のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

花咲かせ子孫をつくる営みの味気なき野良やまこそ返せ

2012年05月31日 | ネイチャースケッチ
質問です
写真の花は何の花でしょうか

数日前が満開でした
11月ごろに収穫されます

昨年産は例の無主物の汚染が基準値以下であったものの
数値が検出されてしまい出荷を自主規制しました

今年も花が咲き秋にはまた収穫できると思います
収穫しても気持ちよく食べてもらえるのか
そもそも手間をかけて管理しても販売できるのか
なんとも味気なく砂を噛むような思いです

答えはキウイフルーツ

キウイフルーツの実を輪切りした時の姿
実の中央の部分のまわりに種子が並んでいる様子とこの花のめしべの配置が
似てるんだぜぃ♂

ワイルドだろぉ♂

千年の都汚せる無主物を消し去るには千年かかる

2012年05月29日 | 散歩漫歩
3.11被災地を訪ねて(番外編)

写真は奥州藤原氏がつくった町並みがあったあたりを
中ソン寺の境内から眺めたところ

世界遺産に登録された平イズミは観光客でにぎわっていました

しかし柏からの客人ということもあってか
中ソン寺を案内してくれたガイドさんはタケノコも山菜も
昔のようには食べられないんですよと打ち明けてくれました

ふたたび“兵どもが夢の跡”とならないよう切に願いまする

これほどに彼岸此岸の境目が明らかなれば命運思う

2012年05月27日 | 散歩漫歩
3.11被災地を訪ねて その3

上の写真はベッドに寝たまま津波で流されていったと伝えられている
南サンリク町の病院です
右側の一段高い建物の屋上に逃げた人だけが助かったといいます

             

街跡のがれきのうち車両関係が集められているところ
もとの車の形を残しているものが見あたりません
車がこんなになるほどの濁流の中に人も呑み込まれていったのですから
その末は推して知るべしです

がれきの後ろの丘陵部分には前に広がる光景とは全く関係のないように立つ家々
3.11以前は目の前に
病院やスーパーマーケットや役所のある街が広がっていたはずです
助かりはしたが残されたものの心情も察せられます

             

そんな中で期間限定で開設されている商店街がありました
伺った時は買い物客はなく閑散としていましたが
復興のシンボルとして町の大きな希望になっているようです

商店街の裏手の山の杉木立
低い方のスギが茶色に変色しているのがわかるでしょうか
スギは塩水に弱くこの根元まで海水が押し寄せたことを物語っていると

             

仙ダイ空港到着ロビー内には3.02mと記録されています

             

松シマの瑞ガン寺境内の参道は九割方海水に浸かったことのわかる立て札がありました

彼岸此岸の境目をたどるなかで命運というものを思わざるを得ません

ここにまで登って遊ぶ子らいればいらかの先の川面見ただろ

2012年05月25日 | 散歩漫歩
3.11被災地を訪ねて その2

児童の大半の犠牲者をだした大カワ小学校跡地
学校の周りには集落があって
校庭からは川の様子は見えなかったといいます
周囲のがれきはきれいに片づけられ
傷跡見える校舎だけがぽつんと残っていました

途中の道の駅直売所で購入した花束を献花台に手向けました
ここでも一同言葉を失いました

             

校舎の裏手には傾斜が45度もありそうな山が迫っています
土砂崩れの危険があったのか
校舎に近いところは木々が切られ崩壊防止の工事が施されていました
斜面の下の方の中腹に踊り場があって
そのすぐ下にここまで水がきたという看板が立てられています

もしこの踊り場まで登って来ていたら…

後でなら誰もが思うことですが
大きな地震直後に崩落危険地区に子らを誘導していいものか
当事者は当然逡巡したことでしょう
普段から子どもたちには近づいてはいけないと指導していたでしょうし

山腹の踊り場からはやませが川面を上ってきているのが見えました
今年は寒い夏かも知れません   

お帰りと黄色いハンカチ迎えても家建てられぬ故郷があり

2012年05月23日 | 散歩漫歩
             

農業委員会の視察研修で3.11の被災地を回ってきました

仙ダイ空港周辺の水田地帯は
津波に襲われる様子が上空からのライブで映し出されたところです

あの時も「あーっ」という声を発するしかなかったのですが
一年を過ぎた現地もまた同じように言葉を失いました
見渡す限り
もしかしたら柏市中の水田を合わせた面積よりも広い水田に緑がなく
カエルの声も聞こえないような光景でした

            

建物の土台部分だけを残している集落跡には
なにやらメッセージの書かれた看板が掲げられていました
画像を拡大すると「自分の命は自分で守る」というように読めるような…
なかなかまとまらない復興計画や建築制限に対する住民のメッセージなのか

奥の方には「黄色いハンカチ」のように三角に旗の掲げらた場所も
帰るのか帰らないのか帰れない

この春はムシの出る出ぬ境界線

2012年05月19日 | 春の梨畑
今年は農作物にアブラムシがなかなかつかない
もしや例の無主物の影響?
なんてことが知り合いの家庭菜園仲間の話題に乗っているとか

ここにきて伸び出したナシの枝先端の葉が縮れ
アブラムシさまの登場です
単純に気温が低くてなかなか姿を見せなかったのではないか
という仮説をたててみましたがはたして…

それに対してシャクトリは例年までと大差ない傾向
絶妙な気温の境界線

身の丈以上の苛立ちに泡立ちぬ

2012年05月17日 | ネイチャースケッチ
わが家の家の裏にあるほんの二坪ほどの竹林?
毎年 自家用のタケノコを産出してくれていた竹です
ところが今年は例の無主物問題で食用には不適という烙印

来年は大丈夫という確約があるわけでなく
それなら一度リセットしてみようと4月のなってからみな伐採
落ち葉も掻き取り最低限の対策はしてみました

新しいタケノコを何本か残し来年以降に期待ということですが
そんな非道な仕打ちにはらわたが煮えくりかえったか
竹の切り株からあぶくが吹きだしています

近頃は雨風借金俄事

2012年05月10日 | 今年の米づくり
この前の日曜日に続いて寒気が入ってきたということで
午後から“一転俄にかき曇り”強風と土砂降りの雨に見舞われました

柏市内でも南部では15分ぐらい降雹があり
ナシ畑の防災網にも氷塊が溜まって乳房のように垂れ下がったといいます
露地野菜も相応の被害が出ているようです
同じ“俄事”なら失禁ならぬ借金でなく“たなぼた”“俄大尽”になりたいもの

俄事といえば今年は田植えも俄事になってしまいました
4月中は寒くてなかなか生育せず
これなら田植えも遅れるかとのんびり構えていましたら
連休中に突然伸び出し例年より5日ぐらいも早いか

わが家の稲苗は極端に薄播きにして
加温せず自然にまかせてじっくり成育させてごっつい苗にしようとしているのですが
今年は苗箱も隙間だらけ

あちらこちらから「育苗に失敗した」という声も聞かれます
植えている苗も背丈の長いものが目立ってみんな育苗には苦労している模様です
そうなら
ひょろひょろでも健苗ならよいことにして明日から田植えでもしましょうか

竜神の滴も凍る気の乱れ

2012年05月06日 | ネイチャースケッチ
南風が吹き込んでいるところへ寒気が降りて来たのだそうです
各地で積乱雲が発達し突風 落雷 降雹 竜巻で被害がでました

茨城・栃木では観測史上最大規模の竜巻が通り過ぎ
水戸周辺ではゴルフボール大の雹が落ちたといいます
幸い当地では5mm大の雹が2分ぐらい降ったくらいで済んだでしょうか

ナシ畑には多目的防災網をかけてありますし
危ないと思い稲苗プールにも直前に網をかけて無事でした

地球の温暖化が話題になっているなかで
太陽の活動をみると実は氷河期へ向かう傾向があるそうで
この時期の気の乱れもその現象のひとつでしょうか

同じ「乱れ髪」なら「さ乱れ髪」になって「五月雨」でいいのですが

八頭の一頭を残し春惜しむ

2012年05月04日 | 春の梨畑
もう立夏というのにナシ畑では
春仕事の最後 摘果作業をようやく始めています

交配から約2週間
花粉を十分受けた実は10mm近くまで育っています

ナシは一つの花芽に8つの花が咲きます
今年 定点観測してきた花芽も8つの花が咲き7つの着果しました
枝に近い方から「一番果」「二番果」…と呼びます
一番果には一番果の 八番果には八番果の性格がありまして
中では三から五番果の性格がよいとされています

ということで
実も一番大きくて三番果の実を残して
残りの実を摘み落としてしまいました

              

摘果しないでそのまま置いておくと
ゴルフボール大ぐらいまでしか育たず樹勢も大弱り
小さなヤマタノオロチのごとく大暴れしてしまいます

並び立つ折合い探す夏立ちぬ

2012年05月02日 | 春の梨畑
ナシの花の交配の際には大活躍してくれたニホンミツバチ
開花終了後
ナシ畑に殺虫剤を散布したのですが
わが家のミツバチたちはまだ元気です

殺虫剤ですから昆虫の仲間のハチも影響を受けるでしょうが
最近はミツバチに影響の少ない農薬も出始めています。
花の交配はムシに頼っていながら
一方で殺虫剤を散布しなければならないという果樹農家ゆえのジレンマ

数年前 世界規模でミツバチの数が減っていて
その原因は農薬の使用にあるというニュースが盛んに流れ
果樹農家としてはまことに居心地の悪い思いをしていました

わが家では毎年殺虫剤を使ってきて
それでも毎年ミツバチが花が咲くと集まってくれるという事象を見てきました
数が減っているのは西洋ミツバチで
天然のニホンミツバチはそれほどの影響を受けないのではないか
西洋ミツバチの数が減ったのは農薬の影響ではないのではないか

そんな仮説を検証するため
ってそんな大げさなものではないのですが
この春からわが家の庭で2群のミツバチの巣をあずかっています


虫と人の共生という話題では
住宅地に置いていたニホンミツバチの巣を
近隣の方からのクレームで撤去をせざるを得なくなったという話を聞きました

その方は去年からニホンミツバチを養ってきて
この春初めて分蜂したそうです
たまたまその分蜂の塊がお隣の庭にいってしまい
お隣はびっくり

このハチは人を襲ったりはしないと理解を求めたのだそうですが
納得してもらえず
不在時に殺虫剤を散布されそうになったこともあったとか

毎朝 娘さんが巣箱から出入りするハチを楽しみに観察していたそうです
家から巣箱を運び出す時 涙を流して別れを惜しんだといいます

“養蜂”という言葉があります
ハチは人間とペット以上の関係にあるといえないでしょうか