立軸に収斂されている様は見ていて非常に胸が痛みます。

故にこの「貂主の国」のサイトではそういったものがまだ全てを覆い尽くしていない、
民族誌の時代までしか扱わないつもりだったりします。
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MIPPより

MIPPのサイト、今まで気がつきませんでしたが日本語の会社案内のページができています。

日本語会社案内
それなりに重視されるほど日本からの引き合いも多いということでしょうか。

> できる限り広いレンジの旧ソ連の国々で出版した本や定期刊行物を引き渡すという目的を持っています。

ならば是非「ARCHAEOLOGY, ETHNOLOGY & ANTHROPOLOGY OF EURASIA」の購読を
仲介してください(涙)。送金とか手続きがやっかいで未だに実現せず・・・


そんなこんなで、頼んでいた本が五月雨式に届いています。
ある程度オーダーがまとまったら倉庫に探しにいく、という対応だろうなぁと
思わせる反応速度ですが。
MIPP自身じゃなくて契約先の各地の古書店だろうと思うのですが・・・どうかな。

まずはチュコト地方西部の考古学を扱った本。
チュコトカの
石器時代(2004)

ティティル(TyTyl)湖やエルギギトゥギン(Elgygytgyn)湖等西チュコトカを
代表する遺跡についての情報や、この地域に分布していたイムィヤフタフ文化
(の北方バリエーション)とユカギール民族の起源問題との関係を扱っています。

お次は広く北はチュコトカから南はサハリンまで、極東地方の考古学本。
北部極東地域の
新石器時代・初期金属器時代

画像はベーリング海峡沿岸、チュコト半島南東端の遺跡の分布です。
炭素年代でおよそ紀元前5000年代の数字を出しています。

最後に一番期待していた、ヴォルガ=ブルガールと西シベリアの交易を仲介していた
カマ川流域についての考古学。
カマ川流域の交易路
図は10世紀から13世紀頃のカマ川周辺地域です。
一目瞭然ですが、カマ川からはかなりの量のヴォルガ=ブルガールからの
将来品が出土しています。図右側の三角の集中地帯がロモヴァトヴォ文化、
ロダノヴォ文化と発展してコミ=ぺルミャク集団へと続いていきます。
真ん中辺に小規模に集中しているのが後のウドムルト集団。
いずれもその成立にはブルガールとの交易が重要なファクターになっていたようで。

本書は8世紀から13世紀にかけてのこの地域を扱っていますが、
ヴォルガ=ブルガールの影響に加えて、西方からのルーシ、ロシア人の流入、
さらに西方フィン系諸族の流入がこの地域の民族集団形成に大きな影響を
与えたことが記述されています。

今ひとつ実態のさだかでないヴャトカ共和国ですが、これもその流れの中で
図中左のビャトカ川屈曲部に流入してきたロシア人を中心に形成されたもののようです。

ようやくこのあたりの位置関係や時代の流れを把握できそう。


#2月からお客さんのビルに常駐です。
#今まで以上に更新が滞るか、それとももともと滞っているから見た目変わらないのかは謎です(^^;;
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カマ~ウラルの交易路

今日のMIPPのカタログから:

Belavin A.M.
Kamskii torgovyi put': Srednevekovoe Predural'e v ego ekonomicheskikh i etnokul'turnykh sviaziakh | Kama Trade Thruway: The Medieval Ural in Its Economic and Ethnocultural Relations.
Perm': PGPU, 2000. 200 p., il. 27x16 cm. Soft. ISBN 5-85218-267-X. 400 copies. In Russian.
The monograph inquires into economic, ethnic and cultural aspects of development of the Kama Track - the main trade thruway in Russian Ural in the IX-XIV centuries.
$9.00 (Item no. U00676)

9世紀から16世紀にかけてのカマ川~ウラルへの交易ネットワークについて。
かなり期待。
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