現在、朝日新聞が特集記事『プロメテウスの罠 研究者の辞表』を連載し、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)による予測結果が住民避難に活用されず、住民を被曝させた場面を連載しており、11月6日が最終回です。
特集記事『プロメテウスの罠』については、本ブログ「朝日新聞:〈プロメテウスの罠〉でSPEEDIを避難案に不活用・・・被爆させた責任はウヤムヤ?」で取り上げ、ブログ「nanohana」様のエントリー『〈プロメテウスの罠〉研究者の辞表(1)〜(18)/朝日新聞』で、11月3日の18回目まで掲載しており、本日11月6日は、最終回の21回になります。
当方は、本ブログで、朝日新聞の朝日新聞の特集記事の16回目までを、
”「SPEEDI予想図はマニアルに準拠し作成されたが、関係者の連絡不十分で住民に避難指示に活用されなかったのは勘違いだったとしているが次回以降、「勘違い」、「知らなかった」を容認するストリーにするのか興味ありますね。」”
と、朝日新聞が、SPEEDI予想図が住民避難に活用されなかったことへの追求をどうするか興味をもっていました。
17回目は、サブタイトル「来なかった官僚たち」で、現地対策本部のメンバーは事前に決まっており、茨城県ひたちなか市にある原子力緊急支援・研修センターの7名は現地本部に向う、センター長の片桐裕実氏が通信回線が全滅の中で、SPEEDIの予測図が使えず、風向風速計を参考に放射線値のモニタリングしたと。
現地対策本部には、13省庁から45名集合する計画であったが、実際、集合したのは5省庁、26名で、保安院の原子力防災課長の松岡建志氏は”「災害対応が忙しかったと聞いている」”と弁明。
18回目は、サブタイトル「置き忘れたファイル」で、現地対策本部は、借用した車で、周辺の放射線値を測定したが、現地本部は孤立状態で、実測値を東京の本部に送信できなかった。
現地本部が、15日に、福島県庁に撤退した際に、実測値ファイルを置き忘れ、回収したのは、5月28日で、6月3日に公表された。
一方、文部科学省茨城原子力安全管理事務所の渡辺眞樹男氏が測定した浪江町赤宇木の毎時330マイクロシーベルトは、翌日同省のHPに掲載されたが、肝心の測定地点は、ほとんど地名のない地図上に○で囲んだだけで、町の関係者も認識できず、電話での問い合わせに教示しただけで、情報が末端まで届かなかったと。
19回目は、サブタイトル「布団かぶれーっ」で、3月15日昼、現地本部が福島県庁に撤退したことに、保安院の原子力防災課長の松岡建志氏は”「20キロ圏に住民が残っていないのを確認して撤退した」と説明したが、逃げる手段のない住民が残っていたと。
20回目は、サブタイトル「世界で初めてです」で、辞表をだして現場に飛び込んだ研究者、木村真三氏の現地での活動紹介し、「復興を考える会」の酒井忠平氏の自分たちの土壌調査と県の調査の違いを紹介し、試験栽培で放射性物質の変異を調べると。
最終回の21回目は、サブタイトル「いつの日か田植えを」で、飯舘村長泥の農民の”「山を田畑に開墾したら、減反になり、今度は放射能汚染だ」”の話を紹介し、4月6日、長泥に専門家が派遣されてき、”「住んでも大丈夫」”と説明したが、4月22日、国が飯舘村を計画的避難区域と決定した。
そして、木村真三氏のその後を紹介し、木村真三氏が参画したNHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」が、「原発周辺のありさまをありのまま知らせた」ことが、日本ジャーナリスト会議の大賞、早稲田大学のジャーナリズム大賞を受賞したと。
結語は、
”「震災後、原発から逃げる人たちに大事な情報は届かなかった。
政府からは「パニックを恐れた」という声も聞こえた。
国が何とかしてくれると信じた人たちにとって、その言葉はあまりに切ない」”
と結んでいます。
特集記事『プロメテウスの罠』の第2シリーズ「研究者の辞表」のサブタイトルで、木村真三氏で始まり、終わっている構成で、第3シリーズは、「観測中止令」が予定されており、期待できるタイトルですが、いままでの特集記事では、原子力災害時の対応については、敢えて責任問題していませんね。
19回の記事で、SPEEDIの存在を認識したあとも、官邸は予測図を公開せず、避難区域の決定をめぐる原子力安全・保安との食い違いも、現地本部撤退時に起きたデータの置き忘れ、3月15日、現地本部が福島県庁に撤退した際、保安院の検査官全員も全員撤退したと記述があり、政府および関係機関の混乱で、避難した住民を被曝をした事実は、いかなる理由があろうとも職務怠慢としか思えないですね。
朝日新聞の特集記事『プロメテウスの罠』は、良識的な内容と好感をもてるが、朝日新聞を含めマスメディアについては、本ブログ「原発事故:青山繁晴氏の現場取材・・・臨場感・現実感あり」で、
”「当方は、当初から、原発事故の沈静・復旧には、現場体制と外部電源の確保が不可避とし、メディアの報道を注視していたが、事故現場の報道が皆無であり、不可解で、途中から、現場報道しない報道機関の怠慢・劣化を思うようになりましたね。」”
”「マスメディアの現地取材の努力不足であり、自ら、自己規制して、自分らは安全地帯にいて、原発事故を報道しているのは、御用報道機関になりさがったのです。」”
と書きました。
特集記事『プロメテウスの罠』は、辞職して現地入りした木村真三氏と、自己規制した御用報道のメディアとの使命感の違いを際立たせる印象的な内容でしたね。








