新著の発刊が社会現象のように新聞やTVを賑やかす作家 村上春樹 。
この変わったタイトルに飛びつく人と引く人がいるでしょう。
私・・・・引きました。「ノールウエーの森」 途中で脱落し、微かな敵意を
持ちました。ところが「1Q84」で訳わからない魅力に一気読みし、
しばらく寝かせて再読。 面白いでも判らない
「音楽を聴くように読めばよい」 と結論しました。
その時の快感を思い出してAMAZONしました。
主人公 多崎つくる は高校生の時、よく気の合った仲間5人で
行動していました。男子3名女子2名。よく出来た5人で子供たちへの
ボランティア活動に励み、美しい一体感を「僕らの間に生じた特別な
ケミストリー」と感じあうグループでした。
名古屋に4人が残り、”つくる”は東京の大学に進学しました。
大学2年の夏休み前、突如4人は”つくる”に絶交しました。
”つくる”の死の間近の絶望は半年ほど続き、死なないけれど心に
重く残って消えることは有りませんでした。
その後彼の前には年下の学生 灰田 が登場し、女友達も
何人か出来ました。
鉄道駅舎関係の職場を得、”つくる”は36歳になった時、木元沙羅という
2歳年上の有能な女性を恋人にします。
彼女は、4人との不可解な別離の真相を知るべきと強く提案し、
行動の入口まで短時間で調べ上げて、彼の背中を押したのでした。
それから・・・・彼の巡礼・・・・が始まります。
巡礼といっても、日本の仏教の霊場回りもあり、カトマンズや
キリスト教やイスラム教やそれぞれ違います。 えらく違います。
村上春樹のタイトルの味付けの 妙 がねぇ~
私 読書歴70年にはなりまして、これまで読んだ小説の中で、
止められない止まらないだったのが、 吉川英治の鳴門秘帖・
村上春樹の1Q84、それとこの「色彩を持たない・・・・」です。
それ程 面白かった。 そして想うことが、懐かしく重かった。
先ごろ読んだ小澤征爾と村上春樹の対談集の影響が極めて大きかった。
この小説 言葉で書かれたシンフォニー。 彼の異常な程の音楽好きが。
五線紙の上に音符の代わりに文字がのっかった。
2度目に読んだら、ここが第一楽章これからが第二楽章と進むと
全体がよく判る。 これ交響曲というより、協奏曲。
ヴァイオリン・コンチェルト かな・・・ ピアノとは言いたくない
読まれた人は判ると想う。
前半の”つくる”はいつも受け身。 後半になって巡礼を志してからは能動的に。
人は思いがけず裏切られ、意に反して裏切ることも多い。
80歳になっても、傷は目立たなくなっても心の底に残る。
巡礼に出なくても、彼の旅に心は沿う。
この小説のエピソードのいくつかは、本当に魅力的なメロディやアクセントとなって
で楽しませてくれる。 村上フアンの気持ち分かるわ~
子供の時から「読書感想文」大嫌いでした。
blogerになって、受け(先生の)想定しないでの 言いたい放題 シアワセ。