テレオロジカルな行為。

結果に関わらず、それ自体から充足感が得られる行為。
by ポール・マッケンナ

組織の中で生き残るために あなたなら どこまでできるだろうか・・・

2013-01-13 09:33:35 | 映画紹介

 

久しぶりの映画紹介です。

2010年の作品です。

最初は嫁はんがTVで観ていたのを横目で観ていました。

 

主人公の寡黙で熱血漢の刑事が自分の手を汚すあたりから面白くなってきました。

「単なる勧善懲悪ものではないんやな・・・」

人間っぽくて、リアリティーがあって面白そう・・・真剣に観始めます。

 

逆に嫁はんはこのあたりから興味が薄れてきたようです。

嫁はんはこんなにハードボイルドな内容だと思ってなかったらしい。

 

全編にわたり激しいバイオレンスと権力争いなどが繰り広げられ

貧富の格差や弱者などの実態も生々しく描かれています。

 

まぁしかし、不必要な暴力などは描いておらず、

みんなそれこそ各々の立場で生き残るために必死です。

 

それが美しかろうが、醜かろうが、とにかくみんな自分の立場を死守したい。

あるいはもっといい景色を見たい・・・そういう向上心(欲)を持つのが人間です。

 

韓国映画の魅力の1つでもある、荒々しいバイオレンスシーンにも強引に引き込まれるんですが、僕はあえてこの映画の魅力はそこにあるのではなく、

 

「権力争いの渦中ある人間の内面の葛藤を、

ていねいに描いている」

ところだと思います。

 

この映画は多くのことを示唆しています。

 

善と悪の境目は・・

権力の自浄作用の難しさ・・・

政治、警察機関、マスコミの関係・・・

社会システムの問題・・・

豊かさの影に隠れた弱者の実態・・・

組織の中の人間・・・

 

 

映画の中の狡猾で賢そうな検事役のセリフ。

「オレは臆病だから検察になったんだ!」

 

僕は個人的にこの言葉が一番印象に残りました。

 

 

大人向けの映画です。単純な正解などありません。

観て、ずし~っとした気分になってください。

そして誰が生き残ったのかを見届けてください。

 

そう、それが我々の住む社会の一面なんですから・・・